世界的に注目されている日本旅館「星のや東京」のダイニング・レストラン

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 五つの意思

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 五つの意思

ここ最近も多くのホテルが東京に誕生していますが、中でも最大の驚きと期待をもって迎えられたのは、大手町に2016年7月にオープンした「星のや東京」ではないでしょうか。

日本旅館として国内はもちろん、海外からも絶大の支持を受けている「星のや」が大手町という東京の大都心にできるということで、ファンはもちろん、ホテルや旅館に興味のない人からも注目されました。
星のや東京のエントランス

温かい笑顔で迎えてくれる、星のや東京のエントランス

「塔の日本旅館」をコンセプトにした高層ビルの「星のや東京」は、客室や温泉といった宿泊施設だけではなく、食も非常に評判が高いです。

これまでは宿泊客しかダイニング・レストランを体験することができませんでしたが、2017年3月1日から「Nipponキュイジーヌ」(18,000円・税サービス料別)という新たなコースの提供が始まり、それと同時に宿泊者以外もダイニングを利用できるようになりました。

話題となっている「星のや東京」のダイニングの魅力と、「Nipponキュイジーヌ」の全容を詳しくご紹介しましょう。

「星のや東京」地下1階、静寂な雰囲気のダイニング

星のや東京 ダイニングフロア

星のや東京 ダイニングフロア

ダイニングは地下1階にあります。幻想的な雰囲気を携えた静謐な空間で、心洗われる気分にさせられます。
星のや東京 ダイニング セミプライベートテーブル

ダイニングのセミプライベートテーブル(半個室)

6室の個室と、セミプライベートな4テーブルがあり、他の客のことを気にせずに食事を取ることができます。デートや接待に適していることはもちろん、小さな子供を連れていても安心です。

世界トップクラスのシェフ、浜田統之氏が料理長

開業から料理長を務めているのは、浜田統之(はまだのりゆき)氏。「軽井沢ホテルブレストンコート」にある名店フレンチ「ユカワタン」の総料理長を務め、2005年「ボキューズ・ドール日本大会」で史上最年少優勝を果たし、2013年「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」では日本人初の3位(魚料理では世界1位)を獲得するなど、輝かしい経歴を持つ料理人です。

浜田氏は世界的な料理人であるだけに、日本人の料理がどうすれば世界で通用するのかを常に考えています。そして、「星のや東京」であれば、日本の特徴を生かし、海外にも十分通用する新しい料理を創り上げることができると確信し、「星のや東京」の料理長を引き受けたのです。

ネタとシャリだけで完璧な世界を体現している寿司を例に挙げ、食材に制限をかければかけるほど、その食材を深くまで掘り下げ、ポテンシャルを引き出せるという哲学を持っています。

こういった理論から、肉を使わず、魚を中心にして構成する「Nipponキュイジーヌ」を紡ぎ出し、日本料理ともフランス料理とも分類できない新しいジャンルを切り拓き、今ムーブメントを起こすに至ったのです。

Nipponキュイジーヌとは

浜田氏が考え出した「Nipponキュイジーヌ」は、以下の特徴を持っています。

■Nipponキュイジーヌ 18,000円(税・サービス料は別途)
  1. これまでお皿に載らなかった、名も無き魚が登場
  2. 食材が持つかかわりをお皿の上で表現
  3. 確かな技術と日本らしさが織りなす、日仏料理の融合

その日に獲れた魚でコースが組み立てられるので、メニューは毎日同じということはありません。それぞれの日の料理が、他にはない特別な存在となっています。

高級魚だけではなく、普通は地元で消費されるだけであったり、一般的にはほとんど知られていなかったりする魚も使っています。ひとつひとつの料理にしっかりとしたストーリーを内包しているのも大きな魅力です。それではさっそく、一品ずつご紹介していきましょう。

チュイールとフリット

星のや東京 Nipponキュイジーヌ チュイールとフリット

Nipponキュイジーヌ チュイールとフリット

最初のフィンガーフードはダイナミックなプレゼンテーションです。魚の骨のパウダーを練り込んでチーズを振りかけた真っ黒なチュイールと、白身魚のすり身に松藻を巻き付けたフリット。 これから始まる魚料理のコースを期待させる、趣向を凝らした2品です。工事の時に出土した江戸時代の柱の木を器として蘇らせて使っています。

鱧(ハモ)

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 鱧

Nipponキュイジーヌ 鱧のデクリネゾン

鱧(ハモ)のデクリネゾンで、鱧の様々な魅力を楽しめるようになっています。ホオズキの中には鱧のテリーヌの煮凝り。手前左は鱧のフリットで、フキノトウとキュウリの古漬けを用いたタルタルソースを合わせています。鱧のコンソメは、目の前で南部鉄器の急須から注いでもらえます。鱧の旨味、滋味、生命力が感じられるワンプレートでしょう。

鯵(アジ)

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 鯵

Nipponキュイジーヌ 鯵

塩で脱水して旨味を凝縮した鯵(アジ)です。和食であれば昆布で〆るところを、生ハムで〆て力強い味わいに。 底にあるのは、トマトのジュレ。かためで品のよい香りと酸味があります。新潟の名物である上溝桜の花軸を塩漬けした「アンニンゴ漬け」をピューレにしてソースを作り、上溝桜の花を載せています。涼を味わうことができる食後感のよい前菜です。

五つの意思

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 五つの意思

Nipponキュイジーヌ 五つの意思

酸・旨・苦・辛・甘の五味を、白木と白の天然石に載せられた一口サイズの料理で表現しています。石はそれぞれの料理に対して最適な温度に保たれており、五味に対するこだわりが感じられます。

左から順番に、桜鱒のタルタルと大根のピクルス、新タマネギのスープ、稚鮎のリエット、帆立貝とタケノコのムース、桜海老のコロッケ、ニシンの甘露煮と桜の葉を用いた道明寺。左から順番に食べると、味覚が感化されていきます。

百合根

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 百合根

Nipponキュイジーヌ 百合根のムニエル

半株の百合根をバターでムニエルにしています。百合根は芋のようにホクホクとして、バターにとてもよく合います。添えられた上溝桜のピクルスがよいアクセント。土に見立てた茶色いパウダーは、ドングリ粉で作られています。

山独活(山ウド)

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 山独活

Nipponキュイジーヌ 山独活

山独活(山ウド)の茎に赤ムツと熊のラルド(脂)を巻き付けて焼き、台湾胡椒で仕上げています。山独活の朴訥とした食味に、赤ムツの洗練された味わいと熊のラルドの重厚感が加わり、複雑な味となっています。山独活の葉も軽く素揚げして添えられています。

浜田氏は、熊は独活が大好物であることからインスピレーションを得て、この取り合わせを考えました。

サザエ

星のや東京 Nipponキュイジーヌ サザエ

Nipponキュイジーヌ サザエのフラン

サザエの肝を使ったフランに、ソテーしたサザエとキノコ、山菜のフリットを載せています。目の前でサザエの殻に入ったスープをフランにかけてくれます。フランの甘味と磯の香りに、肝の心地よい苦味が交わります。サザエの肝が苦手な人でも、柔らかな味に仕上げてあるので食べられるでしょう。

金目鯛

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 金目鯛

Nipponキュイジーヌ 金目鯛

軽く火入れした伊豆の金目鯛を使った料理。金目鯛は塩だけで味付けしたものと、柚子胡椒を塗ったものとがあるので、変化を楽しめます。白い花はニリンソウで、茎はイヌドウナ。目の前で金目鯛のフュメ ド ポワソンをかけて仕上げます。

鮫鰈(サメガレイ)

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 鮫鰈

Nipponキュイジーヌ 鮫鰈

鮫鰈(サメガレイ)は三陸や東北、北海道で食べられ、肉に匹敵するほど脂がたっぷりとのった魚です。こちらは静岡県産で、皮目がパリパリとしており、しっかりとした味わいがあります。ソースは2種で、ジュドボライユと、酸味を効かせたベアルネーズソース。ベアルネーズソースはエストラゴンではなく上溝桜が使われています。

浜田氏が手摘みしたゴマナやコゴミなどの山菜は素揚げされ、美しく添えられています。

晩柑と大葉

星のや東京 Nipponキュイジーヌ 晩柑と大葉

Nipponキュイジーヌ 晩柑と大葉のアヴァンデセール

アヴァンデセールは河内晩柑(かわちばんかん)、ハチミツ、大葉のソルベを取り合わせた、和を感じさせる爽やかな一品です。

よもぎ

星のや東京 Nipponキュイジーヌ よもぎ

Nipponキュイジーヌ よもぎのオペラ

ヨモギのビスキュイ・ジョコンド(アーモンド入り生地)を使ったオペラ。一層にだけ白餡が使われており、それだけで和菓子のニュアンスが感じられます。イチゴソルベにも白餡が加えられています。白餡は、茗荷谷の老舗和菓子屋に作り方を習いに行ったほどで、こだわりがあります。

おたのし実

星のや東京 Nipponキュイジーヌ おたのし実

Nipponキュイジーヌ おたのし実

「おたのし実」については、実際に訪れて召し上がる時のお楽しみとさせていただきたいので、記事では詳細を省きます。ただ、一品一品がどれも素晴らしいということだけを述べておきましょう。

楊枝の材料となる天然の「黒文字」の枝を使ったお茶は、これも浜田氏ゆかりの長野県のもの。コースの最後まで「Nipponキュイジーヌ」の哲学を感じられました。

最後に客室や温泉、お茶の間ラウンジについてもご紹介しましょう。

和の装いをした客室

今回は宿泊以外でも利用できるダイニングの「Nipponキュイジーヌ」を紹介しましたが、「星のや東京」の魅力は料理に加えて、その施設やサービス、雰囲気にもあります。
星のや東京undefined日本旅館ならではの客室

星のや東京 日本旅館ならではの客室

客室の床には畳が使われており、温もりがあります。障子など和の要素を盛り込んだ部屋は、日本人であればほっと落ち着くことができ、外国人であれば日本の文化を体験できる貴重な機会となるでしょう。

各階には「お茶の間ラウンジ」

星のや東京undefined寛ぎ空間「お茶の間ラウンジ」

星のや東京 寛ぎ空間「お茶の間ラウンジ」

各階に専用のお茶の間ラウンジが備えられていることも見逃せません。今ではどのホテルでも、クラブフロア宿泊者が自由に使えるクラブラウンジが設けられています。しかし、各階にラウンジを備えてあるホテルはそうないでしょう。1つのフロアには6室しかないので、セミプライベートな空間として、お茶とお茶菓子を嗜みながら、のんびりと寛げます。

都心にいながら満喫、天然温泉の露天風呂

星のや東京 温泉

星のや東京 最上階の天然温泉

最上階17階には地下1500メートルまで掘って作られた天然温泉があり、露天風呂まで備えられています。露天風呂には高い塀があるので、高層ビルに囲まれていても安心して入浴できます。大手町の高層ビルで温泉に入るのは貴重な体験となるでしょう。

他では味わえない、新しいジャンルの料理

「Nipponキュイジーヌ」は「Nippon」という日本語と「キュイジーヌ」というフランス語を合わせた造語で、不思議な響きを持ちます。実際にその料理はどれも、日本料理のようでもあり、フランス料理でもあるので、全く新しいジャンルの料理であると言えるでしょう。他では食べられない料理ばかりです。

いま、最も注目されている料理人の浜田氏がゼロから紡ぎ出した「Nipponキュイジーヌ」は宿泊客以外も味わうことができるので、是非とも一度は体験してみてください。

■星のや東京
住所:東京都千代田区大手町1-9-1
TEL:0570-073-066(星のや総合予約)、03-6214-5155(ダイニング予約専用)
※毎月1日より受付開始。2ヶ月後の月末までの予約受付可
時間:17:30~20:30(最終入店)
定休日:なし
アクセス:「東京駅」丸の内北口から徒歩10分
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://hoshinoyatokyo.com/

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