一人旅の宿選びのポイントは?
せっかくの一人旅、極上の温泉宿に泊まりたい
一人旅で選んではいけない宿のポイントは3つ。
- 意外と気まずい「貸し切り風呂」は避けるべし
- 「バイキング」は避けるべし
- 部屋数が50室を超える宿は避けるべし
貸し切り風呂は、カップルや小さなお子様連れなど多様な個人旅行に応えるようにつくられてきましたので、そもそも「おひとり様」客は少ない傾向にあります。また、大きなバイキング会場で立ったり座ったりを繰り返し、1人ポツリと食べるのも間が悪い。そして、部屋数が50室を超える宿では宴会を楽しみにしている団体客と大浴場等で一緒になり落ち着かない可能性が考えられます。
詳しくはガイド記事:一人旅に選んではいけない宿の3つの特徴へ。
これらの避けたい3つのポイントを押さえながら、静けさのなかで温泉と食事を堪能できる「おひとり様」歓迎の宿を全国から10軒をセレクトしました。
一人で味わう部屋食の幸せ「伊東温泉・伊東 緑涌」
相模湾に面した伊東温泉のなかでも「伊東 緑涌」は、山側に佇む宿。伊東小涌園の敷地内にある、旅館イン旅館です。客室は、離れ形式で全室露天風呂付が7室。日本家屋の懐かしさがありながらも洗練された印象を与えているのは、選りすぐりの家具や備品類。シックで落ち着いた印象のなかに、日本の伝統色をテーマにした、デザインがアクセントになっています。テラスにある露天風呂に注がれるのは、目の前の庭に湧く自家源泉。泉質はアルカリ性単純温泉の源泉かけ流しで、湯上りの肌はツルリとする美人の湯です。好きな時に好きなだけ新鮮な湯を楽しみましょう。
嬉しいのは一人で部屋食を堪能できること。サービス係がきめ細かなに対応してくれます。一品一品の会席料理ですので、人目を気にすることなく、ゆっくりと味わいましょう。1人利用は月から木曜日限定。ご褒美の一人旅を堪能してみませんか?
贅沢! ツインルームを一人で使える「箱根・木賀温泉 華山」
クラシカルな雰囲気ただよう箱根・宮ノ下温泉から徒歩圏内。「箱根宮ノ下 華山」は6室の小さな宿。純和室と洋室があり、一人でもツインベッドルームが使えるなんて贅沢ですね。宿がある木賀温泉は、箱根七湯のなかでも歴史が深く、江戸時代には将軍家に献上するため江戸まで運ばれていたという由緒ある湯。今では数軒の宿があるだけの小さな温泉場です。男女別の大浴場は、内湯と木々を眺められる露天風呂があり、無色透明でサラリとした自家源泉が注がれています。客室数の割には広々としているで、ゆったりと入れるのが嬉しいですね。夕食は大きなガラス窓が印象的なダイニングで、女性の料理長が考案した色鮮やかな会席料理をじっくりといただきましょう。
<華山>色鮮やかな夕食(宿のホームページより)
芭蕉ゆかりの地で一日中温泉を楽しむ「山形県赤倉温泉・湯守の宿 三之亟」
宿がある山形県赤倉温泉は、俳人・松尾芭蕉も歩いた最上町にある小さな温泉場。開湯は863(貞観5)年と歴史が深く、「湯守の宿三之亟(さんのじょう)」は17代目の湯守がいる湯治の宿です。
木造の建物の廊下を進み一番奥に位置するのが広々とした「岩風呂」。その昔、手掘りでくりぬき造った湯船は、段々状に深くなる「深湯」、足元湧出の「中湯」、打たせのある「高湯」の3種類。この岩風呂自体が湯元であり、空気に触れずに源泉に浸かることができるのです。足を滑らせないよう気をつけながら湯船に浸かると、岩の間からも温泉が浸みだしているのが分かります。
客室は全て和室の全29室。旧館と新館があり、一泊二食付きの旅館スタイルと、量が控えめな湯治スタイルや素泊まりプランもありますので、温泉好きの一人旅にはもってこいの宿なのです。
一人酒を楽しんだあと、そのまま秘密の部屋へ「山形蔵王温泉・ろばた」
ひとり酒を楽しんで「もうこのまま眠りたい!」。そんな粋な飲み方ができるのが「二階宿」。山形県蔵王温泉のど真ん中にある「ろばた」は、1階で飲んで、2階に上がると3室だけの秘密の部屋があるのです。食事は、山形発祥のジンギスカンを頂きます。しかも生肉で新鮮!地元のお客さんも多いので触れ合いも楽しいですよ。店内は、煙で包まれ浴衣もすっかり羊の臭い。寝る前は、青白い蔵王の酸性泉でサッパリと洗い流して。小さい浴場ですが源泉がかけ流されています。宿泊予約は、電話で受け付けています。
部屋で絶品の馬刺しを味わえる「下諏訪・鉄鉱泉本館」
江戸の街道の一つ中山道で唯一の温泉が湧くという下諏訪宿。「鉄鉱泉本館」は今では希少の木造三階建てで、8代続くという一家が守ってきた9室の小さな宿です。客室は、純和室。建具や装飾には大工の遊び心が見え隠れし、一つとして同じ部屋はありません。
男女別の内湯には、隣の敷地から湧く「旦過の湯」の温泉が贅沢にかけ流されています。最初は少し熱めに感じますが、ゆっくり慣らしていくと包み込まれるような柔らかい湯。 古来より皮膚病に効くとされているだけに、湯上りの肌は滑らかです。
夕食は部屋食。元料理屋だったというだけあり味は抜群。山国だけあって、馬刺し、諏訪湖産の鯉の洗いや鯉の旨煮など。食材だけではなく、土地の食文化に根差した味つけが、旅慣れた人や食通をも満足させてくれる献立が嬉しいですね。
ほっこり囲炉裏の宿で癒される「福地温泉・山里のいおり 草円」
数々の名湯が湧く岐阜県の奥飛騨温泉郷。景勝地である乗鞍や上高地にも近く数日滞在するのもいいでしょう。「山里のいおり 草円」は、静かな山間にある福地温泉にある温もりあふれる田舎の宿。母屋は飛騨造りで国登録有形文化財に指定されており、立派な囲炉裏が迎えてくれます。客室は3タイプが15室。3カ所ある風呂は、渓流沿いの野趣あふれる露天風呂、全天候型の大浴場、貸切風呂、それぞれに個性的で全て源泉かけ流しです。
泉質も3種類。自家源泉が2種類と福地温泉の共有源泉が1種類。おすすめは大浴場に注がれている自家源泉の「福の湯」。感触はトロっとしたナトリウム-炭酸水素塩泉で湯上りの肌はしっとりと落ち着きます。半身浴ができる湯小屋「尻湯」は一人静かに入るには最適です。
歴史好き必見! 周辺スポット充実の「滋賀県長浜・須賀谷温泉」
「須賀谷温泉」があるのは、琵琶湖の湖北地方。戦国時代の浅井三姉妹で知られる小谷城の麓に涌き、傷を負った兵士や信長の妹お市の方も入ったと伝えられる歴史ある温泉です。温泉は茶褐色をした鉄泉で良く温まります。湖北地方は、もぐさを原料とするお灸メーカーが多いので、湯上りにすえてみるのもいいですね。ロビーに販売されています。客室は、畳の和室、ベットルーム、ペット同伴の部屋もあるので、選べるのがいいですね。夕食は季節の会席料理、近江牛のプラン、冬は猪や鴨鍋もオススメです。
宿の周辺には、関ヶ原合戦場、姉川の古戦場、安土城などの名所旧跡、仏像マニアも喜ぶ観音様めぐり、パワースポットで知られる竹生島など、歴史ファンには、たまらないスポットがたくさん。一人気ままに訪ねるにはもってこいの場所なのです。
とろとろの美肌湯を心ゆくまで「美又温泉・金城観光ホテル」
美肌県ナンバーワンの島根県。日照時間が短いためと言われますが、美肌の湯ももちろんあります。「金城観光ホテル」は、PHが9.8もあり、全国屈指の美肌の湯。化粧水のようなトロトロの温泉です。1人の場合は、洋室のシングルルームですが、温泉を楽しむながら十分。何度も入って、その湯の良さを確かめてみてください。夕食は、食事処でいただく季節の会席料理。日本海の新鮮な魚介を楽しめるのも嬉しいですね。
絶景露天風呂を好きなだけ「大崎上島・きのえ温泉ホテル清風館」
「きのえ温泉 ホテル清風館」があるのは、瀬戸内海に浮かぶ大崎上島。レトロな街歩きが楽しめる広島県の竹原の町から、約30分の船旅を楽しみます。宿がたつのは、「中の鼻」と呼ばれる岬の上。明治から続く灯台も立ち、晴れた日には広島と愛媛を結ぶ「しまなみ海道」の一部を眺めることもできる絶景の宿なのです。宿の自慢は露天風呂。温泉に浸かりながら眺める島々は絵のように美しく、右に左に行き交う船を眺めていると時間があっという間に過ぎていきます。塩分が含まれた泉質なので体が温まり長湯にも最適です。
食事は、海の宿だけに魚介類をたっぷりの会席料理をいただきます。一人旅なら客室は洋室のベッドルームにして、食事はレストランで済ませるのもいいでしょう。1人利用は平日限定。インターネットではなく、電話のみで受付ていますのでご注意を。
新鮮なイカの姿造りを一人で堪能「唐津・汐湯 凪の音」
誰に気兼ねすることなく姿造りを一人占めしてみたい!そんな食いしん坊の方は佐賀県唐津にある「汐湯 凪の音」をへどうぞ。全国に知られる呼子の新鮮なイカを姿造りで堪能することができます。客室は海に面した全23室。松林を抜ける風が気持ちの良い海辺の宿です。宿の自慢は料理だけではありません。宿の湯は「汐湯」と呼ばれ、海水を汲み上げ湧かしています。この汐湯は、土地に伝わる伝統的な入浴方法で海水に含まれた塩分が肌に付着しサラりとしながら湯冷めはしません。露天風呂から一望できる唐津湾を見ながら長湯をするには最適な湯と言えるでしょう。