子どもはとにかく、色々な言い訳を考える
何か問題やトラブルが発生した時、約束を守らなかった場合など、親はその理由を子どもに尋ねたり、注意したりします。その時、「でも」「だって」「○○が△△って言ったから」……などと子どもが言い訳ばかりすると、親は「どうして素直じゃないのかしら!」とイライラしたり、注意や助言がどうすれば伝わるかと悩むことがあることでしょう。「だって…」「でも…」と言い訳をする素直じゃない子供、そこには護身と「親に愛されたい」という気持ちが隠れているのです
「どうして、いつまでもゲームをしているの?1日1時間って約束したでしょ!」
に対して、
「明日30分にするから、今日、明日の分もしてるの」
「時計がよく見えなかったんだ」
「○○君の家では、今日は2時間してもいい日なんだって」
また、
「おもちゃを片付けなさいって言ったのに、何故こんなに散らかっているの?」
に対して、
「ボクは片付けたんだけど、弟がまた出したんだ」
「妹がまだ遊びたいって言ったから」
「おもちゃを片づける箱が見当たらなかったの」
他にも、
「好き嫌いしないって言ったのに、お野菜ばかり残っているのは何故?」
に対して、
「野菜を後で食べようと思っていたら、お腹がいっぱいになったんだ」
「食べたら、野菜さんがかわいそう」
「昨日たくさん野菜を食べたから、今日は食べなくてもいいと思った」
等々……とにかく子どもは色々な言い訳を考えます。
言い訳ばかりする我が子にイライラし、「言い訳はしないの!」とつい大声で怒鳴ってしまうことはないでしょうか。子どもが言い訳をした時、親はどのように対応すればよいのかを子どもの心理やNG対応を含め説明します。
言い訳をする子どもの心理
その1、自分の身を守るため
発生した問題や、守らなかった約束に対し親は、なぜこのような状況になっているのかと子どもに尋ねます。
子どもは、本当の気持ちを最初は話すでしょう。
「ゲーム面白くて、もっとしていたい」
「片付けるのがめんどう」
「野菜は嫌い、食べたくない」
その2、親に愛されたいという気持ちがあるため
言い訳をする心の根底は、相手に「良く思われたい」「嫌われたくない」という気持ちがあります。子どもは、「ママに愛されたい」「ママに大切にされたい」と思うあまり、言い訳をすることも考えられるでしょう。ですので、言い訳をする子どもには、親の子どもを思う気持ちや願いが届くように話すことを心がけてください。
次に子どもが言い訳した時、親がやってはいけないNG言動をお伝えします。
言い訳をする子どもへのNG言動
その1、感情をぶつけて怒ったり、罰を与える
言い訳する子どもに対し、「どうしてあなたはいつも言い訳ばかりするの!」「『だって』は違うでしょ!」と頭ごなしに怒鳴ったり、イライラする感情をぶつけることは止めましょう。また罰を与えるとなど、親の圧力や恐怖で言い訳を止めさせようとすれば、更に護身の気持ちが強くなり、言い訳からウソを招く恐れもあります。詳しくは「恐怖を与える叱り方はなぜNG?効果抜群の叱り方は?」もご覧ください。
その2、理詰めで指摘する
言い訳は自分なりに理屈をつけて、その場を逃れようとするために考えるものです。子どもは親の言動を自分の中にファイルしていき、それが成長と共に、その子の感情、思考、行動を決める大きな要因の一つになってきます。
子どもの言い訳に理詰めで対応すると、子どもは理屈っぽく、更に巧妙な言い訳を考えることを覚えます。ですので、子どもの言い訳や過ちを指摘することが解決策ではないことを心に留めておきましょう。
では言い訳をする子どもに、どのように接すればよいのでしょうか。
子どもの素直さを育む対応法
その1、親の気持ちを伝える言い方をする
言い訳ばかりする素直じゃな子どもには、親の子供を思う気持ちや願いが届くように話してあげるよう意識を
例えば、
「弟と一緒におもちゃを片づけてくれると、ママ嬉しいわ」
「ゲームは1日に1時間って決めたでしょう。約束を守らないとママは悲しいわ」
「好き嫌いせず、健康で元気に育って欲しいと願っているのよ」
と、あなたを大好きだから言ってる気持ちや健やかに育って欲しい願いが、子どもの心に伝わるように話してみてください。
そうすることによって、更なる言い訳を考えるのではなく、親のアドバイスや注意に耳を傾けるようになるでしょう。
その2、子どもの「言い訳」と「言い分」を見分ける
子どもの言い訳に対して、親が最も気をつけなければならないことは、子どもの「言い訳」と「言い分」を見分けることです。言い訳は弁解ですが、言い分は主張や意見です。子どもの意見や気持ちの訴えにはしっかり耳を傾けてあげましょう。
子どもの主張や意見を押さえつけてしまうと、素直な気持ちは育まれないでしょう。言い訳をしている子どもの目線や、その時の状況をしっかり観察し、言い訳か言い分かを見分けて対応することが大切です。詳しくは「自分で判断し我慢できる子に導く!心の育て方」も参考にして下さい。
3歳~4歳頃の言い訳は、自我の芽生えと言葉の発達の証し
また、子どもが3歳~4歳頃になると、急に言い訳をするようになったと感じることはないでしょうか。やっとイヤイヤ期が終わりかけてきたと思ったら、今度は言い訳ばかりする我が子に、疲れを感じることがあるでしょう。
子どもは2歳頃から、自我が芽生え、自分で思うこと、やりたいことなどの思考をだんだん持ち始めます。そして3歳~4歳頃になると、語彙も豊富になり、意思を言葉で伝えることが、かなり出来るようになってきます。ですが、まだ相手の立場を考えることや表現方法も未熟で、ただ大好きな親に愛されたいという純粋な気持ちから、言い訳をすると考えられます。
3歳~4歳頃は、親の言うことが分かっている部分もあれば、理解が充分でない部分もあります。この頃の言い訳は、小学生の言い訳とは少し違い、子どもの成長の過程ですので、耳を傾け、その気持ちを受け入れてあげましょう。
子どもの本来持っている素直な気持ちを育む事で言い訳癖を改めていく
子どもは「言い訳」をしている時点で、何らかの叱られることをしている自覚があります。また、親に嫌われたくない、愛されたいとい気持ちがあるからこそ、言い訳をするのです。
ですので「ママのことが大好き」である子どもの気持ちを汲み取りながら、対応することで、親のイライラした気持ちも減少するでしょう。
親は、子どもが本来持っている素直な気持ちを育むことで、言い訳癖を改めていくようにするとよいでしょう。そして言い訳と言い分をしっかり見分けて、自分の主張が正しくできる子どもに育てたいものですね。
【関連記事】