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スタンス別に解説!住宅展示場&モデルハウスの活用法

この記事では、住宅展示場とそこにあるモデルハウスについて、住まいへの関心や、住まいづくりの検討にあたっての熱意など、住宅展示場やモデルハウスに求めるスタンス別にまとめてみました。この記事を読んで、ゴールデンウィークに訪問してみてはいかがでしょうか。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

ゴールデンウィークは、1年間で最も多くの方々が住宅展示場に足を運ぶ時期と言われています。そこで、今回の記事では住宅展示場とモデルハウスの活用法について紹介します。とはいえ、住まいへの関心や、住まいづくりの検討にあたっての熱意など、住宅展示場やモデルハウスに求めるスタンスは人それぞれ。ですので、今回は大きく三つのスタンスに合わせて説明します。

皆さんの展示場やモデルハウスの活用にあたってのスタンスは、大きく以下のように分類されると思います。

(1)住まいに単に興味がある or 今の暮らしをより良くしたいと考えている方
(2)住まいづくりの計画がおぼろげにある or 検討を始めたばかりの方 
(3)住まいづくりの検討の精度を高めたい方


そこで、以下ではこの分類ごとに展示場・モデルハウスの活用法について述べます。

住まいへの興味がある or 暮らしを良くしたい方向けの活用法

まず、(1)について。今現在、分譲マンションや賃貸住宅に住んでいて、漠然と将来住まいづくりにチャレンジしてみたいと考えている方などが主なイメージ。大学や短大などで住まいについて学ぶ学生さんなども当てはまるでしょうか。

展示場

住宅展示場とモデルハウスはあらゆる人たちに門戸を開いている。「インテリアコーディネートの参考にしたい」などという動機でもOK。気軽に訪れてみよう

さて、住宅展示場という場所は、原則的に注文住宅による住宅取得を考えている人のための場所です。このことが活用にあたって敷居を大変高くしているように思われます。「私たちには縁が無い」と……。

それは先入観に過ぎません。あくまで原則であって、もっと色々なスタンスの方々が活用して良いのです。というのも、大多数のモデルハウスの入り口には、「お気軽にお立ち寄りください」と書いてあるくらいですから。ですから、遠慮なく中に入って大丈夫です。

「モデルハウスに入ると、営業の人たちにつきまとわれたりされそう。住所や連絡先を知られるのも面倒」など心配する方もいると思います。でも、ご安心ください。全然、そんなことはありません。皆さんの訪問のスタンスを正直に相手に伝えればいいのです。

例えば、「私たちには当面、住宅を取得する計画はありませんが、将来のために勉強をしたいのです」などと。そうすれば、案内の人が付かず、皆さんの好きなペースで建物の中を見て回れるはずです。

モデルハウスにいる人たちは、案内だけでなく顧客のための資料づくりなど様々な業務に携わっており、それなりに忙しい時間を過ごしています。ですから、皆さんがどのようなスタンスで訪問しているのか、つまり住まいづくりに積極的な意思を持っているのか、を確認したいというのが本音なのです。

皆さんの状況をちゃんと伝えれば、彼らは納得してほかの業務に励めるわけです。このようなモデルハウスの実情について理解していると、気軽に活用しやすくなるはずです。で、肝心要の活用法ですが、今皆さんがお住まいの住宅の模様替えの参考にしてみるのはいかがでしょうか。

モデルハウスには、1棟の中に数種類のテイストのインテリアデザインが見られます。3種類あるとして、モデルハウスが10棟ある展示場なら合計30種類のインテリアの事例があるわけです。それは実際の住空間をイメージしにくいインテリアショップと比べ、質量ともに充実しています。

例えば、この家具はどこの製品なのかなどということも、聞けば教えてくれる可能性だってあります。オシャレなカーテンやカーペット、小物なども展示されているため、インテリアコーディネートの参考になるでしょう。

住まいづくりの計画がある or 検討を始めた方向けの活用法

(2)に当てはまる人は、既にインターネットや雑誌などで、住まいづくりについてある程度、情報を集めている段階だと思われます。そこで、活用法としてはモデルハウスを通じて実物に触れ、理想とする住まいの具体像を作ることに注力しましょう。

リビング

パーティーができるようなリビングがあるモデルハウス。こんな豪華な住まいの中にも、皆さんの参考にできる要素が見つかるはずだ(クリックすると拡大します)

モデルハウスは大抵、私たちにとって豪華すぎたり大きすぎたりするものです。しかし、それは一つの建物の中に様々な要素が詰まっているともいえます。様々なモデルハウスを見学することで、その中にある理屈、例えば「この建物の間取りがこうなっているのはなぜなのか」ということを理解したいものです。

特に近年はハウスメーカーが1棟の建築費が5000万円、中には1億円もするモデルハウスを展示していることがあります。そうした建物も積極的に見学してください。もちろん全てを参考にする必要はありません。

申し上げたいのは、美術の世界で審美眼のようなものを養うこと。世間では真似ることは良くないこととされていますが、住まいの世界ではむしろ積極的に真似れば良いのです。モデルハウスはそのためにあるのですから。

この段階でハウスメーカー、あるいはそこにいる営業担当者などとの付き合い方を学んでいただきたいと思います。ハウスメーカーそのものにも様々な性格(得意不得意)があり、そこで働く人たちも様々な人がいます。皆さん自身やそのご家族と合う人、言葉を換えると何でも相談できる人を探し出しましょう。

住まいづくりは、家族の構成やライフスタイル、所得、趣味、将来の夢などを相手に伝えないと、より良いものになりません。ですので、早い内から人に注目してモデルハウスを回ってみることをお勧めします。

ちなみに、土地からの住宅取得を考えている方も多いと思われます。住宅展示場、あるいはモデルハウスでも周辺の土地情報(分譲住宅も含む)を提供していることがありますので、チェックしてみると良いでしょう。

住まいづくりの検討の精度を高めたい方向けの活用法

(3)は、依頼先候補を2~3社に絞っていたり、すでに1社と建築契約を結び実際の住まいの設計に入っている方です。要するに展示場・モデルハウス活用の最終段階にある人ですが、もちろんそうした人たちにも活用の仕方があります。

営業マン

住宅展示場は、皆さんとハウスメーカー、そこで働く人との出会いの場。住宅建築だけでなく、建築後のことも考え、皆さんにとってより信頼できる人を探し出そう

例えば、ある1社と契約しようとしているとします。既に具体的な提案が出てきているわけですが、それが皆さんにとってベストなものとは限りません。そこで、同じハウスメーカーもモデルハウスをいくつも見学することをお勧めします。

特に都市部には、皆さんのお住まいになっている地域以外にも住宅展示場があるはずです。そこには建築を依頼するハウスメーカーのモデルハウスがあり、提案されたものとは異なるテイストや間取り、工夫などが施されているはずです。

例えば、外壁材のカラーや模様、質感といったものですが、それらはショールームなどで検討するよりモデルハウスを訪れた方がより違いがわかるはずです。このように、数多くの事例に触れ、細部にこだわることで、より理想に近い、満足度の高い住まいに近づけるのです。

この段階の方々には、ハウスメーカーが供給している分譲住宅を見学することも強くお勧めします。分譲住宅は、モデルハウスに比べ私たちの生活レベルに近い規模で建てられているため、その間取りや収納などの工夫はリアルな生活に近いものです。

ハウスメーカーによっては、分譲住宅と注文住宅では安全性などの配慮が全く異なるケースがあります。つまり分譲住宅にはハウスメーカーの性格が良く表れるのです。いずれにせよ、現場見学や工場見学などのあらゆる機会を活用して、ハウスメーカーの実力をしっかりと確認したいものです。

リフォームを考えている方も活用しよう!

リフォーム

最近の住宅展示場にはリフォーム向けのモデルハウスもある。また、展示場やモデルハウスでリフォームの相談も受け付けているケースもみられる(クリックすると拡大します)

最後にご自宅のリフォームを考えている方にとってのモデルハウスの活用法を紹介します。モデルハウスというのは、その時代の人々の暮らしに合った間取りや工夫、設備などが盛り込まれている建物です。

ですから、リフォーム後の住まいのイメージを固める場として活用してみると良いでしょう。というのも、リフォーム専業の会社にはモデルハウスのような場がないことが多いためです。注文住宅と同様に、リフォームもしっかりとしたイメージづくりが大切です。

最近のハウスメーカーのモデルハウスには、リフォームに関する展示や情報提供が行われているほか、リフォームに特化したモデルハウスすらあります。特に大規模なリフォームを検討する方にはきっと役に立つはずです。

いずれにせよ注文住宅と同じ理屈で、参考にするものが多ければ多いほど、リフォームの質が高まり、皆さんの満足度も向上するはずです。これらを積極的に活用することで、より満足度の高いリフォームを実現できる可能性が高まります。

今回、特に申し上げたいのは、住宅展示場やモデルハウスに対する先入観を一度ぬぐい去っていただきたいということ。そして、これらを巡る事情をより良く理解していただきたいということです。そうすれば、皆さんが住宅の取得と暮らしを実現する可能性の幅が広がるはずです


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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