航空券/空港・機内の過ごし方

航空会社の子供向けサービス(2ページ目)

海外旅行が身近になり、子供連れで飛行機に乗る人が増えています。エアライン各社の子供向けサービスも最近はとくに充実してきました。その具体的なサービスの内容と、上手な活用法を紹介します。

執筆者:秋本 俊二

ベビーベッドやベビーカー、寝袋の貸し出しまで

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JALで貸し出しているバシネット(ベビーベッド)
子供向けサービスとしては、「バシネット」という乳幼児向けベビーベッドの機内での貸し出しや、玩具・絵本などの提供、子連れ旅行者への優先搭乗サービスなどが一般的です。中長距離路線を中心に機内トイレにおむつ交換台を設置するエアラインも増えてきました。ユニークなところでは、運航するエアバスA340・A330に長さ110センチの子供用スリーピングバック(寝袋)を用意しているスカンジナビア航空のような例もあります。

先日、コンチネンタル航空で成田からアメリカへ飛ぶ際に、幼児を連れた若い夫婦が自前のベビーカーを出発のゲートまで持ち込み、それを飛行機の搭乗口で係の人に預けているのを見かけました。「目的地に到着したときに、飛行機を降りた場所でまたお返ししています」と係員は言います。通常はチェックインの際に預け入れ荷物といっしょにベビーカーも預けますが、そうすると搭乗ゲートまで長い距離を子供をだっこして歩かなければなりません。そう考えると、コンチネンタル航空のこのサービスはとても便利。航空会社によっては空港でレンタル用のベビーカーを用意しているところもありますので、各社ホームページでチェックしてみてください。

子供向け機内食メニューも充実

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チャイナエアラインでは3種類の子供向けメニューを用意
各社の子供向け機内食のメニューも、最近は充実してきました。たとえばチャイナエアラインでは、「ラザニア」「スパゲティ」「チャーハン」の3種類を用意。「グルメ大国台湾の味を子供にも楽しんでほしいという思いで始めた」と同社広報では話します。ポケモンやディズニーのパッケージのお菓子、動物の形のパンなどを添えて目で見ても楽しめるようなメニューにしているのはキャセイパシフィック航空。またルフトハンザでは、ドイツの著名なシェフが子供用の食事メニューを監修し、砂糖や油の代わりに蜂蜜やオリーブオイルを使用するなどヘルシーでバランスのいい食事を提供し親たちの支持を集めています。

これら子供用メニューには数に限りがありますので、予約が必要です。また乳幼児用の機内食メニューもほとんどのエアラインで用意していいますので、旅行の予定が立ったら、早めに各社ホームページで予約を入れるようにしましょう。

 

チャイルドキットもバラエティ豊かに

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キャセイパシフィック航空の人気チャイルドキット
機内で子供たちに配るおもちゃにも、各社それぞれに個性を出しているようです。JALではプラモデル、ブロック、ぬいぐるみ、トランプなどを提供しているほか、絵本の貸し出しサービスもあり。ANAでも3D立体パズルやポップアップ絵本といったオリジナル玩具を用意しています。キャセイパシフィック航空のディズニーキャラクター付きチャイルドキットや、シンガポール航空でもらえるカートゥーンネットワークのキャラクターグッズなども人気。またカンタス航空の子供用アメニティキットには、小さなリュックサックの中にオーストラリアの珍しい動物グッズなどがいっぱい詰まっていて、それが子供たちに配られる様子を見ていた乗客は「大人でも欲しくなるね」と羨ましそうに話していました。。

また新しい機材を運航する各社では、エコノミーシートにも個人用モニターが設置され、好きなときに好きな映画やテレビ番組などをオンデマンドで楽しめるようになっています。新しい機内エンターテインメントシステムでは子供用の映画やゲームも豊富に揃っていますので、運航機材をチェックしてみるのも家族旅行では大切かも知れません。

一人旅の子供のエスコートサービス

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一人旅の子供のエスコートサービスに力を入れるエールフランス航空
親といっしょではなく、一人旅の子供の「エスコートサービス」にも力を入れるエアラインが少なくありません。なかでも古くから「プラネットブルー」と名づけたサービスに取り組んできたのがエールフランス航空です。国際線では5~12歳の子供が付き添いなしで利用可。担当の乗務員が機内でちょくちょく様子を見て、話しかけたり、子供用のおもちゃやゲームを配ったりして面倒を見てくれます。同社広報に問い合わせたところ「年間39万人の子供たちが一人で空の旅を楽しんでいる」との答え。つまりエールフランス航空だけで、毎日1,000以上の子供たちが世界の空を一人旅している計算になります。

エールフランス航空のハブ拠点であるシャルル・ド・ゴール空港には「プラネットブルー」専用の子供用待合室があり、専任の職員が常駐して子供たちの世話をしている様子を以前見学させてもらいました。こうした子供用の専用ラウンジやキッズルームは、KLMオランダ航空のアムステルダム・スキポール空港や、オーストリア航空のウィーン空港、スイスインターナショナルエアラインズのチューリッヒ空港などにも置かれています。
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