自動車保険

自動車保険の節約術 保険会社を乗り換える方法

運転者限定の範囲見直しや車両保険の免責金額変更は自動車保険料節約の王道ですが、最も有効な方法の1つに保険会社の乗り換えがあります。メリットのある乗り換えをするための手順と、注意したいポイントを整理していきましょう。

執筆者:平野 雅章

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メリットのある自動車保険乗り換えの手順

自動車保険の乗り換えは数か月前から余裕を持って検討を

自動車保険の乗り換えは数か月前から余裕を持って検討を

■満期日の数か月前から検討を開始
自動車保険の乗り換えのタイミングは、元の契約満期日と新契約の始期日を同一にするのが基本です。満期日の数か月前から時間に余裕を持って検討してください。

手続きには「元の契約の保険証券」「車検証」「運転免許証」が必要になります。あらかじめ、紛失していないか、その有無を確認しておきましょう。保険料を年間走行距離に応じて算出する仕組みを導入している保険会社へ乗り換える場合は、契約車両の積算距離計(オドメーター)の数値も必要になります。

■一括見積りを行うときは、優先順位を考えて絞り込みを
次は各保険会社で見積りを開始。最近は一度に多数の保険会社に見積り依頼ができる一括見積りサイトもあり、複数の保険会社で見積りしてもらうハードルは下がっています。ただし、あまりに多くの保険会社に見積り依頼をしてしまうと比較が大変になり、保険料だけで選んでしまうことになる可能性も。一括見積りサイト経由で依頼するのであれば、まず自分にとって優先順位が高い条件をいくつか選び、それに合致する保険会社を絞り込んでおくこと(スクリーニングしておくこと)をおすすめします。スクリーニングした結果、ダイレクト自動車保険数社に絞れたのであれば、各保険会社のホームページで見積りを行ってもいいですね(スクリーニングの条件の詳細は記事後半で解説)。

■等級の引き継ぎ可否は要確認
また、現在加入している保険が損害保険会社の自動車保険、全労済、JA共済であれば、乗り換え後の契約の等級引き継ぎに支障はありませんが、その他の共済に加入している場合、保険会社によって等級を引き継げるかどうかが異なります。まず各保険会社のホームページや電話などで等級引き継ぎの可否を確認し、引き継ぎ可能な会社の中から見積りするようにしましょう。

■自動更新の有無も確認
各保険会社の見積りがそろったら、補償・サービス内容と保険料両方の観点から乗り換える保険会社を最終的に選び、申し込み手続きを進めます。元の契約は、更新手続きを行わなければ自動的に契約終了になりますが、自動継続特約がセットされている保険会社もあり、注意が必要。保険会社に自動更新の有無を確認し、ある場合は通知締切日など指定された期日までに保険会社または取扱代理店に更新をしない旨を連絡しましょう。
 

見積り前のスクリーニング条件

では、どの保険会社で見積りするかを決めるスクリーニング条件を紹介していきましょう。自動車保険選びでどのような点を重視するかは人によって異なりますが、ここでは私が考える重視してほしい代表的な3つの点を挙げます。

■1.「個人賠償責任特約」と「弁護士費用特約」
まず、自分にとって必要な特約が必要な保険金額でつけられるかどうかという点に注目してください。保険会社ごとに自動車保険で用意している特約は意外と異なります。特に注意したいのは「個人賠償責任特約」と「弁護士費用特約」。

個人賠償責任特約は、日常生活での偶然な事故(自動車事故を除く)により、他人にケガをさせたり、他人の物に損害を与えたりした場合、法律上の損害賠償責任を補償してくれる特約です。同特約の保険金額の限度が少ない、あるいは同特約を自動車保険につけることができない保険会社もあります。自転車事故で賠償額9,000万円を超える判例があることを考えると、同特約を保険金額1億円以上でつけられるかどうかが絞り込み条件の目安になるでしょう。ただし、同特約は火災保険などにもつけることができ、そちらで十分な補償を確保できるのであれば、自動車保険の絞り込み条件とする必要はありません。

弁護士費用特約は、自動車事故などの被害を相手に損害賠償請求するときに生じる弁護士費用や、弁護士などに法律相談をするときの費用などを保険会社が補償してくれる特約です。同特約の対象となる事故の範囲は、保険会社や商品によって異なります。対象となっている自動車(契約車両)の乗車中だけでなく、それ以外の自動車に乗車している際の事故や歩行中の事故でも使えるものが一般的。しかし、契約車両での事故のみを対象としているものや、自動車事故だけでなく日常生活におけるケガや物が壊れるなどの被害を受けた事故を補償対象としているものもあります。必要に応じ、対象となる事故の範囲を自動車保険の絞り込み条件とするのも選択肢でしょう。なお、弁護士費用特約も火災保険などにつけられる保険会社が一部あるので、考慮に入れておきましょう。

■2.初期対応の対応時間帯
明確に違いがわかり、絞り込みやすい条件の1つに初期対応の対応時間があります。事故時の初期対応として多くの保険会社が挙げているのは、事故の相手への連絡、代車の手配、修理工場への連絡、医療機関への連絡などで大きな差はありませんが、夜間・休日の初期対応の対応時間帯や、即日対応の実施有無は保険会社によって異なります。ダイレクト自動車保険の対応時間を調べると、現時点(2017年4月)では、平日・休日とも20時までに事故受付を完了すると当日中の初期対応を原則としている保険会社が多いようです。

■3.走行距離区分の有無
ダイレクト自動車保険を中心に、保険料を年間走行距離に応じて算出する仕組みを導入している保険会社が多くなってきています。年間走行距離が少ない、たとえば5,000km以下などの人は、この仕組みを導入している保険会社の方が保険料は安くなる可能性が高くなります。

次のページでは、満期前に自動車保険を乗り換える2つのデメリットを紹介します。
 
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