機内エンターテインメントを楽しむ
シンガポール航空の新しい機内エンターテインメントシステムは他社を大きくリード ©Singapore Airlines |
たとえばエアラインやその路線によって、搭載している設備が異なります。最近はエコノミークラスでも全シートにパーソナルモニターを設置するエアラインも増えてきました。各社のホームページなどで事前にしっかりチェックし、最新の機材で運航してるエアラインを選択することが空の旅の楽しさを倍増させてくれるはずです。
たとえばモニターのサイズと解像度の高さで他社を大きくリードしているのが、シンガポール航空が成田/シンガポール線で運航しているエアバスの総2階建て機A380です。「クリスワールドeX2」と呼ばれる機内エンターテインメントシステムでは、100本の映画、180を超すテレビプログラム、700枚の音楽CD、22チャンネル以上のラジオ番組が用意され、選択の範囲が従来にも増して拡大しました。
機内エンターテインメントの充実ぶりで定評があるのは、ほかにヴァージンアトランティック航空やコンチネンタル航空など。ヴァージンアトランティック航空は全席への個人用テレビモニターを世界で初めて設置したエアラインとしても知られ、「v:port」と呼ばれる機内エンターテインメントシステムで映画50本や50枚以上のCDジュークボックスから多彩な音楽などが楽しめます。コンチネンタル航空でも最近、太平洋路線で運航しているボーイング777-200に長編映画250本、TV番組300本、音楽3,000曲、25種類のビデオゲーム、20カ国以上の外国語を学習できるベルリッツのプログラムなどがオンデマンド方式で好きなときに自由に楽しめる最新のシステムが導入されました。
エコノミークラス症候群の予防法
JALホームページでは機内での軽い運動法を動画で解説 ©JAL |
シートに同じ姿勢で座り続け、足を動かさずにいると、脚部の奥にある静脈に血のかたまり(血栓)ができることがあります。この血栓が怖いのは、飛行機を降りて歩き出すとその一部が血流に乗って肺にとび、肺の血管を閉塞してしまうこと。これは「肺塞栓」といわれ、当初はエコノミークラスの旅客から報告されるケースが多かったため「エコノミークラス症候群」の名前で知られるようになりました。
正確には「深部静脈血栓」といい、最近は「旅行者血栓症」とか「ロングフライト血栓症」などとも呼ばれるようになっています。以前、ロンドンに到着した機内で、日本からいっしょに搭乗していた乗客の中に「クツが履けない」と困っていた人がいました。ロングフライトのあとは足がむくんでしまうことはよくありますが、エコノミークラス症候群の兆候は、まずこの“足のむくみ”に表れます。
空気が乾燥した機内で、長時間じっと身動きしないでいると、水分不足と運動不足に陥ります。そのため足がむくみ、とくに体調の悪いときなどはひざ裏の静脈に血栓ができやすくなりますので、注意してください。20代の若い健康な人でも、欧米路線などの長時間フライトは身体にかなりの負担がかかります。もともと体調が悪かったり、高齢の人、肥満の人などにはもっと深刻な影響が生じても不思議ではありません。
せっかくの楽しい旅行で、こうした事態を避けるためにも、機内では水分のこまめな補給と適度な運動を心がけたいもの。JALをはじめエアライン各社のホームページでも、いくつかの注意点を解説したり、シートに着席中でもできる簡単な足の運動法などを図解入りで説明しているので参考にしてください。