幸せと記憶、その関係は?
「幸せ」はあなたの記憶に左右される
突然の質問で戸惑ったかもしれませんが、どんな答えが出てきますか?
幸せか? 幸せでないか? 二者択一は少し乱暴だったかもしれません。
では、10点満点で「幸せ度」に点数を付けてみてください。10点が最高、1点が最低です。あなたの「幸せ度」は何点でしょう?
「そもそも、『幸せ』って何だろう?」なんて考え始めた人もいるかもしれません。今は「幸福学」・「幸せ学」なんていう学問分野があり、研究者がいるくらいですから、そう考え始めるのも無理ありません。
確かに「幸せ」の定義や基準は人それぞれであり、同じ人でも何か一つとは限りませんし、変わらないものでもありません。
この幸せの定義や基準はどうやって決まっているのでしょう? どうやって決めているのでしょう? そこにあるのは「記憶」です。
実はあなたの「記憶」が「幸せ」になるか、なれないかのカギを握っているのです。この記事では、幸せになる記憶の3つのポイントをご紹介しつつ、幸せと記憶の関係を探っていきます。
ポイント1:「当たり前」なんてない=基準を下げる
今すぐあなたが幸せになる方法がありますが、知りたいですか?とても簡単な方法です。それは……「息を止める」だけです。
「え? 息止めたら死んでしまうでしょ?」
そうです。ずっと息を止めていたら死んでしまいます。苦しくなったらもちろんやめてください。さて、息を止めてみてどうでしょう? もうあなたは幸せですよね?なぜなら、今この瞬間、呼吸できる、空気、酸素のありがたみがわかるからです。
「空気、酸素があるのは当たり前でしょ? 何が幸せなんだ?」と思ったあなた。
その「当たり前」と感じるあなたの記憶が、あなたを幸せから遠ざけているんです。どんなに素晴らしいこと、うれしいことがあっても、「こんなの当たり前だから」と思っていたら幸せを感じることはできません。
逆に、息ができること、蛇口から水が出ること、雨風しのげる家があることなど、ついつい「当たり前」と感じることを「当たり前」ではないと思った瞬間、それが「有り難い」、つまり「有る」ことが「難しい」と感じられ、心から「ありがたいなあ」「幸せだなあ」と感じられるのです。
脳は「究極のエコ装置」と言われるぐらい怠け者なので、放っておくとどんどん「当たり前」だと思って意識に上ってこなくなります。
幸せになる記憶、一つめのポイントは「当たり前」なんてないと知ること、いわば幸せの基準を下げることです。
ポイント2:すべては「学び」である=基準を上げる
失敗は学びの一つにすぎない
そんな突っ込みをしたくなる人もいるでしょう。確かにそうなんです。
蛇口をひねれば水がでることにしても、「ありがたいよね…いいよね…」と言って、現状に満足しているだけではできなかったでしょう。
「不満は願望の裏返し」と言われます。何か文句を言っている人の奥には、願いがあります。逆にいうと願いがあるからこそ、不満が出てくるのです。
言わば、「願望は不満の裏返し」。不満を感じるからこそ、願いが生まれ、そこに改善、成長しようという動きが生まれてくるのです。
仕事にしても、スポーツ、芸事にしても、プロフェッショナル、達人といわれる人は、基準が高いからこそ、そこに向けて努力し、成長しています。成長もしたい、でも幸せも感じたい…。困りましたね。
ここでも幸せになるカギは「記憶」です。
あなたはノーベル賞受賞者のインタビューを見たことがありますか?
どの方のインタビューでも例外なく出てくるのが、膨大な「失敗」体験。思った結果が得られない、探しているものが見つからない体験です。
普通ならこれは「幸せ」ではないですよね。ただ、ノーベル賞受賞者をはじめ、プロフェッショナル、達人は「失敗」で落ち込まない、不幸せにならない「記憶」を持っています。
それは「すべては学びである」という記憶です。こんな言葉があります。「成功も失敗もない、すべては学びである」。もっといえば、「失敗こそが学びの宝庫である」とまで思っていたりします。
あなたが何か不満を感じたり、失敗したと落ち込みそうになったとき、「すべては学びである」という言葉が思いだされたらどうでしょう?
そうなると「学ばせてもらってありがたいなあ、幸せだなあ」となっていくのです。
ポイント3:質問で記憶をマネジメント=基準を上下できる
ここまで、幸せになる記憶のポイントとして、1)「当たり前なんてない」=基準を下げる
2)「すべては学びである」=基準を上げる
という2つのポイントをご紹介しました。
この2つの言葉を記憶し、あなたが仕事でもプライベートでも日々生きるなかで思い出せるようになれば、どんな状態でも幸せになることができるのです。
とはいえ、「これができないんです」という人もいるでしょう。また、「基準を下げたり、上げたりするのが難しい」という人がいるかもしれません。
そんな人のために、幸せになる記憶のポイントの最後、3つめのポイントをお伝えしましょう。
それは「質問で記憶をマネジメントする」こと。つまり、自分自身に対して質問をすることで、幸せの基準を下げて「当たり前なんてない」ことを記憶したり、逆に「すべては学びである」ことを記憶して幸せの基準を上げても幸せを感じられるようにするのです。
たとえば、「もし、蛇口から水が出なかったとしたら?」と朝、洗面所で問いかけてみるのです。「もし、電気がコンセントから流れていなかったら?」と問いかけてみるのです。
「つらい…」と感じたとき、「失敗した…」というときなどは、「これが学びのチャンスだとしたら?」「ここから学べることは何だろう?」と問いかけてみるのです
質問すると、脳はそれに答えようと働きはじめ、関連する記憶が思い浮かんできます。
このように、質問を使うことであなたはあなた自身の記憶のマネジメントできるようになり、幸せの基準を上下させ、幸せになれるかどうかもコントロールできるようになるのです。
もちろん、どうしても幸せを感じられないときはあるでしょう。また幸せを感じられないとダメというわけでもありません。今はピンとこない人も、ご紹介した「幸せになる記憶 3つのポイント」をあなたの記憶のどこかにとどめておいてもらえればうれしいです。
最後に宮澤賢治の言葉を紹介します。今、幸せを感じているとしても、この言葉は私の記憶にとどめておきたいです。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」