そもそも「賞与」とは何か
みなさんがもらってうれしいものといえば、ボーナスですよね。日本語では「賞与」といいますが、どちらも同じ意味で使われます。そもそも賞与とは、給料の一種ではありますが、賞与がいくらもらえるかどうかの基準は、あらかじめ定められたルールや算定式に基づき、会社の業績、部署の業績、従業員の実績に応じて決まる会社が多いです。 よって、正式な名前は「業績連動型賞与」ということになり、会社によっては、「特別手当」という名前が使われることもありますが、同じ意味です。賞与支給の時期は、会社によって異なりますが、日本では夏と冬に支給されることが多いようです。しかしこの賞与は年2回と決まっているわけではなく、年1回や年3回といった会社もあり、さらに賞与制度を導入していない会社もあります。つまり賞与の回数に決まりはありません。
筆者の前職の会社は年3回賞与があり、年度末には「決算賞与」と呼ばれる賞与がありました。決算賞与とは決算月に支給される賞与を指します。決算月は3月の会社が最も多いです。決算賞与は年2回の通常賞与と比べ、金額の変動が大きくなる傾向にあるようです。
「業績連動型賞与」を出している会社は60.1%
日本経済団体連合会「2020年 夏季・冬季 賞与・一時金調査結果」によると60.1%の会社が「業績連動型賞与」を出しています。ただし、この数値は、経団連企業会員および東京経営者協会会員企業2039社にヒアリングを行い、回答のあった357社(製造業45.7%、非製造業54.3%、従業員500人以上75.1%)の比率であるので、中小企業を含めると割合はもっと少ないと想定されます。
業績連動の基準とする指標としては、「営業利益」(57.1%)が最も多く、次いで「経常利益」(35.7%)となっています。
賞与・一時金の水準ですが、非管理職・管理職別にみると、非管理職では、夏季が74万1504円(平均支給月数2.4カ月)、冬季が68万3471円(同2.2カ月)です。管理職では、夏季が151万1632円(同2.6カ月)、冬季が134万5972円(同2.3カ月)となっています。
「業績連動型賞与制度」は、従業員の経営参画意識を高める効果もある
「業績連動型賞与制度」は、業績に対する従業員意識の向上、業績に応じた人件費の適正化、賞与決定プロセスの明確化・透明化などを目的として、導入されています。あらかじめ定められたルールや算定式に基づき、成果に応じて賞与が得られるので従業員にとってはわかりやすく、納得しやすい制度でしょう。そもそも、個人の成績だけでなく、会社全体の業績によるものが大きいので、経営参画意識を高める効果もあります。
「臨時賞与」がもらえる会社も
「臨時賞与」とは、会社の賞与規定に定められている賞与とは別に支給されるものを指します。この臨時賞与は、その年の会社の業績が著しく良かった(良いと見込まれる)場合に支給されます。私の前職の会社でも、一度だけこの臨時賞与をもらったことがあり、少額ではありましたが、突然のご褒美にうれしかった経験があります。臨時賞与は、「一時金」「臨時手当」という言葉が使われることもありますが、同じ意味です。
【参考】2020年「夏季・冬季 賞与・一時金調査結果」https://www.keidanren.or.jp/policy/2021/038.pdf
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