スーツは何着持つのがベスト?求められるビジネスファッションの変化
近年ビジネスファッションのカジュアル化は想像以上に進み、スーツを主力商品としてきたTHE SUIT COMPANY(青山商事)、ORIHICA(AOKI)、SUIT SELECT(コナカ)、P.S.FA / Perfect Suit FActory(はるやま商事)などの大手ツープライススーツショップでさえも、スーツ以外のアイテムを充実させています。
異なる生地のジャケット・スラックスを着こなす「ジャケパン」のビジネスマンが、あなたの会社にもいませんか?クールビズ期間の有無を問わず、ジャケパンが許容される業界・職種がこの10年で増えたように私には見えます。そうなると週5日のローテーションを考えたとき、必要なビジネスアイテムの種類・枚数などはどう変わってきたのでしょうか?のべ4000人のビジネスマンの買い物に同行してきたガイドである私が教えます。
クールビズを見越したスーツ選びを!
今、あなたは何着のスーツで、月~金を乗り切っていますか?スーツで使われる代表的な天然素材「ウール」は、その復元性からある程度の着ジワを元に戻す作用があるといわれています。だからこそ、スーツの痛みを緩和させるため、中1日ではなく中2日は休ませるローテーションを考えたいのです。そうした場合、やはり「スーツ3着」はひとつの目安になります。
とはいえ、5~9月のクールビズ期間を考えたとき、季節に合わせて、春夏用・秋冬用3着ずつ計6着を揃えることは容易ではありません。だからこそ、春秋冬に活用できるスリーシーズンのタイプを2着、春夏秋のスリーシーズン対応の1着、まずは合計3着でローテーションを回すことを、私はお薦めしています。
春夏秋のスリーシーズン対応スーツは、クールビズ期間中、スラックスのみで活用することも視野に入れ、華やかな色・柄をチョイスしたいところです。というのも、そもそもダークスーツ(濃紺やダークグレーのカラーの上下同色のスーツ。ピンストライプやシャドーなどの装飾も含む)は、スラックス単品で使うことを想定していません。
ダークスーツのスラックスをノーネクタイ・ノージャケットで着用したとき、手抜きをした地味な印象を与えてしまうリスクがあるからです。だからこそ、クールビズ期間中はノージャケットを前提とした明るめのスラックスを別途2本用意し、春夏秋用の明るいスーツスラックスと併せて、平日3種類のスラックスでローテーションを回すのが望ましいのです。
ビジネスマンがシャツを10枚揃えるワケ
ビジネスファッションの買い物に同行して驚かされることは、大手企業に勤めるビジネスマンほど、シャツを大量に買う習慣があるということでした。忙しいからこそ、週1回クリーニング屋さんに5枚のシャツを預け、5枚のシャツを引き取るというサイクルを回していたのです。つまり、自宅で保管するシャツは常に5枚!なかなかの分量ですよね。一方、形態安定シャツで自宅洗いを行うビジネスマンたちは、シャツを5枚程度を保有するケースが多いように感じます。ただし、形態安定シャツは完全にシワが取れる訳ではないので、自宅でのアイロン掛けが必要になります。私自身、一般企業でサラリーマンをしていた経験からいうと、必ずといっていいほど、シャツのパリッと感を女性はチェックしています。なので、取引先やクライアントが女性の場合、シャツのメンテナンスはプロであるクリーニング屋さんに任せることを推奨したいところです。
今こそ、ビジネスジャケパンに挑戦を!
もし、許されるならばビジネスファッションのジャケパンに挑戦してみてはいかがでしょうか?環境省が定めた10~3月ウォームビズという考えも徐々に浸透し、ジャケパンのビジネスマンは近年急激に増えてきたように私には見えます。生地が異なるジャケット・スラックスをベースにしたこのスタイルは、スーツほど堅い印象を与えず、業界によっては、クライアントとの距離を縮める作用があります。営業でいうところのアイスブレイクをしやすい空気感を醸成してくれるのです。
ネクタイに素材感を持たせるとジャケパンにも合う
クールビズをはじめ、軽装を強調するならばノーネクタイという選択肢もありますが、私はネクタイを締めたジャケパンを推奨しています。この際、スーツで着用するツルッとした生地感のネクタイではなく、表面がザラッとした生地感のネクタイがジャケパンには合います。素材はどちらもシルクであることが多いですが、織りによって表情があるネクタイで、ビジネスファッションに幅を持たせましょう!まとめると、
- シャツ:5~10枚(自身でアイロンをかけるなら5枚)
- 春秋冬用のスリーシーズン対応のスーツ:2着(濃紺やダークグレーのもの)
- 春夏秋用のスリーシーズン対応のスーツ:1着(ジャケパン想定で、ウィンドウ・ペン・チェックや、明るいグレーやベージュなど華やかな色・柄のもの)
- シルクのツルッとしたブルー/ネイビー系のネクタイ:2本以上
- 織りの素材感があるネクタイ:1本以上(クールビズ対応のニットタイ含む)
となります。業種など職場のドレスコードによって多少は異なりますが、一般企業でサラリーマンをしていた経験と、ビジネスマンの買い物同行を踏まえた結果、多くの方に当てはまる選び方だと思います。
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