中国のような寺、萬福寺
どっしりした山門をくぐると、中国のような世界が広がっている
あれ、でも、禅宗って、そもそもが中国伝来のものではないの?その通りです。禅宗には臨済宗と曹洞宗があり、それぞれ栄西と道元が、鎌倉時代に中国に行って教えを学び、日本に伝えました。しかし、それは長い歳月を経て次第に日本文化と融合していきました。その後、江戸時代に、改めて中国から隠元禅師という僧侶を招聘し、完全に中国式の禅を伝えてもらいました。
反り返った屋根が中国の寺を思わせる
中国風の七宝の壷は、近年、信徒さんから奉納されたものだという
隠元さんは、禅にまつわる数々の文化を日本に伝えました。そのため、この萬福寺も、すべてが中国の明時代の様式で造られています。それだけでなく、美術・建築・印刷・煎茶・料理、それまで日本になかった食材など、さまざまなものを日本に持ってきてくれたため、当時の江戸時代の文化全般に、大きな影響を与えたと言われます。