針金のはずし方

黒松

作業前の黒松の苗木

こちらの苗木は、幹が大きく右側に流れる右流れの木です。幹や小枝には針金が巻かれており、一部針金が枝に食い込みはじめています。まずは針金をはずしていきましょう。
やっとこ

やっとこは、必需品の道具です。

針金はずしに欠かせないのが、“やっとこ”という盆栽用のペンチです。ペンチの先が樹皮を傷つけたりえぐらないように丸みがあるのが特徴です。
先端から

先端の針金をやっとこでつまみましょう。

針金の最先端を探してやっとこでつまみ、逆回転をしながらゆっくり一巻ずつはずします。
逆回転

逆回転してはずします

ある程度はずせたら、指で針金を持ってはずしても構いません。はずしながら枝を折ったりもいだりしないように注意しましょう。
鉢決め

こちらの鉢に植替えます

全ての針金がはずせました。しっかり盆栽に形もついていますね。今回はこの鑑賞用の鉢に植替え、盆栽として仕立てていきます。


不要な枝を減らす剪定

葉すかし

下向きに生える芽(葉)から減らす。

さて、植替え作業に入る前に枝先がポンポン状に葉が密集しているので、風通しを良くするためにも樹形を整えるためにも不要な枝を減らしましょう。込み入った小枝の中でもより小さな芽や枝を見つけるところからはじめ、見つけられたら元から切ります。特に下向きの枝は迷わず切りましょう。
風通し

すっきり風が通るようになりました

さきほどの枝先の作業後の写真です。小枝と小枝の間に風と光が通る隙間ができ、盆栽の健康面にも必要な作業です。
すっきり

左はしの部分が葉を減らしたところです。

この枝を正面側から見たところが上の写真。左端の部分が作業したところです。下向きの葉や小枝は全て切りました。
下向きの枝

下向き枝は元から切ります。

また、上の写真の枝のように真下へ向かって出ている枝も切って減らしましょう。写真の部分は車の車輪のような付き方をする「車枝(くるまえだ)」という忌み枝です。忌み枝は忌み嫌われる生え方をした枝の総称で、一部分から枝を出し、分岐する枝元がこぶのように太ってしまいます。松にはよくある忌み枝です。
風通しよく

かなり風通し良くなりました

写真で分かるように、かなり多くの枝葉を減らしました。


鑑賞鉢への植替え

鉢

鉢に網や針金をセットします。

成形ができたら、鑑賞鉢に鉢底網や根を固定する針金をセットし、植替え作業へ移ります。
根ほぐし

松は砂で植えられていることもあります。

プラスチック鉢から根を出し、竹箸を使って根をほぐしていきます。根元方向から根先方向へ箸を入れ、絡まった根をほぐし、古い土を落としましょう。
上根

大きな上根を元から切る。

また、長い根のままでは小さめの鑑賞鉢に植えられませんし、新しい根の発根を促すためにも根の半分程度を目安に、根の先を切りましょう。また、上の写真のようにほかの根よりも上段から生える上根(うわね)がある場合には、根元から切ります。
根もすっきりと

根も剪定を!

上根も切ってすっきりと。根鉢を小さく整え、新しい鉢へ植えつけます。
根の固定

根と鉢を根留めの針金をねじって固定します。

新しい清潔な赤玉土極小粒を用土とし、鉢の中央部分に幹が来るように据えて植えつけします。

8割程度用土が入ったら、根を固定するための針金を、両端から引き寄せて、松の根元の根をまたぐ形で交差させます。交差してねじった部分をやっとこという盆栽用のペンチでつまみ、更に数回ねじって緩みが無いように締めましょう。

これは盆栽を健康に育てるためにとても重要な固定具で、植替え後の枯死を減らします。


仕上げ

仕上げ

水や理後に苔を張り、仕上げます。

植えつけがでたら、排水口から出る水が透明になるまでたっぷり水をやりましょう。表面の土には苔を張り、美観を整えます。プラスチック鉢から鑑賞鉢へ植替えられ、盆栽としてデビューした黒松です。

苗木と鉢を含めて数千円で始められる素材でご紹介しました。ぜひ、「盆栽といえば、松!」という一鉢を手作りし、はじめる参考にしてくださいね。


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