小さな盆栽の作り方(苗の下準備や根の処理）

苗の準備

前回は、植え込みの基本についてご紹介しました。次に、植え込む苗木の下準備をしましょう。はじめに、盆栽としての木の正面を見つけます。写真は正面に対して横側から見たところ。指を差している方向に幹が前傾しているのがお分かりになりますか？木がおじぎしているところが正面です。
正面側から見るとこちらです。木全体が左側へ流れています。
正面が決まりましたら、木の輪郭を整える剪定をするのですが、写真のように、はじめに木の頭（一番上）からゆるやかな三角形に収めるように枝先を切っていきましょう。 上の写真で三角形の輪郭を想像して、その輪郭からはみだす枝先を剪定しましょう。切るときは、切り口のすぐ下に元気な緑色の葉があれば心配ありません。 外側の輪郭線がゆるやかな三角形に収まるように剪定できましたら、次に写真で切っているような真下にぶらさがるように生えている小枝を切ります。真下へぶらさがるように生える枝は、木全体の印象が元気のない、締りのないものになってしまいます。
写真は、外側の輪郭線と内側の下向き枝を剪定してすっきりしたところです。すべて正面を基準に考えますので、幹の流れが前傾していて、左右に枝の広がりが見られる面を正面にしましょう！
次に、寄せ植えする草の苗の準備ですが、外側に広がって垂れているような大きな葉を元から切りましょう。風通しを確保する目的です。他にも、茶色に傷んでいる葉がありましたら、切って処理しましょう。

根の処理

苗の下準備ができたら、いよいよ根をほぐします。竹製の硬めの割りばしを1本用意し、根の先の方から紙をとかすように根をちぎらないように箸を流し入れて、古い土を落とします。
写真のように全体的に古い土が落ちたら、根の先を切ります。目安は春でしたら、根の全長の半分を切れます。秋でしたら、3分の２を残しましょう。私達専門家はもっと切り込むのですが、皆さんが作業される際には控えめに、上記の目安で切ってください。
上部も根も剪定され、準備ができました。








次回は、いよいよ鉢への植え込みから完了までをご紹介します。