1.松の盆栽で大切なのは葉の長さ

6月の赤松の姿

6月の赤松の姿

写真は赤松の盆栽です。樹高約25センチ、横幅も約25センチ程度です。春に新芽が伸び、新しい葉が増える時期、6月の写真です。ちなみに、盆栽で楽しむ赤松も黒松も小型の特別な品種を使っているわけではありません。海辺で防潮林になっている黒松も、盆栽の黒松も同じ種類です。
 
庭木の赤松と葉の比較

庭木の赤松と葉の比較

さて、この黒松・赤松ですが、本来の葉の長さはというと写真の右側。私が手に持っている枝の方です。手の大きさと比較していただければ分かりますが、葉の一本一本は長いもので約15センチ程度。ですから、樹高が25センチに満たない盆栽に、15センチの長さの葉がついていると不格好になってしまいます。そこで、黒松・赤松の葉を短く留めるための作業が必要になるわけです。
 
赤松と五葉松

赤松と五葉松

ちなみに、今日紹介する作業は、「黒松・赤松」に対してのみ行う作業です。五葉松には必要のない作業ですからご注意ください。

なぜ五葉松に必要がないかと言いますと、写真右の盆栽のように、五葉松は本来の葉の長さが短いので、葉を短くする必要がありません。写真左の赤松と、右側の五葉松を比較するとよくわかりますね。
 
コンパクトな印象の五葉松

コンパクトな印象の五葉松

葉を近くから見るとより分かりますが、五葉松の葉は短く、樹高が15センチに満たない小さな盆栽に付いていてもおかしくありません。
 

2.松の盆栽を剪定!「芽切り」を6月中旬~7月上旬の間にしてみよう

では、黒松・赤松の長い葉を短く留めるにはどのような作業をするかと言いますと、大切なポイントは2つ。
 
新芽はどれか

新芽はどれか

●今年の春に伸びた新芽を元から切ること。
●芽切りをする時期を守ること。
です。一つ目のポイントは写真の場所で切るということです。今年の春から伸びてきた新芽は人さし指で指している部分が根元。黄緑色の軸の付け根が新芽の根元です。
 
新芽を切る時は途中からではなく、元から

新芽を切る時は途中からではなく、元から

その新芽を元から切る作業ですから、写真のように黄緑色の軸の付け根にハサミを当てて切ります。
 
元から切った新芽

元から切った新芽

写真のように新芽を元から切りました。これを盆栽全体の芽で行います。
 
芽切りした後の枝先のアップ

芽切りした後の枝先のアップ

こちらの写真は、盆栽全体の新芽を元から切った後です。ところどころで新芽の切り口が黄緑色の点として見えます。
 

3.芽切りをするとなぜ松の葉が短くなるのか

仮に6月末に芽切りをしたとします。その後、松は先程切った新芽の根元にもう一度今年用の芽をつくります。これを「二番芽(にばんめ)」と呼びます。最初に出た新芽は「一番芽」。


一番芽は生長期間が4月から9月と長いため、一本一本の葉も長くなりますが、二番芽は7月~9月までしか伸びられず生長期 を終えますので、葉が短く留まった状態で秋を迎えます。これを毎年繰り返すことで、葉の短い黒松・赤松の盆栽を楽しむことができます。
 
6月の赤松の姿

6月の赤松の姿

写真(6月の赤松の姿)は、芽切り前の全身像です。
 
芽切り後の全身像

芽切り後の全身像

こちらの写真は、芽切り後の全身像です。枝先の新芽をそれぞれ根元から切ったので葉数が大きく減って少々寂しい姿になりましたがご安心ください。二番芽が吹いてくれば元の姿に戻ります。
 

4.芽切りできる松、できない松

3でご紹介したように、時期や方法を守って毎年行いたい作業ではありますが、
木の健康状態によってはもちろんできません。 木の立場に立つと、わざわざ二番芽を力を使って出さなければならないからです。

葉の緑色が薄い、黄色っぽいという場合や、一番芽がそもそも伸びていない、小さい。という場合は来年に見送りましょう。

また、芽切りをする場合には日頃から十分に肥培(肥料をやって力を付けておくこと)していることも大切です。

またの機会に、芽切り後の松の変化もご紹介して参りますので、今回はひとまず芽切り作業の目的や方法と、作業する時期について知っておきましょう。


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