共用部も再生！中古マンションリノベの今

2016年の首都圏新築マンション戸数は、11.6％の減少。2017年の供給見込みは、3万8千戸に

2016年首都圏新築マンションの年間供給は、用地取得や工事費高止まりで前年比マイナス11.6％の35,772戸（不動産経済研究所発表）。一方、中古マンションをスケルトンに近い状態からリフォームし市場に供給するリノベーションの動きが活発化しています。かつては、リノベーションマンションと言えば、インテリックスやスター・マイカといった専業企業の供給が主流でしたが、近年は大手ディベロッパーも参入し供給ラインナップも増えている様に感じます。

かつてのリノベーションのイメージは、どちらかというと新築マンションに比べてリーズナブルという部分を訴求した商品が主流でした。しかし、現在は立地だけでなくマンション専有部の空間を活かしたプランニングを行い「価値訴求」するものも目立ってきています。

高級賃貸住宅を一棟丸ごとリノベーション。「白金台」駅徒歩4分の「ザ・パークリモア　白金台三丁目」

三菱地所レジデンス株式会社は、一棟リノベーション事業を新規にスタートし、同事業の第一号物件として「ザ・パークリモア 白金台三丁目」のモデルルームをグランドオープンしました。同事業は、マンション一棟をまるごと同社が取得し、専有部と共有部のリノベーション工事を実施した後、個人向けに分譲する事業。一棟リノベーションマンションについて、今回より本格展開する予定です。


「ザ・パークリモア 白金台三丁目」は、東京メトロ南北線・都営三田線「白金台」駅徒歩4分の大通りから一歩離れた高台に位置し、専有面積は全戸200平米超のゆとりのある 住戸プランが特徴。 一棟リノベーションならではの商品提案がなされています。1住戸単位のリノベーションと大きく異なるのは、共用部や外構などの大幅な価値の向上が図られている点です。


今回の物件はもともと、1987年8月に竣工した高級賃貸マンション。総戸数が14戸で専有面積が214.57平米～267.05平米と、ゆったりとしたプランニングで間口の広いワイドスパンになっており居住性の高いつくりになっています。マンションの顔となるエントランスには、庇を設置。エントランスホールには格子のオブジェを配し印象的な空間に。エレベーターや給排水管の交換も行っています。


専有部は階高も約3.15mと高く、もともと直床だったものを二重床に変更。遮音性や将来の設備配管類のメンテナンスにも配慮されています。また、窓ガラスをペアガラスに交換、断熱材も追加しその上で新築マンション同様の住宅設備機器を設置しています。リビングの折上天井は最高約2.62ｍとなっており階高が確保されているため二重床に変更しても広々とした空間が確保できています。


また、建物屋上に家庭用燃料電池「エネファーム」を2台新設。 エネファームによって発電した電力を共用部電灯に供給する ことで、購入する電力量も少なくなります。 さらに、エネファームを既設の給湯システムと組み合わせることによって、給湯に係るガス使用量も低減しています。 こうした光熱費等のランニングコスト低減は、一棟リノベーションだからこそ提供できる価値でしょう。

実際、水盤のある中央の吹抜けやスタイリッシュな部屋のつくりを見て、中古マンションとは違った魅力を感じました。ライフスタイルが多様化する中、好立地でかつ高規格の賃貸マンションの一棟まるごとリノベーションしたマンションは、新築マンション、中古マンションに続く新しいスタイルの住宅として住まいの選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。