個人型DCの掛金は全額が所得控除の対象に

私のようなフリーの立場だと、当然ですが、ボーナスは出ません。だから、年末調整の還付金が、何となく「ボーナス的なもの」のように思えてしまうことがあります。つい財布の紐が緩んで、パーッと使ってしまったりするわけですが、冷静になって考えてみると、年末調整の還付金は、今まで払いすぎた税金が戻されるだけのこと。ボーナスでも何でもないのです。あ~あ、後悔。

ところで個人型DCに加入した場合、その掛金は全額が所得控除の対象になります。自営業者なら月6万8000円が拠出限度額ですから、年81万6000円。企業型年金や厚生年金基金など確定給付型年金を実施していない企業に勤めている人なら月2万3000円が拠出限度額ですから、年27万6000円が、それぞれ所得から控除できるわけです。

還付金は毎年8万2800円

仮に、課税所得500万円の人が個人型DCに加入し、毎月2万3000円の掛金を払い込んだ場合、個人型DCに加入しない人に比べて8万2800円の節税効果が得られ、この額が還付金として、12月あるいは年明け1月の給与と共に受け取れます。もちろん生命保険や地震保険に加入している人、扶養する家族が増えた人など、所得控除の対象となる他の要件に合致する人は、さらに還付金の額が増えます。

個人型DCに限っても、年末に8万2800円もの還付金が得られるのですから、これをボーナス的なものとして考える人がいてもおかしくありません。でも、前述したように、この8万2800円は、個人型DCに加入することで受けられる税制メリットです。これを全額消費に回してしまったら、将来の資産形成のために享受できた税制メリットを、先食いすることになります。このような傾向が強い人は、恐らくいつまで経っても、上手に老後資金を作ることができません。

還付金も運用することを心がけよう

個人型DCの節税効果を活かし、老後の資産形成をきちんと行うためには、還付金も全額運用に回すことが肝心です。もちろん、個人型DCの枠で還付金を運用することは出来ませんから、一般の課税口座か、もしくはNISAで運用することになります。すでにNISAの口座を開いていて、年間の枠に余裕がある人は、積極的にNISAの口座を用いて、還付金を運用すれば良いでしょう。

NISAは一応、2023年までが口座開設可能期間であり、それ以降は使えないことになっていますが、今後、積立NISAがスタートすることを考えると、恐らく2023年を過ぎても、制度が存続する可能性はあります。仮に存続しなかったとしても、少なくとも2023年までの分は、運用益に対して課税されないので、やはり利用した方が良いでしょう。

また、NISAの枠が一杯だから還付金は運用しないのではなく、たとえ課税される一般口座であったとしても、運用するべきです。年間8万2800円の還付金でも、仮に20年分にもなれば、運用原資は165万6000円にもなります。

もし、これを年平均4%で運用すれば、最終的には246万5624円に増やすことも可能です。還付金も含めて抜け目なく、無駄なく運用することが、豊かな老後の生活につながるのです。

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