ありがちな収納失敗例
最初はウォークインできていたのに、床いっぱいにモノが置かれて、とうとう踏み込めない場所になってしまった。そうした収納問題が起こるのは、珍しいことではありません。小部屋のようなスペースになっているため、軽い気持ちで一時置きの場所にしたくなってしまうのです。床から天井まで埋め尽くすほどモノが溜まってしまう前に片付けたい
とは言え、スーツケースや育児用品、季節の寝具、健康器具、スポーツ用品など、衣類以外のモノが、限度を超えてスペースを埋め尽くすようになってしまうと困ります。
そのせいで、パイプに吊るした服に手が届かなくなったり、衣装ケースから服が出せなくなったりして、部屋の中に衣類が散らかってイライラすることに。そこまで追い込まれたときに、片付け始めるというケースが多いのです。
では、どうやって片付けたらいいのでしょうか。その手がかりをご紹介します。
しまってあるモノを取り出して調べる
場所があるからとりあえず突っ込んでおく。そうした動機がもとになって、ウォークインクローゼット本来の機能が失われてしまうのです。まずは、入り口をふさいでいるモノを取り出して点検することから始めます。床に置かれたモノを全部出してみると、ほとんどが不要品
すでに用が済んで使わなくなったモノ、それがなくても暮らしに困ることはないといったモノがありませんか? 今まで、何となくしまっておいたモノがずいぶん溜まっていると思います。不要品を処分することで、クローゼットに戻すべきモノがかなり少なくなるはずです。
必要なモノよりも不要なモノが場所をとっていたことがよく分かる
子どもが使っていた遊具やスポーツ用品など、場所をふさいでいたモノを取り除いていくと、スペース本来の姿が現れてきます。
「ウォークインクローゼットだからたくさんしまえる」と思いたいのですが、自分が中に入って出し入れする場所なので、人が立っていられるスペースを差し引くと収納スペースは、期待しているほど広くはないのです。
ウォークインクローゼットであっても、収納方法は壁面タイプのクローゼットと同じです。整理収納プロの使い方を参考にして、道具を上手く使いこなしましょう。
道具を使ってスペースをフル活用する
クローゼットと言われる収納スペースにはハンガー用のパイプがあり、その上には棚が付いているのが一般的です。一方、衣類のしまい方としては、ハンガーに掛けて吊るしておくか、たたんでしまっておくという方法になります。たたんだ服は市販の引き出しケースを利用すると、並べることも積み重ねることもできるので、収納量とスペースに合わせて調節しやすいので便利です。引き出しのサイズを統一しておくと、枠から外してケースごと入れ替えればいいので、衣替えがラクになる
上の棚には埃よけになるフタの付いた箱を使えば、季節外や冠婚葬祭用の服などの保管スペースとして利用することができます。L字型のウォークインクローゼットを使っている整理収納プロの場合、角の部分がデッドスペースになりやすいので、オープン棚を床置きにして有効利用しています。また、上の棚に置く箱を同じサイズにして、パズルのように取り出せるようになっています。
引き出しケースを買うときには、奥行きの寸法に注意が必要です。たくさんしまいたいと思うと、奥行きの深いタイプを選んでしまうのですが、ウォークインクローゼットの中に引き出せるスペースがあるかどうか? フルに引き出せない引き出しほど使いにくいものはありません。クローゼットのサイズをきちんと測りましょう。
L字型ウォークイン収納では、コーナーにしまったモノが出し入れできるように、手前のスペースを残しておくのが正解
これから片付けようと思いたったときには、収納用品を先に買い揃える必要はありません。手持ちのカラーボックスで代用したり空き箱を使ったりして、モノの置き場所を先に決めておきます。
その次に寸法を測って、ちょうどいい道具をリサーチして、個数を計算してから購入することにしましょう。無印良品、イケア、ニトリ、フィッツなど、定番商品のあるメーカーを中心に調べるのがお勧めです。
片付けた後の様子。左:引き出しケースが置けるのは正面だけ。右側にはスポーツ用品や季節家電を置く。右:ハンガー掛けの服の下に引き出しケースとラックを置く。上の棚に置く収納道具はリサーチ中
ウォークインクローゼットの場合、中に人が入れなくなったら収納の機能を失います。収納内の床にモノが溢れるようになったら、それが片付け時を示すサイン。中身を取り出して取捨選択をしてから、収納し直しましょう。