運動中、汗をかくのはどうして? 発汗理由とその条件
運動で身体が温まると発汗して体温を下げようとする
さらに運動を続けていくと、体温はどんどん上昇してしまいます。しかし、体温が上がりすぎると身体に異変が生じるため、汗をかくことで体温を平熱状態に下げようとします。
汗の量は、運動中の外気温や湿度、着用している衣服、汗腺の開き具合、体内の水分量、自律神経の働きなどさまざまな要因に左右されます。こうした環境条件や個人条件が違ってくると、同じ運動量でも汗のかき方は日によってまちまちになります。特に寒い時期は空気が乾燥しているので、汗をかいても蒸発しやすく、実際には発汗しているのに汗をかいた感覚が得られないということがあるかもしれません。
適切な水分補給で体温調節を…発汗を促進する主な食品
運動前に温かい飲み物を飲むと身体の中からも温まって汗をかきやすくなる
運動前からできる限り身体を内部から温めておくと、より良い効果が得られるかもしれません。温かい汁物や飲み物などは、発汗作用の促進効果が期待できます。温めたスープや味噌汁などには塩分も含まれており、具材をたくさんとることができるため、エネルギー源となる糖質も確保しやすくなります。
たとえば、発汗作用を促す食品としては「ショウガ」や、においが気にならなければ「ニンニク」もおすすめです。すりおろして入れても、チューブタイプのものでも構いません。また、温かい飲み物であれば、手軽に準備できる「ホットココア」や「ハチミツ入りレモネード」などがおすすめです。エネルギー源となる糖質とミネラル、そして身体を温めて汗をかきやすい状態をつくり出してくれます。
もう一つ豆知識として、糖分を含まない「ブラックコーヒー」は、カフェインに含まれるリパーゼという消化酵素の働きによって、脂肪燃焼効率を高めると言われています。運動前30分ほどを目安に飲むようにすると、体脂肪をエネルギー源として効率的に脂肪燃焼してくれます。
ポカポカ持続! 寒い冬は「有酸素運動」が効果的
首の後ろをカイロなどで温めると身体全体が温まって動きやすい
ウエアはウインドブレーカーなど重ね着できるものにしておくと、身体が温まったときに脱ぎ着しやすく、体温調節が容易になります。それでも屋外に出たときの寒さがつらいという方は、カイロなどで首の後ろを温めておくと良いでしょう。身体全体がポカポカして、寒さがやわらぎます。なお、暑さを感じるようになったらカイロを外すようにして下さい。
屋外に出るのがどうしても億劫な方は、室内で続けられる運動から始めてみましょう。たとえば、「踏み台昇降運動」や「スクワット運動」など、繰り返し行える運動がおすすめです。踏み台昇降運動は室内の階段などを使って行っても良いですし、「ステッパー(以下で紹介)」を準備して行うことも可能です。股の付け根にある腸腰筋を意識しながら行うと、大きな筋肉群をより多く使うことになるので運動効果も高まります。腸腰筋は、足踏みで股関節を曲げるときに使う筋肉です。
寒いからこそケアが大切! 冷え対策とクールダウンを忘れずに
汗をかくまで運動を行うと、身体を動かしたことによる心身のリフレッシュとともに「運動した!がんばった!」という満足感や達成感が得られます。しかし、汗をかいたままの状態でしばらく過ごしていると、当然のことながら汗が冷えて体温がどんどん奪われていきます。運動後はタオルなどで汗をしっかりとふきとり、汗で濡れた衣服は着替えるなどして冷え防止に努めましょう。急に体温が下がってしまうと体調を崩しやすくなるため、特に寒い時期には注意が必要です。また、運動後にはストレッチなどを行い、使った筋肉を伸ばして疲労物質を長く体内にとどめないようにしましょう。お風呂に入ると血流が良くなるため、お風呂上がりのストレッチが効果的です。
短い時間であっても身体を動かせば、徐々に運動に対する心理的ハードルも低くなってくるでしょう。身体を温める飲み物などを上手に活用して、寒さに負けずに運動を続けてみましょう。