お金の悩みを解決!マネープランクリニック/40代独身の人のお金の悩み

48歳一人暮らし、貯金1500万。保険はどうしたらいい?(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、保険などに悩む40代の会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 医療保障は「長期」に備えるのが基本

みよさんの収支状況を拝見して思うのは「よく頑張っている」ということ。将来を見据えながら、無理無駄なく、資産をしっかり増やしています。基本的な考え方や、家計管理は間違っていないので、このまま継続してください。

さて、ご相談ですが、まず医療保障について。加入について悩まれていますが、私なら、保険に頼りません。一般的な手術や入院の費用については、それをカバーできるだけの貯蓄があるからです。保険に加入しなければ保険料が浮くわけですから、それを貯蓄に回した方が合理的だと思います。

そこまでは割り切れないというのであれば、家計的に余裕もありますから、もちろん医療保険に加入しても構いません。ただし、入院1日目から給付金支給が出ることはさほど重要ではないのです。医療保障は長期入院などで医療費が高額になった場合に保障でカバーするというのが、本来の目的です。1日や2日の入院費はそれこそ貯蓄から捻出できます。したがって、高額になる先進医療は特約で備える意味はあります。

現在加入されている医療保険も内容については問題ないと思います。保険料が1万円となっているのは、終身払いではなく60歳払い込み終了だからですが、それについては前納されてもいいでしょう。預金金利より前納の割引率の方が高い可能性があります。ただし、前納を受け付けない保険商品もありますので注意してください。

また、保険相談を受けると、貯蓄性のあるものを勧められるとのことですが、現時点では保険に貯蓄性を求める必要はありません。超低金利の時代、保険の予定利率も当然「底」です。多くの場合、保険は契約時に予定利率が確定してしまうため、今後予定利率が上がっても低いままとなってしまいます。

さらに言えば、流動性が低い上、保険料が全額運用されているはわけではありません。保険コストを差し引いた額が運用されているのです。その点でも効率的ではありません。保険はあくまで保障と考えてください。
 

アドバイス2 DC=投資というわけではない

確定拠出年金(以下DC)をすべきかどうかについては、それを始めるだけの資金的余裕がありますし、年齢を考えても、ぜひ積極的に行っていいかと思います。その理由は、老後に向けての備えとなるのはもちろん、ご存知だと思いますが、節税効果という大きなメリットがあるからです。

まず、掛け金が全額所得控除となります。上限の2万3000円(※)を掛ければ、年間5万5000円ほど節税できます(所得税と住民税の税率がともに10%の場合)。これは確実に手にできる利益と同じです。また、預金の利息、投資信託の配当、売却益などの運用益にかかる税金(20.315%)も非課税となり、老齢給付金として受け取る際も一時金なら「退職所得控除」、年金として受け取るなら「公的年金等控除」が受けられます。

リスクのある投資を行うことに足踏みしているとのことですが、何も無理に投資をする必要はありません。DCには元本保証の定期預金タイプの商品もあります。損をするかもしれないと不安に思う気持ちがストレスになるかもしれません。それよりも、安心して老後資金を用意する方が、みよさんにとっては健全です。

また、個人型DCであれば、それを扱う金融機関は自分で選ばなくてはなりません。商品の品揃えも、個々に発生する管理コストも金融機関によって異なります。いろいろ調べてみることが必要でしょう。当然ながら管理コストが低い金融機関を選ぶのが鉄則になります。
 

アドバイス3 親の介護は「親のお金で」が基本

今後で気になる点としては、住宅と親御さんへの介護があります。住宅については、まず交際されている彼の実家が今後どうなるかによります。今戻って来ているのは、彼の子どもでもあるわけですから、みよさんが言うように、慌てて結論を出す必要はないでしょう。

同居がきびしい場合のマンション購入については、中古で一人暮らし用であれば、資金的にも可能です。ただし、大きなローンは年齢的に抱えたくはありません。であれば、定年時の現金一括購入という選択肢もあると思います。現在の家計収支が継続されるなら、年間200万円の貯蓄は可能ですから、定年までの12年間で計2400万円が貯まります。今後、どういう暮らし方をするのかも流動的ですから、そのくらい先のプランでいいかと思います。

また、これを全額住宅購入資金に充てても、老後資金が足りなくても困るということはおそらくないでしょう。65歳までは働くということも、正しい老後対策です。

もうひとつの介護の問題ですが、帰省をして生活支援をする頻度は今後高まるかと思います。それでも、できる限りのことはしてあげてほしいと思います。

しかし、マネープランとしては、資金援助は原則しないのが、親への介護のいわば鉄則です。あくまで、公的介護保険を活用しながら、親の資金(年金や貯蓄など)で行ってください。介護はお金を掛けようと思えばいくらでも掛けられます。親を思うあまり、自分の資金を持ち出すことは、よほどの事態でない限り避けるべきでしょう。結果的に自分の老後を苦しくしますし、自分にお子さんがいる世帯は、その子どもにも将来迷惑をかけてしまうからです。

最後に「雑費」「小遣い」が金額不明となっていて、最終的に収支は十分プラスになるのですから、取り立てて問題視することほどないでしょう。ただし、実際いくらかかっているのかは、今後明確にしておく方がいいでしょう。使途不明金がなくなり、また老後になっての生活費をイメージする材料としても有効となります
(※企業型DCを採用していない企業の従業員が個人型DCに拠出する場合)

教えてくれたのは…… 

深野 康彦さん
 
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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ




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