缶詰は、一人暮らしの強い味方。常温でも長期保存ができて、フタを開けるだけで簡単に一品になります。でも、食べたあとに残ったオイルや煮汁、シロップなど、捨ててしまっていないでしょうか。実は、この缶詰の残り汁には美味しさがいっぱい詰まっているんです。最後まで食べ切ることで、わずかとはいえ節約につながる上に、いつもより美味しい料理に仕上がります。ぜひお試しあれ!
<目次>
缶詰の残り汁って食べていいの?
缶詰めの具を食べてしまったあとの残り汁、どうしていますか?
ちなみに、「缶詰って長期保存できるから、残り汁の中には保存料や添加物がいっぱいなんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、現代でよく使われる保存料や添加物などが生まれる前からある長期保存の方法のひとつが缶詰です。日本缶詰びん詰レトルト食品協会『かんづめハンドブック』によると、缶詰の製造工程では、中身を詰めた缶は中の空気を取り除いたあとで、完全に密封し、空気や水、細菌などが侵入することを防ぎます。さらに密封後、加熱殺菌され、腐敗の原因となる微生物を死滅させます。これにより、保存料や添加物などを使わずとも、長期間変質や腐敗を防ぐことができるのです。
缶詰の汁は、どんな料理に使えるの?
サバの水煮缶を食べたあとの汁には、栄養や旨みがたっぷりなのです
缶詰の残り汁には、油分が多く含まれているものもあるので、そのまま流してしまうと、排水が汚れたり、配水管を詰まる原因になります。食べきってしまった方が節約にもなるし、地球にも優しい。残り汁は、別の容器に入れて、冷蔵庫で保存すれば、2~3日は大丈夫です。
では、定番の缶詰の中から、ツナ缶とサバの水煮缶、フルーツ缶の残り汁を使ったレシピをご紹介します。
ツナ缶の汁活用レシピ:パスタやドレッシングに
■ツナオイルのペペロンチーノよくサラダなどを作るときに、「ツナ缶の汁気を切って…」といった記載があるため、残ることが多いツナ缶オイル。ツナの旨みがたっぷりの油は捨てずに、ぜひ料理に使ってみてください。
ツナは入っていないけれど、ツナの風味や旨みがスパゲティにからんでいて美味しい
■ツナオイルの柚子胡椒ドレッシング
ツナ缶のオイルはドレッシングにするのもおすすめ。小さなツナ缶一缶分であれば、一人分の少量のドレッシング作りにもぴったりです。ツナの風味が効いた、野菜の美味しさを引きたてるドレッシングができます。
サラダ油やオリーブオイルとは違った甘みのある油で、しつこさを感じない
サバ缶の汁活用レシピ:煮物や味噌汁に
■サバ水煮缶汁のネギたっぷり即席味噌汁サバの水煮缶の残り汁は、捨てたら絶対にダメ。そのまま飲むわけにはいきませんが、だしの代わりになるほど旨みがたっぷりなので、汁物や煮物におすすめ。お椀に具材をいれたら、あとはお湯をそそぐだけでできる即席みそ汁を紹介します。
だしを使っていないのに、この旨み。ネギと生姜で身体がポカポカ温まる
■サバ水煮缶汁で豆腐のキムチ煮
サバ缶の煮汁は、時に生臭さが気になることがあります。味噌汁では生姜を使いましたが、キムチなどの香りの強いものと一緒に使うと、その旨みの部分だけが生きてきます。サバの身は入っていないので、カロリーは控えめでヘルシー。でも、その旨みを豆腐にしっかり含ませた煮物です。
魚の缶詰にありがちな特有の臭みをキムチで消すと、旨みをしっかり感じられる
フルーツ缶の汁活用レシピ:甘煮やフルーツ牛乳に
■フルーツ缶シロップでサツマイモとにんじんのシロップ煮フルーツの缶詰のシロップは甘くて美味しいけれど、そのまま飲むのは抵抗があります。この甘みを上手く利用して、煮物を作ってみました。サツマイモやにんじんなど、甘みのある野菜を煮るのに向いています。今回使ったのはみかんの缶詰ですが、そのときに余ったもので大丈夫です。
フルーツ缶のシロップは、ほのかに果物の酸味を感じる優しい甘さ。いつもの煮物より軽やかな印象
■フルーツ缶シロップでフルーツ牛乳
「フルーツ缶のシロップをゴクゴク飲んでみたい」というときは、牛乳に混ぜると、ほの甘いフルーツ牛乳ができます。今回はパイナップル缶を使いましたが、お好みのフルーツでその違いを試してみてはいかがでしょう。
ほのかにパイナップル香る、ほんのり甘い牛乳。ホットにしても美味しい
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