2018年、ふたご座流星群の流れ星がもっとも多く観察できるのは「12月14日(金)21時頃から15日(土)夜明け前」です。それでは、具体的にみていきましょう。
「ふたご座流星群」とは
「ふたご座流星群」は、1月の「しぶんぎ座流星群」、8月の「ペルセウス座流星群」と並ぶ、三大流星群のひとつ。毎年12月14日前後に活動のピークを迎えます。
そもそも流星群とは、毎年同じ時期に空のある一点から、流星が四方八方に飛び出してくるように見える現象のこと。流星が飛び出してくるように見える中心点のことを「放射点」といいます。流星群は、一般的に放射点のある星座の名前で呼ばれます。ふたご座流星群の場合は、放射点がふたご座の方向にあるというわけです。
国際天文学連合(IAU)の総会において確定した流星群の数は112(2016年2月現在)。そのなかで、ふたご座流星群には次のような特徴がみられます。
・活動が安定している
・ピーク日が冬至に近いので夜が長く、観察時間も十分
・放射点のあるふたご座が、ほぼ一晩中見え、深夜に空高く昇る
街灯りなどの影響がない暗い場所では、1時間あたり40個ほどの流星が見られるといわれ、年間最大の流星群と言っていいでしょう。
2018年のふたご座流星群の見頃はいつ?
2018年、ふたご座流星群の活動がピーク(極大)を迎えるのは、12月14日(金)21時頃と予想されています。ピークになる時間が夜間なので期待が高まりますが、その時刻には上弦間近の月(半月に近い)が西の空で輝いているため、流星を観察するには月光がやや明るく感じるかもしれません。しかし夜半頃には月が沈むので、ご安心を。「15日に日付が変わってから夜明け前まで」は、月明かりの影響がまったくなく、流星を眺める絶好のチャンスになるでしょう。
ふたご座流星群は、ピークの時刻にむかって活動が活発になる傾向にあるので、「13日の深夜から14日の夜明け前まで」も流星が見られる可能性は十分にあります。ぜひ2夜連続で、夜空を見上げてみてください。
また、ちょっとした工夫をすることで、流星はさらにキャッチしやすくなります。それでは次に、流星群の観察ポイントを3つご紹介しましょう。
ポイント1「月と外灯の影響が少ない場所を選ぶ」
月の明かりや人工の灯りが目に入ると、見える流星の数は減ってしまいます。観察場所は、なるべく外灯の少ないところが◎。観察時に月が視界に入る場合は、月に背を向けたり、手で隠すようにしてみましょう。これだけでも効果があるので試してみてください。ポイント2「方角を意識するより空全体を見渡す」
流星群を観察するとき、どの方角を見たらいいか迷ってしまったり、放射点の位置が気になったりするかもしれません。ですが、方角や放射点を気にする必要はまったくありません! というのも、流星は空のどこにでも現れるからです。そのため、空の一点(ひとつの方角)を見つめるよりも、広く見渡しているほうが、流星をキャッチできる可能性が高くなります。なお、望遠鏡や双眼鏡は不要です。空を広く見渡すには、自分の目が一番です。
ポイント3「気長に待つ」
瞳が周囲(夜空)の暗さに慣れるまでには少し時間がかかります。また、夜空を見上げた途端に、流星がすぐ目の前に現れるとも限りません。流星観察に焦りは禁物です。時間と心に余裕を持って、少なくとも15~20分は空を眺めてみてください。この時期は寒いので、防寒対策をしっかりとして、流星を待ちましょう。雲の切れ間にだって、流星が現れるかも!
一番大切なのは、夜空を見上げること
今回ご紹介した3つのポイントよりも、実はもっと大切なことがあります。それは、「夜空を見上げること」。当たり前すぎることですが、当日になると「寒い」とか「やっぱり面倒くさい」とか「見えるはずがない」とか、いろいろ理由をつけて実行にうつさないことって、きっとあると思うのです。ですが、どんな場所でも流星が見られる可能性はゼロではありません。雲の切れ間に、明るい流星を目にすることだってありえます。「夜空を見上げる」という簡単な行為をするだけで、流星に出合うチャンスはぐんと広がるのです。
ふたご座流星群は、今年最後の華やかな天体ショー。年末の忙しさや日常からほんの少しだけ離れて、大いに楽しみましょう。流れ星に一年間の感謝を伝え、来年の希望を託してみるのもロマンチックです。
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