追納制度、後納制度とは?

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公的年金の受給額を増やす方法があります

まずはじめに、国民年金保険料の追納制度、後納制度についてみていきましょう。

1 追納制度
自営業者等の国民年金の第1号被保険者については、自分で国民年金保険料を納める必要があります。ただし、収入の減少により保険料を納めることが難しいときは、保険料の免除制度や納付猶予制度があります。免除制度は、本人・世帯主・配偶者の所得が一定額以下の場合に、申請によって承認を受けることが必要です。免除の種類は全額、4分の3、半額、4分の1の4種類あります。一方、納付猶予制度は、20歳以上50歳未満の人で、本人・配偶者の所得が一定以下の場合に、申請によって承認を受けると保険料の納付が猶予される制度です。納付猶予制度とほぼ同じ内容の制度には学生に適用される学生納付特例制度もあります(詳細はこちら→)。

老齢基礎年金の年金額を計算する際、保険料の免除の承認を受けた期間については、一部年金額に反映されますが(これは老齢基礎年金には現在2分の1税金が投入されているからです)、保険料を全額納付した場合と比べると低額となります。一方、納付猶予の承認や学生納付特例制度の適用を受けた期間については、年金額にはまったく反映されません。これは免除制度との大きな違いですので注意が必要です。
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そこで、免除や納付猶予・学生納付特例の承認を受けた期間については、10年以内であれば、あとから納付することができます。これを追納制度といいます。追納した場合は、保険料納付済期間となりますので、年金額を増やすことができます。ただし、免除や納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度以降に追納する場合は、当時の保険料額に一定額の加算額が上乗せされます。

2 後納制度
国民年金の保険料が未納となっている期間分をあとから納付することができるのは、原則として、過去2年間分です。しかし、平成30年9月30日までの間に限り、過去5年以内の未納期間について、保険料を納めることができます。これを後納制度といいます。この期間内に未納分を納付すれば、この期間も納付済期間となり年金額を増やすことができます。ただし、3年度より前の期間は一定の金額が加算されます。
 

任意加入制度とは?

「昔は、学生時代は国民年金に入っていなかった。」という声もよく聞かれますが、1991年3月以前は、学生は国民年金の加入対象外でした。当時は、任意加入として扱われ、保険料は任意で納付することになっていたため、払っていない人も多くいました。あるいは、その他の時期においても、未納などがあるために、老齢基礎年金を満額受給できないケースもあります。そのような場合、60歳以降65歳未満の間、市区町村の窓口に申し出て国民年金に任意加入し、現在の保険料を払うことによって、老齢基礎年金の額を増やすことができます。ただし、会社勤めをしている場合などで厚生年金の被保険者になっている場合は対象外です。

年金額を増やすために60歳以降任意加入できるのは、65歳までです。また、その間に老齢基礎年金が満額になった場合はそれまでです。老齢基礎年金には毎年満額が決められますが、それ以上に年金額を増やすことはできません。なお、任意加入はさかのぼって加入することはできませんので、注意が必要です。

例)大学卒業後に就職してずっと会社員として働き、60歳で定年退職をしたAさん(男性)を例に挙げてみましょう。Aさんの厚生年金の加入期間が37年(444月)で、学生時代は任意加入とされていたので自分で保険料は払っていないものとします。この場合、Aさんは老齢厚生年金以外にも老齢基礎年金も受給することができます。

老齢基礎年金については国民年金の制度ですので、年金額にカウントされる期間は20歳から60歳までの40年(480月)です。Aさんの場合は、37年(444月)分の老齢基礎年金となります。もしAさんが老齢基礎年金を満額(つまり40年分)受け取りたいと希望した場合は、すでに会社は退職していますので、60歳以降国民年金に任意加入することができます。ただし、満額になる3年間(36月)ということになります。

ちなみに老齢基礎年金の年金額(2016年価格)を比べると以下のとおりとなります。
(任意加入しない場合)老齢基礎年金額 :78万100円×444/480=72万1,593円(1円未満四捨五入)
(任意加入する場合)老齢基礎年金額 :78万100円×480/480=78万100円(満額)

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