「地震保険料の改定」……引き上げとなるケースが多い
2017年1月の地震保険の改定では、何がどう変わるのでしょうか?
地震保険料率は、地震調査研究推進本部の地震に関する基礎データ、「確率論的地震動予測地図」をベースに算出されています。地震保険料率の改定は、この基礎データが見直されたことによるもの。新たな基礎データをもとにした被害予測シミュレーションでは、地震保険料率を全国平均で19%引き上げることが必要であるとわかりました。
とはいえ、地震保険料率は2014年7月に全国平均で15.5%引き上げを行ったばかり。そこで、1度ではなく3段階に分けて引き上げを行うこととなり、今回はその1回目が行われることになったのです。
今回の引き上げは、全国平均では5.1%ですが、都道府県および建物の構造により改定率は異なります。保険料が引き上げとなるケースは多いですが、下がるところもあります。
2017年1月からの、保険金額1000万円あたり1年間の地震保険料及び改定率は以下の通りです。各種割引の適用前の保険料ですので、1981年以降新築の住宅は以下より10%、一定の耐震性能を備えた住宅であれば、以下より最大50%の割引となります(割引確認資料を保険会社へ提出する必要があります)。
最大で14.7%の引き上げとなるところもあり、地震保険料負担に戸惑う人もいるかもしれません。ですが、前述したように地震保険料が引き上げられるのは、国による将来の地震リスクが増大しているからにほかなりません。私たちが地震で被災するリスクが高まっているわけですから、地震保険料の上昇率が高いところほど、むしろ備えの必要性は高まっているといえるのです。
次のページでは、残る2つのポイント「損害区分の細分化」「割引確認資料の拡大」について解説します。