誰でも加入できる個人型401k
個人型401kの注意点
ただし、いずれも加入できるのは個人型です。企業型はあくまでも民間企業に勤務する従業員が対象の制度なので、専業主婦や公務員は加入対象外になるのです。
また、すでに企業型を導入している会社の従業員は、そこで働く限り、半強制的に確定拠出年金に加入するわけですが、個人型は加入を強制されるわけではありません。あくまでも制度を活用できる本人の意思次第です。
運営管理機関の選び方
いずれにしても、確定拠出年金法の改正によって、誰もが加入できるようになったわけですが、個人型は企業型に比べて投資教育を受けられない点に、留意しておく必要があるでしょう。企業型は、事業主が従業員に対して投資教育の場を提供する義務を負いますが、個人型は誰も投資教育の場を提供してくれません。したがって、自分で投資に関する最低限の知識を学ぶ必要があります。次に運営管理機関についても、企業型のようにきちっとお膳立てしてくれるわけではないので、自分でどの運営管理機関が良いのかを探さなければなりません。
といっても、そもそも「運営管理機関ってなに?」という方が多いと思います。ちなみに厚生労働省が公表している運営管理機関の数は、2016年7月末時点で、実に201社もあります。
運営管理機関を選ぶ際のポイントは2つです。
ひとつはコスト。加入時、運用期間中、受取時で、それぞれ手数料が掛かりますが、運営管理機関によって大きく異なるのは運用期間中、毎月負担することになる手数料です。最も安いのがスルガ銀行で月167円。高いのが群馬銀行で月642円です。
20年間積み立てるとして、月167円だと総額が4万80円。月642円だと15万4080円なので、約10万円もの差がつきます。
外国株式インデックスファンドがあれば十分
もうひとつのポイントは、各運営管理機関の運用商品の品揃えですが、豊富だから良いとは一概に言えません。あまりにも品揃えが豊富だと、資産運用に不慣れな人は何を選んで良いのか、分からなくなるでしょう。また、中には長期の資産形成には不向きとしか思えないような運用商品が含まれている場合があります。したがって運営管理機関を選ぶ時は、コストもさることながら、外国株式インデックスファンドが含まれているかどうかを確認しましょう。具体的には「MSCIコクサイ」など、世界中の先進国株式に分散投資したのと同じ投資効果が得られるインデックスをベンチマークに運用されるファンドのことです。
正直、確定拠出年金の運用商品は、この外国株式インデックスファンドがあれば十分です。ポートフォリオは出来るだけシンプルにしたうえで、コストを出来るだけ抑えた運用を行うのが、確定拠出年金で資産を成長させる要諦です。