映画/おすすめ映画

映画ガイドが選ぶ2016年10月公開の映画ランキング

今月は日本映画の秀作が揃いました。大作ではなく小品だけど傑作!という作品もあり大充実の10月。ぜひ映画館で全作品制覇してください。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

福山がパパラッチに!『SCOOP!』(2016年10月1日公開)



パパラッチカメラマン都城静(福山雅治)が、新人記者の野火(二階堂ふみ)と組んだことをきっかけに、伝説のカメラマンと呼ばれた頃の情熱を取り戻していく姿を描いた大根仁監督作。

福山雅治がついに汚れ役かと思ったら、やっぱりかっこいいところに落とし込んで行く。もはや、どんなゲス男を演じても福山氏なら“かっこいい”に変換させてしまうのだろうなと思わせます。しかし、そんな福山雅治を完全に食ったリリー・フランキーの怪演は見事です! 原田眞人監督作『盗写1/250秒』(85)のリメイク作。(公式サイト

監督:大根仁 出演:福山雅治、二階堂ふみ、吉田羊、滝藤賢一、リリー・フランキー、斎藤工、塚本晋也ほか

「ダヴィンチ・コード」の新作『インフェルノ』(2016年10月28日公開)


ラングドン教授(トム・ハンクス)が、ダンテ「神曲」の”インフェルノ“に隠された暗号の謎に挑む。

この暗号を解かないと滅亡の危機なのですが、ラングドンはいきなり何者かに襲われ、まさに満身創痍でミステリアスな闘いに挑むのです。そのパートナーは女医シエナ(フェリシティ・ジョーンズ)。真相に近づくほど、ラングドンの身が危ないと言う展開。トムが体を張って、走り回ったり、水中ダイブしたり「大丈夫か?」とハラハラですよ。たくさんの罠が仕掛けられた作品です。(公式サイト

監督:ロン・ハワード 原作:ダン・ブラウン 出演:トム・ハンクス、フェリシティ・ジョーンズ、オマール・シー、イルファン・カーン


人気シリーズ最新作『スター・トレック BEYOND』(2016年10月21日公開)



カーク船長(クリス・パイン)とエンタープライズ号のメンバーがエイリアンの襲撃を受けて死闘! カークはエンタープライズ号最後の闘いだと語りますが、その真意は?

今回の監督はJ.Jエイブラムスから『ワイルド・スピード』シリーズのジャスティン・リンにバトンタッチしたので、アクションが激化しそう。2016年6月に急逝した操縦士チェコフ役のアントン・イェルチェンも出演。アントンのチェコフ最後の雄姿も見てください!(公式サイト

監督:ジャスティン・リン 出演:クリス・パイン、ザカリー・クイント、ゾーイ・サルダナ、サイモン・ペッグ、カール・アーバン、アントン・イェルチェンほか


尊厳死について考える『92歳のパリジェンヌ』(2016年10月26日公開)



92歳の誕生日に「10月17日に私は逝きます」と家族に宣言したマドレーヌ(マルト・ヴィラロンガ)。そんな母の衝撃的な宣言に家族はどう対応する? 

家族の死は悲しい。けど老いた両親の「子供たちに迷惑をかけたくない」と思う気持ちもわかる。「生きて」と願う子と「逝かせて」と願う親。尊厳死の重要性、老いていく親への優しさとは……。ジョスパン仏元首相の母の実話をベースにした家族物語。(公式サイト

監督:パスカル・プザドゥー 出演:サンドリーヌ・ボネール、マルト・ヴィラロンガほか


本当の悪とは何か?『ザ・ギフト』(2016年10月28日公開)


サイモン(ジェイソン・ベイトマン)と故郷で再会した元・同級生ゴード(ジョエル・エドガートン)。再会以来、ゴードはサイモン宅に頻繁に訪れてはギフトを置いていくのですが……。

ゴードは不気味でしつこくて「何が目的?」と思ったら、驚くべき過去が。ドラマが進んで行くうちに人物の印象がガラリと変化していく技ありサスペンス。(公式サイト

監督&脚本:ジョエル・エドガートン 出演:ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール、ジョエル・エドガートンほか

マット・デイモン復活!『ジェイソン・ボーン』(2016年10月7日公開)



姿を消していたボーン(マット・デイモン)は、父親が関与していたトレッドストーン計画の情報を得て、記憶の断片が甦ります。しかし、そんな彼をCIAが追跡! 甦ったボーンは、父の秘密を握りしめて、自分を取り戻そうと走り続けます。

今回のパートナーは『リリーのすべて』でアカデミー賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデル。アテネ、ロンドン、ベルリン、ラスベガスでさく裂する、見ている方が痛みを感じるリアル・アクションにくぎ付けです。(公式サイト

監督:ポール・グリーングラス 出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、アリシア・ヴィカンダー、ヴァンサン・カッセル、トミー・リー・ジョーンズほか


就活の青春残酷物語『何者』(2016年10月15日公開)



就活中の5人の若者がひとつの部屋で情報交換。それぞれの就活への臨み方、将来への思い、薄れていく夢などが交錯していく姿を描いた就活青春残酷物語。

就活を乗り越えられる者と乗り越えられない者の違いとはなんなのか。就活は学びの評価だけじゃないところが難しい。これまで人とどう接してきたかもが問われるものなのかも。朝井リョウの直木賞受賞作を『愛の渦』の三浦大輔監督が映画化。舞台的空間を上手に使って映像化した見事な演出。役者たちもドンピシャのハマリ役です。(公式サイト

監督:三浦大輔 原作:朝井リョウ 出演:佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之ほか


愛ある築地ドキュメンタリー『TSUKIJI WONDERLAND』(2016年10月1日公開)



何かと話題の築地ですが、この映画が描くのは、私たちの食を支えている「築地」のリアルストーリーです。

遠藤監督が、築地の歴史、魅力、なりたち、しくみを築地で働く人々、料理評論家、寿司職人、和食料理人などを丹念に取材して、実に興味深い築地ワールドを見せてくれます。そこで見える長年培われてきた人間関係と信頼の深さは感動的! こんなに様々なものが凝縮された場所なのかと、築地の存在価値を改めて考えさせられる傑作ドキュメンタリー。(公式サイト

監督:遠藤尚太郎


2016年最高の恋愛映画『世界一キライなあなたに』(2016年10月1日公開)



ルー(エミリア・クラーク)は車椅子の若き富豪ウィル(サム・フランクリン)のお世話をし、人生に絶望しているウィルの頑なな心の扉を開くことに成功します。しかし、彼は意外にもある決心をしていたのです。

一見ベタな恋愛映画かと思いきや、ルーとウィルの愛は、新しい恋愛の形を見せてくれます。相手の幸福を願う愛は結果はどんな形であれ、お互いの心に素晴らしい贈り物を残してくれるものだと。2016年最高の恋愛映画誕生に拍手!(公式サイト

監督:テア・シャーロック 出演:エミリア・クラーク、サム・クラフリン、ジャネット・マクティア、チャールズ・ダンスほか


愛する人の死の先には?『永い言い訳』(2016年10月14日公開)



妻(深津絵里)をバス事故で亡くした人気作家(本木雅弘)は、妻の死と向き合えず、悲しみ方がわからない。しかし、一緒に亡くなった妻の親友の家族と交流するうちに、彼は誰かの為に生きることの喜びを見出していく。

大切な人の死や別れは悲しいことだけれど、その悲しみは受け取った人の気持ち次第で人生を前進させるきっかけにもなるのです。しかし、そこに至るまで、主人公の作家の心をかきまぜてえぐっていく西川監督の演出は鋭いナイフのようです。(公式サイト

監督:西川美和 出演:本木雅弘、竹原ピストル、藤田健心、堀内敬子、池松壮亮、黒木華、山田真歩、深津絵里
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