善光寺の宿坊に泊まって信州の神社仏閣めぐり
信州各所で見られるカップルの道祖神
信州名物の蕎麦、信濃大町名物のおざんざなど、グルメも充実。別所温泉では、昔ながらの外湯にも立ち寄り、安曇野では、北アルプスを見ながらサイクリングと、1泊2日で信州の魅力を満喫できます。
旅をしたのは6月上旬。北アルプスは芽吹きの季節を迎えていました
旅程
お蕎麦は各地で微妙に味が違う。信州に来たら、朝昼晩、お蕎麦でもいいかも知れない
東京駅 7:28発→(長野新幹線(※))→上田駅 8:40着、9:07発→(上田電鉄別所線(※))→別所温泉駅 9:35着
・信州の鎌倉、別所温泉にて寺めぐりと外湯+お蕎麦でランチ
別所温泉駅 15:41発→(上田電鉄別所線(※))→上田駅 16:10着、16:37発→(長野新幹線(※))→長野駅 16:49着
・路線バスにて善光寺へ
・宿坊、兄部坊に宿泊。おいしい精進料理をいただいて、早めに就寝
■2日目
信州では、道端の雑草もこんなに可憐で美しい
長野駅 8:11発→(信越本線・篠ノ井線・特急ワイドビューしなの(※))→松本駅9:03着、9:13発→(大糸線)→信濃大町駅10:06着
・レンタサイクルにて信濃大町めぐり(弾誓寺など)
・「わちがい」にて、信濃大町名物「おざんざ」を食べる
・タクシーにて仁科神明宮へ(およそ15分)、仁科神明宮から安曇沓掛へ(およそ5分)
安曇沓掛駅 13:24発→(大糸線)→穂高駅 13:51着
安曇野を代表する風景、大王わさび農場内の水車小屋
・駅前の一休庵にて蕎麦
穂高駅 19:26発→(大糸線)→松本駅 19:51着、20:00発→(中央本線・特急 あずさ(※))→新宿駅 22:37着
旅レポート1日目:信州の鎌倉、別所温泉
上田駅で長野新幹線を降り、上田電鉄別所線に乗り換えます。山並みを眺めながら田園風景の中をごとごと走るローカル線に乗っていると、早くも、「ああ、信州に来たな」という旅情が高まってまいります。別所温泉は、「信州の鎌倉」と呼ばれています。それはもちろん、よいお寺が多いからです。地方には風情のあるお寺が数々ありますが、たいていは駅から遠く、バス便もほとんどないケースが多くて、「さて、どうやって行こうか」と悩むものです。でも、別所温泉の場合は、主な寺が駅から徒歩圏内にあります。しかも、疲れたらひと休みできる外湯も3つあり、おいしい蕎麦屋さんも点在しています。つまり別所温泉は、寺マニアにとって天国みたいな場所なのです。
おすすめの寺
どこから見ても美しい安楽寺の八角塔
世にも珍しい八角形の塔があり、堂々の国宝です。境内の少し高いところにあり、下から見上げるのが最高に美しいので、よくご覧ください。
安楽寺は、鎌倉の建長寺と関係が深い信州最古の禅寺で、八角塔以外にも、数々の鎌倉時代の文化遺産があります。そんな理由からも、別所温泉は「信州の鎌倉」と呼ばれているのです。
北を向いた北向観音堂。南を向いた善光寺の本堂と対応している
その3 常楽寺
屋根が美しい常楽寺
外湯めぐり
外湯のひとつ、「大師湯」は、慈覚大師円仁という有名なお坊さんゆかりの湯
石湯
真田幸村の隠し湯と伝えられています。岩の裂け目から豊富な湯が流れ出ていて雰囲気もよいです。
大湯
木曽義仲と、奥さんの葵の方が療養に来ていたと伝えられる湯で、露天風呂もあります。
大師湯
北向観音堂を建立するため、この地を訪れた慈覚大師円仁(天台宗を開いた最澄のお弟子さんで、特に、関東や東北にたくさんの寺を建てたとされる)が好んで入浴したと言われます。寺マニアのわたしは、円仁さんに敬意を表して、今回は、こちらで入浴しました。
※別所温泉エリア内の神社仏閣及び外湯の情報は
別所温泉観光協会のサイトもご覧ください。
おすすめの蕎麦屋さん
常楽寺の近くに別所神社という神社があり、その鳥居付近に「そば久」という店があります。普通の民家を改築した感じの蕎麦屋さんで、石臼で粉を挽いた手打ち蕎麦が人気です。お庭を眺めながらゆっくりいただき、お蕎麦ってこんなに美味しいものだったのかと実感。
民家のような店で、庭を眺めながらお蕎麦をいただく
住所:上田市大字別所温泉1801-2
電話:0268-38-4524
営業時間:11:30~15:00
定休日:火曜日(4~11月)
火・水曜日(12~3月)
値段の目安:天もり1630円など
一路、善光寺へ
信州と言ったら、何をおいてもまず善光寺。わたしも、もう何度も行きましたが、やっぱり信州に来たら、一度はご挨拶しておかないと。ちなみに昨年(2009年)には数え年で7年に一度の御開帳がありました。御開帳されたのは、ご本尊のお前立ちさんです。ご本尊は絶対の秘仏のため、7年おきの御開帳の際には、その身代わりの仏様が御開帳されるのです。しかし、御開帳時はたいへんな人出となって、本堂にお参りするのも大行列になります。わたしは人ごみを好まないため、普段の静かな善光寺にお参りに行くようにしています。善光寺の本堂。ご近所の方々は犬を連れて散歩に来る
善光寺に行く理由がもうひとつあります。それは、宿坊がとてもよいことです。宿坊未経験の方は、どういうわけだか「宿坊とは質素な精進料理を食べて修行するところだ」と誤解されていることが多いのですが、それは間違い。むろん、中にはそういう宿坊もありますが、善光寺の宿坊は設備も普通の旅館並みで、特に難しい修行や作法なども要求されません。わたしたちは修行のために寺に泊まるわけではないので、宿坊の方々は、お客さんとして歓待してくださるのです。善光寺の宿坊は特に料理が美味しいところが多く、「グルメな宿坊」の東の横綱と言ってよいでしょう。ちなみに西の横綱は、和歌山県の高野山の宿坊です。
兄部坊では、一人旅でも、素敵な個室で食事をさせていただけます。料理は少しずつ運ばれてきます
おまけに、ご住職の奥様が作るお料理が、どれもこれもたいへん美味。お坊さんが特別な仏事のときに食べる伝統的な料理、奥様の工夫による懐石風の料理、お蕎麦もあります。お蕎麦は、信州風に焼き味噌や砕いた胡桃を入れたおつゆでいただきます。おつゆは、精進料理のため、かつおだしを使えないので、信州名物の辛味大根の汁です。暑い時期に出るデザートの葛きりも、これまた美味で、おなかも大満足!
兄部坊では夜間の外出も可能だし、消灯時間も特に決まっていません。部屋にはテレビもありますが、翌日は5:30から、善光寺名物の朝のお勤め「お朝事」に参列する予定なので、ちょっと早めにおやすみなさい。
■兄部坊
住所:長野県長野市元善町463
電話:026-234-6677
料金:1泊2食 1万500円~
善光寺宿坊組合:026-234-3591
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