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50代パート主婦は「106万円の壁」を気にせず働こう!

パート主婦には、年収の壁があります。妻自身が社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料)を納める必要が生じる「106万円の壁」。しかし社会保険の適用範囲は拡大しており、自分で社会保険に加入するパート主婦は、2022年10月から、さらに増えました。収入をおさえて働き「106万円の壁」の手前でとどまるべき?それとも、飛び越えるべき?

執筆者:小川 千尋

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パートで働く主婦に「106万円の壁」があるけど、どう考える?

人口減・高齢社会で、主婦パワーが求められている。

人口減・高齢社会で、主婦パワーが求められている

パート主婦には下記のような「年収の壁」があります。

1)100万円の壁……妻自身に住民税がかかる可能性がある。
2)103万円の壁……妻自身が所得税を納める必要が生じる。
3)106万円の壁……条件を満たす場合、妻自身が社会保険料を納める必要が生じる。
4)130万円の壁……妻自身が社会保険料を納める必要が生じる。
5)150万円の壁……夫は配偶者特別控除を満額受けられなくなる。
6)201万円の壁……夫が配偶者特別控除を受けられなくなる。

多くのパート主婦は、自分で社会保険料を納めなくてすむ年収130万円以下になるように、勤務時間の調整などをしていると思います。

ところが、2016年10月から社会保険の適用が拡大され、103万円の壁と130万円の壁の間に「106万円の壁」が加わりました。ただし、パート主婦全員に、というわけではありません。下記の条件を満たす場合です。
 
  1. 勤務先に社会保険加入対象の従業員が501人以上いる(501人未満でも労使の合意があれば社会保険加入の対象)
  2. 勤務時間は週20時間以上
  3. 月給8万8000円以上(年収106万円以上)
  4. 勤務期間は1年以上と見込まれる
  5. 学生ではない
 
さらに、今後も106万円の壁が適用される人は拡大していきます。2022年10月から、先ほどの条件の1が「社会保険加入対象の従業員数が101人以上いる」に、条件の4も「勤務期間が2カ月以上と見込まれる」に変わりました(条件の2、3、5はそのまま)。さらに2024年10月からは「社会保険加入対象の従業員が51人以上いる」に変わります。
 

公的年金は終身年金ですから、メリットが大きいのです

では、「106万円の壁」に該当するパート主婦たちは、就業調整をするべきでしょうか? お金の不安をやわらげるためには、「年収の壁」を気にせず働いたほうがいいと思います。年収103万円や106万円しか稼げないなんて、自分自身の能力を過小評価してほしくないからです。思い切り働けば、すべての年収の壁を超えて世帯収入を増やせることになります。

パート主婦が社会保険料を納めるようになれば、いいことがあります。働いている間は、パート主婦自身の公的健康保険の給付は充実しますし、老後の公的年金を増やせます。50代の10年間、社会保険料を納めて増える公的年金額は微々たるものかもしれません。しかし、公的年金は終身年金ですから、死ぬまでもらえるのは大きいですよ。

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