メンズジャケットの印象は、インナーで9割変わる!
あなたは、カジュアルシーンでジャケットを着るとき、どんなインナーを選びますか?いちばん多いタイプは、襟がついたシャツかもしれません。ビジネスのスーツジャケット、学生時代のブレザージャケットなど、日常的に見かけるジャケットスタイルでは、シャツを合わせることが多く、その姿に慣れ親しんでいるからです。一方、襟がついていないTシャツ・カットソーをジャケットに合わせることで、小粋に見えることをご存知でしょうか? 今回は、ジャケットをシャツ以外のインナーで着崩すコーディネートを教えます。
ドレスタイプのTシャツで小粋に見える!
Tシャツ・カットソーを合わせたジャケットスタイル、これは「着崩し」と呼ばれるコーディネート手法のひとつです。着崩しとは、「フォーマルスーツにカジュアルな小物を合わせたりして、決まった型を崩して着る」(出典:デジタル大辞泉)とあるように、コーディネートに遊び心をもたせる効果があります。 とはいえ、ジャケットにTシャツ・カットソーをあわせることに抵抗を感じる方は、いまだ多いようです。私がパーソナルスタイリストを務める主なクライアントである30~40代の男性にヒアリングしたところ、以下のような声が挙がりました。
- 「その組み合わせをしたことがないから不安」(30代男性)
- 「アンダーシャツにジャケットを着ているみたいで違和感がある」(40代男性)
確かに、無地Tシャツとアンダーシャツでは、その違いが分かりにくいかもしれません。白のTシャツであれば、なおさらです。では、ジャケットのインナーに相応しいTシャツ・カットソーは、どういうタイプなのでしょうか? まずは、Tシャツ・カットソーの「首元のリブ幅」をチェックしてください。
Vネック・クルーネックなどの「首型」にかかわらず、太いリブ幅を「カジュアルタイプ」、細いリブ幅を「ドレスタイプ」と、私は呼んでいます。体型やジャケットのテイストによって、カジュアルタイプもジャケットに合わせますが、基本的に「細いリブ幅のドレスタイプのTシャツ・カットソー」がジャケットのインナーに向いています。つまり、着目すべきポイントは、首型より首元のリブ幅ということ!
太いリブほどカジュアルな印象につながり、細いリブほどエレガントな印象につながります。ヘインズやグンゼに代表される「アンダーシャツ」のリブ幅は太めの1.2cmが多いのです。逆に言えば、細いリブを選ぶことで、白い無地Tシャツであってもアンダーシャツには見えません。
また、単色であっても「織り柄」があること、生地に光沢感があるタイプは、アンダーシャツ感がゼロになります。プリントではなく織りによる「柄」なので、立体感があって、カジュアルすぎず、スーツなどシックなスタイルにも相性がいいと言えます。 次に、着崩しコーディネートに向いているジャケット選びのヒントを教えます。
ストレッチ素材のジャケットを選ぶ理由!
ジャケットの素材によって、着こなし方が変わることをご存知でしょうか?スーツジャケットのようなテーラードタイプでは考えられませんが、ストレッチ素材のジャケットは、「袖をたくし上げる」という着こなしが可能です。ポリウレタン・ナイロン・レーヨン・リヨセル・テンセルなどの素材は、伸縮効果をジャケットにもたらします。本来、カッチリしたジャケットの型を崩す、まさに着崩しテクニックのひとつなのです。ダークカラーのスーツに慣れている人は、明るい色のジャケットを敬遠しがちですが、袖をたくし上げることで、ジャケット全体の15%程度、明るい面積を減らし、印象をコントロールできます。このテクニックを活用することで、明るい色のジャケットが合わせやすくなりますよ。
ジャケットの着崩しは、着丈バランスが命!
また、時代によって、Tシャツ・カットソーの着丈も変動しています。90年代には、体にフィットして丈も短めの「ちびT」が流行りました。しかし、現在ではロング丈と呼ばれるTシャツ・カットソーも増えています。ジャケットとTシャツ・カットソーを合わせる場合、ジャケットとインナーの着丈バランスを意識してみましょう。経験上、ジャケットの着丈のマイナス7~8cm程度に合わせたインナーをオススメすることが多いです。まずは流行にかかわらず、インナーは「ベルトループがちょうど隠れるくらいの長さ」を意識してみましょう。短すぎず、長すぎない着丈バランスをつくりましょう!
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