TOPIX連動の信託報酬が0.2052%
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などに連動するインデックスファンドは、その商品性に違いが出にくいことから、違いをつけるには購入時手数料、運用管理費用(信託報酬)を引き下げることが差別化になります。購入時手数料は必要のない「ノーロード」タイプが当たり前になっていることから、運用管理費用(信託報酬)の引き下げ競争が起こっているのです。2015年9月に三井住友アセットマネジメントが、確定拠出年金(DC)向けの低コスト投信を一般向けに販売したことからコスト競争が激化。それまで低コストを謡っていたニッセイアセットマネジメントの「購入・換金手数料なし」シリーズが追随してコストを引き下げ、昨年末にDIAMアセットマネジメントが「たわらノーロード」シリーズを発売という形で第1幕は終了しました。
そして2016年9月8日、大和証券投資信託委託が「iFree(アイフリー)」シリーズを新規設定して第2幕が始まったのです。同シリーズは国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)、バランス型の12ファンドのラインナップです。注目は12ファンドの内10ファンドが運用管理費用の最安値を更新、1本は最安値と肩を並べたことです(バランス型は比較せず)。それぞれのファンドのコストは図表を参照してください。
そのほとんどのインデックスファンドで運用管理費用の最安値を更新したことから、他の運用会社がどんな動きをしてくるのか興味津々です。あるいは一部の投資信託では採算を割り込むものがあると言われていることから、安易な低コスト競争には参戦しないのかもしれませんが……。
低コストの波はアクティブ型にも広がっている
これまで低コストファンド=インデックファンドという関係でしたが、2016年2月に設定されたピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズからアクティブ運用のファンドにも低コスト化の流れが波及し始めているようです。日本のETF(上場投資信託)にはアクティブ運用型の商品は上場していませんが(広義のアクティブ運用タイプはあり)、米国のETF市場には、近年、アクティブ運用型のETFが急増しています。その流れがわが国では投資信託から始まったのかもしれません。低コストのアクティブ運用ファンドは、ピクテ投信投資顧問「iTrust日本株式(0.9612%)」、「iTrust世界株式(0.9612%)」、DIAMアセットマネジメント「たわらノーロードplus国内株式高配当最小分散戦略(0.756%)」、「たわらノーロードplus先進国株式低ボラティリティ高配当戦略(0.918%)」、「たわらノーロードplus新興国株式低ボラティリティ高配得株戦略(0.972%)」、大和住銀投信投資顧問「ひとくふう日本株式ファンド(0.27%)」、「ひとくふう先進国株式ファンド(0.324%)」などをあげることができます。
あるいは運用履歴が長いファンドや直販投信も相対的に運用管理費用(信託報酬)は低めと言えるものが多いようです。たとえば、インべスコ・アセット・マネジメント「インべスコ店頭・成長株オープン(1.08%)」、レオス・キャピタルワークス「ひふみプラス(1.0584%)」などをあげることができます。なお、( )内の数値は消費税込みの運用管理費用(信託報酬)です。