家計簿・家計管理

10万円貯金を達成するための家計管理の基本

お金がなかなか貯まらない人は、つい欲張って100万円、1000万円という大きな目標を立ててしまいがちです。でも、なかなか貯まらず途中で挫折してしまうという悪循環。千里の道も一歩からです。まずは確実に、3ヶ月から半年で10万円の貯金を上乗せできるようにしましょう。

山口 京子

執筆者:山口 京子

家計簿・家計管理ガイド

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預金残高は何で決まる?お金を貯める習慣が大事な理由

あなたの預金残高は、何でできていると思いますか? 年収が1000万円あっても、10人に1人は貯金ゼロです。預金残高は、年収で決まるのではなく「あなたの習慣」で決まります。まずは、確実に10万円貯めるための習慣を身につけましょう。お金を貯めることは、自分の気持ちと支出をコントロールすることです。自分をコントロールするには、いつも客観的に自分を見る「ものさし」が必要です。

ウエイトコントロールなら、体重計で計ります。お金のコントロールなら、家計簿です。体重計に乗ると、「ちょっとスイーツを食べ過ぎたから体重がヤバイ!」とわかるように、家計簿があなたに、「ちょっと使いすぎだよ、しっかりしめていこう!」と教えてくれます。
 

貯金の目安は?手取りの1割は貯金したい

まず手取りから、貯めるお金を定期預金や別の口座に移します。これを「先取り貯金」と言います。お金は貯まるものではなく、「貯めるもの」です。最後にあまったお金を貯金しようと思ってもなかなか貯まらないので、先に取ってしまい残りのお金で生活するのです。

貯金の目安は、手取りの1割。多すぎると、生活に潤いがなくなってしまいますし、少なすぎてもなかなかお金が増えません。まずは、1割を確実に貯めて、徐々に増やしていきましょう。
 

ひと月いくら使える?簡単な公式

行き当たりばったりでお金を使っていると、お金に羽が生えます。ひと月いくら使えるのかを知っておきましょう。

収入-貯金-固定費=使えるお金です

まず、収入から「先取り貯金」をします。残りのお金が、全て使えるわけではありません。毎月決まって出て行くお金があります。家賃や住宅ローン、教育費、保険料、水道光熱費などなど口座から毎月引かれるお金です。これらのお金を「固定費」といいます。

あなたのお宅の「固定費」はいくらでしょう?通帳やクレジットカードの明細を見ればわかります。もし、通帳をなくしてしまったり、どのクレジットカードから引き落とされているかわからない人は、この機会に通帳の再発行をしたり、クレジットカードのサイトにアクセスして確認しましょう。

ここで、固定費の中で見直せるものがあれば、見直しましょう。例えば、通信費。スマートフォンや携帯電話のプランを、買った時から一度も見直していなければ、すぐに調べましょう。これだけで、2000円~3000円安くなることはよくあります。他にも、保険や、最近サボりがちなお稽古ごとなども見直してみるといいですね。

手取り-貯金-固定費=使えるお金
例)25万円-2万5000円-10万円=12万5000円​​​​​​​

さあ、これでひと月いくら使えるか決まりましたね。
 

間違った家計簿の使い方

いよいよ、お金の「ものさし」、家計簿の登場です。家計簿は魔法のツールではありませんから、ただ記録するだけでは残念ながらお金は貯まりません。

お金を貯めることは、「自分の気持ちと支出をコントロールすること」でした。家計簿をつけて、月末に集計して赤字か黒字かで一喜一憂しても、自分のコントロールができません。

家計簿をつけているのに、ちっともお金が貯まらないという人は、「つけているだけ」なのです。自分の行動を振り返っていないので、気持ちも支出もコントロールできません。大事なのは、月末に集計ではなく、週に一度集計して自分の行動を振り返り、翌週からの支出をコントロールすることなのです。
 

週単位でいくらお金を使えるのかをチェック!

先程の例で見てみると、手取り25万円の中から、1割を貯金し、10万円の固定費を引いた残り12万5000円が使えるお金でした。このお金の中で、2万5000円を特別な支出のために、残しておき、10万円を生活費として日々使うとします。
 
10万円を生活費として日々使うとすると

10万円を生活費として日々使うとすると



10万円÷5週間=2万円
1週間2万円のご予算です。1日にすると2857円もあるので、いいランチやちょっとした飲み会もできそうな気もしますが、この中から交通費や雑費、レジャー費なども出さなくてはいけません。

先程の特別費として取っておいた2万5000円は、冠婚葬祭や家電の買い換えなどのために取っておくお金です。日々のお金に使ってしまうと、特別な支出のために「先取り貯金」に手を出してしまい結局お金が貯まらなくなってしまいます。

まずは、1週間家計簿をつけてみて、体重計に乗るつもりで客観的に自分のお金と向き合ってみましょう。ちょっと使いすぎた!と思ったら翌週で挽回、遅くとも翌々週で挽回して必ずひと月の収支を黒字にできるように、気持ちと支出をコントロールしましょう。
 

どの家計簿を選ぶ?

手書きの家計簿とスマートフォンの家計簿アプリ、今の家計簿はこの2つが主流です。手書き家計簿は「今週は頑張った!」とか「バーゲンで買いすぎ、年末までは服は買わない」という一言を自分の字で書き込んだり、ムダな支出にマーカーを引いたりできるので、自分の気持ちと上手に向き合うことができます。

記帳や集計は自動ではできませんから、最低でも週に一度は記帳して集計することが大事。「10万円貯めたら海外旅行に行く!」「10万円貯めたら株主優待銘柄を買う!」「10万円貯めたらいいコートを買う!」というワクワクする目標がモチベーションアップの鍵です。

私が監修した「かしこくお金を貯めるノート」は、いつからでも始められる書き込 み式。最初に、お金を貯めたらこんなことをするぞ!という目標を書くページから始まります。そして、1週間の予算を計算するページ、費目分けもなく買ったものを記帳するページが続き、1週間毎に集計できるようになっています。季節ごとの、お洋服やコスメの予算と買うものを書くページもあるので衝動買いを防げます。

続いて家計簿アプリは、家計簿を持ち歩かなくてもいつでも記帳出来、電卓を叩かなくても集計ができるというメリットがあります。「レシーピ」は、お金のアプリには珍しく、画面がかわいいアプリでアルパカやネコのキャラクターが毎日サポートしてくれます。

家計簿をつけるだけでなく、買った食材から献立も教えてくれます。最初に、今月使える予算を入力し、10万円をいつまでに何の目標で貯めるかも入力できます。レシートを撮影して入力したり、いつも買う物は登録すればワンタッチ入力できます。家計簿をつけ忘れるとあらかじめ設定しておいた時間にアラームがなったり、ちゃんと入力できた日はごほうびのキャラクターバッジがもらえたりします。

「Dr.wallet(ドクターウォレット)」は、銀行や電子マネー、Amazonなどの通販の利用明細も自動で取り込み、撮影したレシートをオペレーターが手入力してくれます。よく行くお店のクーポンがもらえたり、購入レシートを送るだけでキャッシュバックが受けられるサービスもあります。

他にも、ITと金融を融合させたフィンテックの登場で、家計簿と銀行や証券会社、クレジットカードの残高まで一元で資産管理ができるアプリのサービスも続々と登場しています。ただ、10万円をきっちり貯めるお金初心者にとっては、まだハイスペック過ぎるといえるでしょう。

まずは、10万円を3カ月から半年で確実に貯めるために、自分の気持ちと支出をコントロールできるように、つけていて楽しくなりそうな家計簿を選んで始めてみましょう。
 

あまったお金も後取り貯金をして!

体重計に乗るように家計簿をつけ始めると、いろいろなことに気づきます。「意外と外食が多いな」とか、「スーパーでお菓子をよく買うな」とか。それが本当に必要な支出だったか振り返ることが、自分の気持ちと支出をコントロールすることにつながります。

そして、1カ月が終わると使わなかった特別費やあまった予算があれば、これも積極的に貯金しておきましょう。これを「後取り貯金」と言います。3カ月、このサイクルを続けると、必要なものにお金を使うために、いらない支出はないか探す習慣ができます。今後こそ、あなたのお金が貯まりますように!

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