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大型消費のあとの「せっかく消費」に気をつけよう

旅行だったり家電購入だったり、夏は大型消費をしがちです。そんなとき気をつけたいのは「せっかく消費」という名のムダづかいです。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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夏は大型消費の季節ですが

夏は支出が多くなりがち

夏は支出が多くなりがち

夏ボーナスの季節がやってきました。まとまったお金を得て、これを何らかの消費に回そうとわくわくしている人は多いと思います。

大型消費に向いているイベントを作りやすいのも夏の特徴です。夏期休暇は長く取りやすく、年末年始をまたぐ冬期休暇と比べれば、純粋な休みが1週間以上という人も多いはずです。

流行のスポットや子どもの行きたい施設へ遊びにでかけたり、旅行を検討している人は予算が何万円もなることは当たり前です。ロケーションと日数によっては10万円を超えることは珍しくありません。

季節とは無関係ですが、住宅購入やリフォーム、自動車購入などの大型出費を控えている人もいることでしょう。

しかし、マネーハック的にはこういう大型出費は要注意です。「せっかくだから消費」があなたの財布に襲いかかってくるからです。

大型消費の後にやってくる「せっかくだから消費」が危ない

「せっかくだから消費(せっかく消費)」というのは私が勝手に作った言葉ですが、文字通り「せっかくだから……」とお金を使ってしまうようなお金の使い方を指します。

基本的なパターンは「高額出費Aを行う」→「そのあと、Aの出費に関連したBの出費をするかどうか決断を迫られる」→「Aの金額に比べればBの金額は小さいのでまあいいかと追加出費をしてしまう」というものです。

交通費と宿泊費に10万円もかけて旅行に行ったのだから、と食費を当初予定よりアップグレードしたり、エステを追加で頼んでみたり、おみやげ等の買い物予算のリミットを考えない、といったパターンが「せっかく消費」です。

200万円の新車を買ったとき、「今だけオプションで10万円でカーナビが!」と言われて買ってしまうようなものも「せっかく消費」の典型的失敗です。

旅行に出たとき、家を買ったとき、……こんな「せっかく消費」を避ける

「せっかく消費」の誘惑はどこにでも隠れているので、旅行から帰り着くまで油断は禁物です。高速道路帰りのSAまでガマンしていたはずが、最後の最後で「SA限定!」のおみやげに数千円ぱっと使ってしまったり、帰宅直前のファミレスでゼイタクしてしまったりします。

金額的にもっとも要注意なのは、住宅購入時でしょう。購入金額があまりにも大きすぎるので「せっかく出費」も高額になってしまうのです。

3000万円の買い物の直後、窓のサッシや壁紙、玄関のドアなどのちょっとしたグレードアップを提案されると「せっかくだから…」と予算を次々アップしてしまったりします。数十万円ずつの値上がりなんて普通は手を出さないはずなのに。

高額出費のあとは気を引き締めて、「でもまあ、せっかくだから……」「せっかくだし、オプションもつけておくか」みたいな誘惑には注意したいものです。
(売り手側はあなたに「せっかく消費」をしてもらうようあの手この手の誘惑をしてくるのでご注意を!)

「せっかく」はあなたの「さっかく」である

高額の消費金額を前にして、冷静なら使わないはずの金額や内容にお金を使ってしまっている失敗は、私たちの非合理的心理からやってきます。実はこれ、行動ファイナンス(経済学と心理学をミックスしたユニークな学問)では「アンカリング」と呼ばれる研究分野になっているほどです。

ダジャレで最後をまとめるなら「せっかく消費」はあなたの「錯覚(さっかく)消費」です。

この夏は金額の落差に錯覚して、「せっかく消費」のムダづかいをしないようにしてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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