「ダンボール」活用術……片付けてるのに散らかっていく⁉︎
片付けの基本は「分類」です。部屋中にモノが散らかってしまったとき、分類するためには「衣類(家族のメンバー別に)」、「本(分野別)」、「道具(種類別)」、といったように、モノをジャンル別の山に分けていかなければなりません。部屋が狭ければ、モノの山は部屋いっぱいに広がってしまいます。途中で時間切れしてしまったら、片付くまでずーっと、モノの山に囲まれて暮らすことに……。
<目次>
空間ばかりか、アタマの中までゴチャゴチャに……
狭い部屋に、たくさんの「山」を作ってしまうと、「裾野」が崩れて山と山が入り混じってしまいますし、自分で決めたはずの山の名前(分類)がわからなくなり、混乱してしまうこともあります。せっかく片付けているのに、こうなるとイライラ、お手上げ。空間ばかりか、アタマの中までゴチャゴチャしてきます。ここで、段ボール箱の出番です!
段ボール箱がアタマの中を整理してくれる
お片付けの過程でできる「山」は、床やテーブルの上ではなく、「段ボール箱」で整理しましょう。段ボール箱は「バラバラにした大きな引き出し」のような役割を果たし、モノを物理的に分離し、視覚的・心理的にも整理しやすくしてくれます。無料または安価なので、数の増減も思いのままです。
段ボール箱お片付けの手順
1:段ボール箱を用意する無料で手に入るものなら何でもよいのですが、新たに購入するなら、なるべく同じサイズで、あまり大きくないものを選びます。(引っ越し用段ボールであれば「小」程度)
2:箱の表面に付箋を貼る 箱にはメモ用紙や付箋で中身を書き、片付けながらモノを入れていきましょう。付箋は、箱のフタではなく胴部分に貼ります。
3:小さいモノは仕切って整理 入れるモノが小さく、あまりかさばらないときは、隣接ジャンルのモノを同じ箱に入れてもいいですが、中をブックエンドなどで仕切りましょう。売るものやあげるものなどを、ここで仕分けるのもおすすめです。 時間切れになって片付けを中断しなければならなくなっても、箱を一か所に積み上げておけば、場所を取りませんし、次に片付けを再開するまでに中身が入り混じって、分類が崩れることもありません。
片付け用の段ボールを収納にしないこと
大切なのは、この段ボールを収納にしてしまわないこと。分類が終わったら、できるだけ早く、中身をあるべき場所に戻しましょう。段ボールはあくまで、分類のための補助ツールです。捨てるかどうか迷う「保留」の箱ができたら、日付を書いてなるべく邪魔にならない場所に保管し、1年後を目安に判断します。1年間、開けることがなかったら、無条件に廃棄してもおそらく問題ありません。
中身をそっくり「あげる」「寄付する」「売る」ことに決めたら、段ボールはそのまま発送や運搬ツールとなるので便利です(寄付については、段ボールで送っていいかどうか確認を)。
段ボール箱で家具も作れる!
逆に、「段ボール箱を収納家具に」してしまうこともできます。強度があり、加工が容易な段ボールはまた、簡易な家具を作る素材に向いているのです。一時的に家具が必要となった場合、間に合わせの安価な家具を買うことは、ともすれば色やデザインに不満を抱えながら使い、不要になってもリサイクルできず、粗大ゴミの処分料がかかるなど、不本意な結果になりがちです。
それよりも、本当に欲しい家具が見つかるまでは段ボールで自作した家具を使い、不要になったら資源ゴミとして処分した方が、精神的にも金銭的にも負担が少なくて済みます。木工よりも技術や道具が要らず、短期の一人暮らしや、成長の速い子供の家具にもおすすめです。
丈夫な箱家具を作ってみよう
ここでは、最も簡単にできる箱家具を作ってみましょう。これは、段ボール箱を横向きにして使います。同じものをいくつか作って組み合わせることもできます。(使用段ボール箱……44×32×21cm)1:ベースとなる段ボール箱を用意する。
フタの部分は切り落とす。
2:(【1】とは別の)段ボール箱を5~6枚解体して板状の平面にする。
3:木工用ボンドをまんべんなく塗り、重ねていく。
4:重石として、【3】の上に本などを置く。
重石がなければ、しばらく上に寝転んでいましょう。
5:半日~1日後、いちばん小さい段ボールに合わせて、端を切り落とす。
6:【5】で完成した分厚い段ボールの厚みを計る。
7:【1】のベースとなる段ボールの側面、上(下)底のサイズを計り、【6】の厚みの分を足して、【5】からパーツを切り取る。
この時、段ボールのストロー(中にはさまれた波板状の紙)が垂直方向に来るように切り取る。
8:【1】のベースとなる段ボールに、【7】で切り取ったパーツを木工用ボンドで貼り合わせていく。
側面→上底・下底の順に、上に軽く本などで重石をして乾かす。
9:完成。
これを複数組み合わせて本棚が作れる。奥行のある箱で作れば、洋服収納にもピッタリ。
大きすぎる段ボール箱を小さくする
海外からの段ボール箱は、デザインが可愛らしく頑丈ですが、大きすぎて扱いづらいことがあります。このような箱は、中央でカットして、片方をもう片方の中に入れてしまえば、小さくして使うことができます。段差ができますが、クラフトテープで強化したり、余った部分をカットしたりして使い勝手を向上させましょう。段ボールの選び方
片付け用としても、家具素材としても、段ボールはなるべく無地のシンプルなものがベストです。ホームセンターには、さまざまなサイズの段ボール箱が揃っていますし、大量に購入したい場合、通販サイトを利用すれば、買いに行く手間もかかりません。表面の印刷が気に入らない場合は、表面にクラフト紙やラッピングペーパーを貼ったり、水性ペンキを塗ったりしてもいいでしょう。リサイクルに出すときは、表面をはぎ取って。
段ボールといえど、自分好みに作れば素敵な家具になります。本当に欲しい家具が見つかるまでの、シンプルライフの良き相棒になってくれるでしょう。
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