紫外線が強い初夏……屋外での運動はどうする?
紫外線は季節や天気によって左右され、日中により強くなる
太陽光には目に見える光(可視光線)と目に見えない光(不可視光線)があり、その中で最も波長の短い光が「紫外線」です。季節や時間帯、天候などによって紫外線の強さは変わりますが、同じ気象条件であれば太陽が頭上にくる正午頃が最も強いといわれ、季節では6月から8月にかけて最も紫外線が強くなります。また曇りや雨といった天候よりも快晴時により強くなります。紫外線を大量に浴びると疲労物質が体内に蓄積されたり、肌がダメージを受けたりすることがわかっています。暑い季節の運動では熱中症対策はもちろん、上手に紫外線対策をしていくことが大切です。
日焼けだけではない?紫外線が身体に与える影響
紫外線は目からも入ってくるので、サングラスなどでしっかり対策を行いたい
このほかにも紫外線を浴びると体内に大量の活性酸素を発生させることがわかっています。活性酸素はもともと体内に存在するものですが、急激に大量に発生すると細胞を傷つけて疲労物質を生み出すと言われています。一日中、屋外にいて日光を浴び続けていると疲労を感じやすいのはこうした身体のメカニズムによるものと考えられます。
また目が紫外線による影響を受けると、日陰で過ごしていても皮膚が黒く日焼けし、長年紫外線を浴び続けていると白内障のリスクが高まるといわれています。屋外で運動を行う際には目を保護するためにもサングラスを着用し、直射日光や紫外線による影響を抑えるようにしましょう。
運動前に行う効果的な紫外線対策
まずは市販の日焼け止めクリームなどを使用し、肌が露出している部分を保護するようにしましょう。ただし塗ってから日焼け止めの効果が持続するのは数時間程度と言われているので、こまめに塗り直すことが大切。このほか、手軽に出来る日焼け止め対策として帽子を必ず着用する(特に白系のものであればなおよい)、薄手の長袖を着用し肌の露出を抑える、などの方法が挙げられます。また目から紫外線が入るのを防ぐためにサングラスを着用して運動するのもよいでしょう。
紫外線対策に! 運動前後に積極的にとりたい抗酸化食品
緑黄色野菜にはビタミンC、ビタミンEなどが含まれ、抗酸化の働きがある
ビタミンCは水溶性ビタミンであり、抗酸化作用だけではなく、身体の免疫力を高めたり、ストレスへの抵抗力を強めたりする働きがあります。緑黄色野菜や果物に多く含まれますが、水に溶けやすく熱に弱い特性があるため、なるべく熱を通さない状態で食べるようにしましょう。フレッシュ果実のジュースなどもビタミンCを豊富に含むので手軽にとりやすいものといえます。
ビタミンEは脂溶性のビタミンであり、細胞膜の構成要素である脂質が、活性酸素によって酸化されることを防ぐ働きがあります。ビタミンEを多く含む代表的な食品としては魚介類やナッツ類、ゴマなどが挙げられます。脂溶性ビタミンは油で調理したものがより吸収されやすいため、油を上手に利用して摂取するようにしましょう。ただし過剰に摂りすぎると肝臓などで貯蔵できなくなったビタミンEが必要としない器官にまで流れてしまい、さまざまな弊害を起こすといわれていますので摂りすぎには注意しましょう(1日の適正摂取量は男性で10mg、女性8mg)。
βカロテンは植物や動物に存在する色素のひとつで、体内でビタミンAに変換される栄養素です。強い抗酸化作用のみならず、高脂血症や動脈硬化などの生活習慣病予防にも効果が期待できます。βカロテンが含まれる主な食品は、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜です。ビタミンAはビタミンEと同じく脂溶性ビタミンですので、油で調理すると吸収率が高まります。
日焼け止め対策は直接紫外線を遮断する対策と、身体の中から抗酸化物質によって活性酸素の働きを抑える方法があります。屋外での運動には紫外線対策を万全に、食事面でも抗酸化食品を積極的にとるように心がけましょう。