定年・退職のお金/老後資金の貯め方

50歳からの資産運用はNISA口座の活用がポイント

60歳定年だとすると、今50歳の人が働いて給料を得ながら運用できる期間は、残すところ10年です。それだけに、50歳からの資産運用は、少しでも効率よく運用する方法を考えることが大事です。

鈴木 雅光

執筆者:鈴木 雅光

投資信託ガイド

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運用でリターンを1%上げるのは大変

効率よくお金を増やすには

効率よくお金を増やすには

誰でも運用をする場合、少しでも高いリターンを得たいと思うでしょう。手持ちの1000万円を少しでも大きく殖やそうとするならば、1%でも高いリターンが期待できる投資商品での運用を望むはずです。

でも、より高いリターンを狙おうとすればするほど、資産の安全性を犠牲にしなければなりません。端的に言えば、期待リターンが3%のものと10%のものとでは、当然のことながら後者の方が、元本を割り込む危険度が高まります。

働いて給料を得ながら運用できる期間が10年だとすると、元本を大きく割り込むリスクに晒して資産を運用するのは、出来れば避けたいところです。残された時間が少なくなればなるほど、リカバリーできるチャンスも無くなるからです。

しかも、それだけのリスクを背負ったとしても、確実にリターンが改善される保証はありません。そう考えると、投資対象の選別、トレーディングの巧拙によるリターンの改善は、決して確実なものではない、となります。

非課税口座でリターンを改善させる

ただ、確実に改善できる方法もあります。それは、よりコストの安いものを探すことです。投資対象の選別、トレーディングの巧拙によってリターンを1%改善するのは大変なことですが、1%コストの安い投資信託を見つけ出すことができれば、それは確実に1%分、リターンを改善させることにつながります。

ただ、コストの安い投資信託を探すのと共に、リターンの改善効果が高い方法があります。それは、NISAなどの非課税口座を活用することです。

NISAは、株式や株式投資信託の運用で生じた配当金や分配金、値上がり益に対する税金を、非課税にする制度で、2014年1月からスタートしました。仮に年5%の利益が生じたとしても、そこから20.315%の税金が差し引かれると、利益は3.984%になってしまいます。厳密にいえば、税金は決してコストではありませんが、運用している側からすれば、リターンを下げるものであり、だからこそ海外の投資会社は、タックスヘイブンでファンドを設立するのです。

もし、年5%の収益に対する源泉分離課税が非課税になれば、それでリターンを1.016%改善できます。運用環境が極めて良好で、年20%のリターンが実現したら、この節税によるリターンの改善効果は、4.063%にもなります。

NISAの投資枠は現在、年間120万円で、総額600万円まで認められています。夫婦で口座を作れば、総額1200万円の非課税枠を活用できます。今のところ時限的な制度で、口座を開設できる最終年は2023年。非課税期間は5年なので、2023年の口座で投資した120万円は、2027年まで非課税運用が可能です。

2024年以降はNISAの制度終了と共に120万円ずつ非課税枠で運用できる金額が減っていきますが、それでも最終的には2027年まで非課税運用が出来るので、現在50歳の人であれば、61歳になるまでは非課税の恩恵を受けられます。
これから投資を始める人は、NISAに口座を作ることから始めると良いでしょう。

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