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トラディッショナル・ベタ(赤)学 名:Betta splendens var |
見た目の美しさや生態の面白さ。また丈夫で手ごろな価格から、広く人気がある。色彩的にも赤、青、白、各色が交じり合ったものなど、様々なタイプが存在する。また各ヒレの形状にも、幾つかの違いが見られる。 別名「闘魚」といわれるだけあり、同種間の雄同士で激しく闘争する。狭い水槽に2匹の雄を放すと、どちらかが死んでしまうほどに攻撃してしまう。この習性を利用して原産地のタイでは、賭けの対象としての闘魚が行われている。因みに英名でも「fighting fish(闘う魚)」の名で呼ばれる。 この闘争性に着目して改良されたのが「プラガット」で、各鰭が短く、がっちりした体型をしている。前者が観賞用に改良されたのに対し、こちらはより強くを目的に改良されていった。 トラディッショナル、プラガットの他に、より高いレベルでの美しさを追求していったものが「ショーベタ」。ショークオリティーベタを略したものだ。色彩的にも、ヒレの形状1つとっても、観賞魚としてトップクラスの美しさをもった改良種になる。 アメリカで普及し、今では各国で愛好会やコンテストなどが行われている。価格は、トラディッショナルベタの数倍から数十倍の高額で取引されている。 さて元々、水田や水溜りのような過酷な環境に生息していたことから、水質の悪化、低酸素、温度変化に対して非常に高い耐性をもっている。これはベタの仲間が分類される、キノボリウオ亜目(アナバス亜目)の特徴で、独自に発達したラビリンス器官と呼ばれる補助呼吸器官によって、エラ呼吸以外に空気呼吸ができるためである。このことから、水槽内でも丈夫で飼いやすい。しかし、その丈夫さが仇となり、販売時に小さなケースに入れられぞんざいな扱いをされることも多く、購入するときは健康な個体を選びたい。 ベタの特徴の1つに、官能的な繁殖スタイルが挙げられる。オスが泡状の巣を作り、その中で卵を保護し、孵化後しばらくオス親が守るのだが。産卵シーンの優美さ、その後の献身的な卵への愛情。繁殖自体は非常に容易なので、一度チャレンジしてみると感動すること請け合いである。 以上から、一般的な熱帯魚が飼える環境であれば、簡単に飼えてしまうのがベタである。ただし、購入の際に状態を見極めたい。ぼーとしていたり、各ヒレの一部が白くなっていたり、カビのようなものがついている個体は避けるべきだ。またヒレの形状から、強い水流は苦手なので、そのことにも留意したい。他の魚への攻撃性は弱いので混泳は可能だが、オスどうしは不可。メスとの混泳は不可能ではないが、状況によっては殺してしまうこともあるので、繁殖させる以外の目的では余りお勧めしない。 エサは冷凍赤虫やイトミミズなどを好むが、慣らせば人口飼料でも問題なく飼育できる。
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