夏バテとは……夏バテは原因を知れば予防できる
暑くなってくると、「食欲がない」「だるい」といった夏バテ特有の症状で悩まされる方が増えてきます。しかし、夏バテはきちんと理解して対応することで、予防することが可能です。夏バテが起こる原因を理解して、夏バテを事前に防止しましょう。
夏バテが起こる原因・夏バテになる理由
夏バテを起こすのは人間だけでしょうか? いえ、そうではありません。動物でも夏バテになるのです。夏場の動物園では、ほとんどの動物がグッタリと寝ています。家で飼っている犬や猫も、夏場は活動が低下しています。活動が低下している理由は、外気温が上昇しすぎているからです。外気温が高いと体温も上昇しがちになり、脳の体温中枢である視床下部から、体温を下げるように命令が下されます。すると体表面の血管を拡張させたり、汗を出したりすることにより、体温を拡散させて熱を下げようとするのです。
動くことは体温を上昇させることになるので、無駄な動きは抑えるようになります。また、食事をすると消化器の動きが活発になり、消化器自身さらには全身から熱産生が増加することになり、体温が上昇します。「動きたくない」「食欲がない」という症状は、ある意味、本能的なものといえるでしょう。
ただし、「動かない」「食べない」という状態が続くと身体がバテてしまいます。つまり夏バテになってしまうのです。さらに近年は空調設備が整ったところも多く、外気温との温度差で自律神経のバランスが乱れ、夏バテが起きやすくなっています。過労や睡眠不足などにより体力が弱っていることも、体調を崩しやすい要因です。
夏バテ危険度チェックシート
いったん夏バテになってしまうと、戻るのに時間がかかります。では、あなたの夏バテ危険度はどうでしょうか? 以下のチェックシートで確認してみましょう。■質問項目
- 夏は食事を作るのが面倒になる
YES 1点 NO 0点 - このところ同じようなものを繰り返し食べている
YES 2点 NO 0点 - 食事はあっさりしたものやのどごしのよいものばかり食べている
YES 3点 NO 0点 - 暑いので、つい火を使わない料理が多くなる
YES 1点 NO 0点 - 夏になってから、どうも食がすすまない
YES 2点 NO 0点 - 喉が渇くので、ジュースや炭酸飲料などを1日に1リットルくらいは飲む
YES 3点 NO 0点 - 食欲がないときの食事はスイカやアイスクリームなどで済ませることがある
YES 3点 NO 0点 - 夏バテ防止に焼き肉、うなぎのかば焼き、豚カツなどをよく食べる
YES 2点 NO 0点 - 日中は暑いので動く気がせず、家でダラダラと過ごしている
YES 2点 NO 0点 - 汗をかかないように、水分はできるだけ控えている
YES 2点 NO 0点 - 暑さに弱いので、部屋はクーラーをガンガンきかせている
YES 1点 NO 0点 - 寝苦しいせいか、寝不足の日が続いている
YES 2点 NO 0点 - 夜遅くまでテレビを見たり、ビデオ鑑賞や読書を楽しんでいる
YES 2点 NO 0点 - 昼食を抜いて、少し涼しくなる夜にまとめて食べることが多い
YES 3点 NO 0点 - 夏の晩は、仕事帰りについビアガーデンによることが多い
YES 2点 NO 0点
<あなたの夏バテレベル>
- 22~31点:完全に夏バテです
自分でも夏バテと自覚しているのではないでしょうか? 食生活や生活習慣を見直して、夏バテを脱却しましょう。 - 8~21点:夏バテに要注意! 夏バテ予備軍
疲れが蓄積することで今後夏バテに移行するおそれあり。対策が必要です。 - 0~7点:夏バテの可能性なし
いまのところ夏バテの可能性はありません。ただし、暑い時期が続くと、誰しも夏バテの可能性があります。今のコンディションを保つよう気を付けましょう。
注意すべき夏バテの症状とは……実は危険な熱中症というケースも
熱中症には注意が必要です
熱中症の初期に起こる症状は、めまいや大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直であるこむら返りなどです。さらに進んで中等症になると、頭痛や嘔吐、集中力の低下が起こります。さらに進行して重症になると、意識障害やけいれん、高体温などという症状が出てきます。
初期の熱中症であれば安静と水分投与でよいのですが、中等症以上ではすぐに病院を受診することが必要です。特にお年寄りや子どもは、症状があいまいで発見が遅れることが多く、要注意です。
夏バテを防ぐ方法は生活習慣・食事にあり
■体を少しずつ暑さに慣れさせる夏の暑さに順応していくため、朝や夕方などの涼しい時間帯は外に出て、少しずつ暑さに慣れていくようにしましょう。ただし、暑いと感じたら室内に入り、我慢せずにエアコンを使用するようにして下さい。熱中症になる可能性があります。
■エアコンの温度設定はほどほどに
空調設備の整ったところと外気温との温度差が大きいと、自律神経のバランスの乱れから夏バテが起きやすくなるので、エアコンの温度は下げすぎないほうがよいでしょう。
■睡眠や食事は十分に
疲労や睡眠不足は免疫力が低下するので、夏バテにかかりやすくなります。過労を避け、睡眠はしっかりとるようにしましょう。また、夏バテでは、ビタミンやタンパク質が不足しがちになるので、バランスよく食事をとることも大切です。
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