結婚相談所ってどんなところ?
多様化する婚活。正しい知識を身につけましょう。
婚活のプロとして、現場で目にした内容をコラムにしてきましたが、「そもそも結婚相談所ってどんなところなのか?」、「婚活でいうお見合いや交際ってどういうこと?」という質問を受けることがあります。
今回は、結婚相談所においての入会から成婚までの流れをダイジェストを紹介します。
STEP1:入会するための書類を用意して見学へ
東京・青山の結婚相談所。扉を開けると、ウエディングドレスがお出迎えします。
ガイドの結婚相談所の場合、もともと別の結婚相談所で活動していた人、もしくは現在も他社の結婚相談所で活動中の人が8割ほどいらっしゃるので、初めから入会書類を用意していらっしゃる会員さんも多いです。
【入会時に準備するもの】
・住民票(戸籍謄本は不要)
・独身証明書(本籍がある市区町村役場でもらえる、独身であることの証明書があります)
・写真付き身分証のコピー(免許証or パスポート)
・資格や学歴の証明書(短大以上の学歴と国家資格をプロフィールに書くには証明書が必要)
ほとんどの結婚相談所は、どこでもこのような書類が必要になります。登録するプロフィールにも証明が必要ということです。
全国に約4000社の結婚相談所が存在しますが、約2000社くらいの結婚相談所は「連盟」というものに加入しています。IBJ、BIU、NNRなど、いくつかの連盟が存在しています。
それらの連盟に加入しているところは、上記の書類を提出していただく必要があり、逆に言えば、そういったきちんとした手続きをおこなった方だけが会員になれるわけです。
では、連盟に加入していない相談所は、どうかというと、その会社(結婚相談所)独自のマイルールに則ることになり、必ずしも書類が必要ない場合もあります。昔ながらの「釣書」(つりしょ、つりがき。手書きのプロフィールのこと)や「身上書」(しんじょうしょ。釣書の別の言い方)と、お見合い写真だけ用意すればOKだったりします。こういった結婚相談所は、登録者数が数人だったりと小規模で、知人の紹介などを中心にした昔ながらの「人対人」のお見合いスタイルが多いので、細かい書類がなくてもよいのかもしれません。
個人的には、ある程度の規模の結婚相談所でお相手選びをしたいならば、少し面倒でも書類をきちんとそろえて、必要な手続きを踏んだほうがよいと思います。
STEP2:結婚相談所に入会する
希望の条件を記入してくださいね。
プロフィールの内容は、名前や住所などの個人情報から、趣味・身長・体重はもちろん、たばこ・お酒などの嗜好、年齢や年収などの条件の希望範囲、親と同居の可否などかなり細かいことまで書いていただきます。
病院の問診票のような紙に記入いただきます。
ちなみに、写真の記者Mさんは、「平均年収くらいの方で……」とのとことで、年収の希望欄には、400~600万円と記していました。ご本人はフルタイムで働いていますが、プロフィールに書けるような国家資格ではありませんから、まぁ、30オーバーの女性としては、身の程を知ってますかね~。
希望年齢の欄には、ご本人が現在32歳で、「前後10歳くらい」ということで、25歳~45歳と記入しました。「年下でもいいです」って……ちょっと図々しいかしらね~? ……いるんですよ、「年下はあり得ない、オジサンはムリ! 同年代で見た目が若い方がいい」「年収はとりあえず1000万円?」とかね。
のちほど説明しますが、あなたにも選ぶ権利はありますが、相手にも選ぶ権利があるということを忘れないでくださいね。
すでに結婚相談所で活動していた方や、現在も活動している方の場合、過去の活動の方向性を聞き出し、変えたほうがいい点などを指摘し、アドバイスし、時にはダメ出しもしていきます。
ガイドが直接ダメ出し……いえ、アドバイスします!
ちなみに結婚相談所の料金についてですが、これは企業によりかなり違うので、今回はガイドの結婚相談所を一例としてご覧ください。
◆料金例:初期費用10万円+月会費1万5000円。
※毎月20名のお見合い申し込みが可能。初期費用には入会金2万円、登録料3万円、教材(DVD・テキスト)費5万円を含む。
ほかにいくつかのコースがあります。他社の結婚相談所でも、いくつかのコースがあることがほとんどかと思います。相手の年収や肩書などのランクによってコース料金が違ったり、お見合いを申し込める人数別にいくつかのコースがあったりします。
ここでひとつお伝えしておくと、激安で良質のサービス……というのはないと思ってください。なぜなら、アドバイザーがどれだけお世話できるかが重要なので、成婚率の高いサービスにはそれなりの手間がかかるからです。
数多くの結婚相談所の中から、自分にあったところを探し出すのは大変なことです。実際、開業したばかりで会員数がゼロなのに、さも過去にたくさん成婚させたようなふりをしたり、なんの裏付けもないことを自分のホームページに載せて集客しているような業者を見かけることもあります。本当に許せません!
では、そういったところをどうやって見分けるかというと、結婚相談所の代表者や担当の婚活アドバイザーが、どんな考えで、何を訴えたくて結婚相談所をやっているのか、ふだんどんな活動をしているのか知ることです。実際、ガイドが作家やコラムニストとしての活動を始めたのは、そういった想いや理念を多くの方に伝えるためです!
婚活アドバイザーを見極めるポイントはこちらの記事を参考にしてください。>>
少し話がそれました、続けましょう!
STEP3:プロフィール写真撮影し、プロフィール掲載へ
さて、当日でもいいですが、だいたい入会の3日~1週間後にプロフィール写真を撮影します。お見合い用のプロフィール写真は、男性でも女性でも、断然ロケがオススメです。プロフィール写真の撮影はロケがオススメです!
なぜなら、背景によって、ごまかしがきくからです。
そして、パッと目をひくカラーを上半身に持ってきてください。女性はピンクや赤のトップスやふんわりしたワンピースやスカートなど。男性の場合、ネクタイにピンク、赤などを取り入れてください。
お見合いや写真撮影時に、スタイリングできます。
ガイドの結婚相談所では、コースによってはスタイリングも提案していますし、予算に合わせて買い物に同行したりもしています。
「そのスカート、太って見えるからこっちにしなさい!」と記者にもその場でアドバイス。
コースによってはメイクやスタイリングも指導しています。ガイドのファッション指導の様子はこちらの記事へ>>
このような工程を経て、プロフィールが出来上がります。
ちなみに、入会直後はメンバーページの「新規入会者情報」に掲載されるためとても注目度が高い時期です。新規入会者情報への掲載は登録日から1週間です。選り好みせずに積極的に会ってみることをおすすめします。
とはいえ、よっぽどの美人で若くない限り、お見合い申し込みが殺到するようなことはありません。
できるだけ、プロフィールを美しく、目が引くようにつくることが大事なんです。プロフィール写真は、オーディション用の写真だと思ってくださいね。
ガイドが色やシルエットにこだわるのは、大勢のプロフィール写真を一覧表示で閲覧されるなかで、パッと目がとまらなければ意味がないからなんです。次のSTEPをご覧ください!
STEP4:お見合いのお相手選び
個人情報により画面を明瞭にお見せできませんが、このように、顔写真の一覧からセレクトします。
実際にプロフィールを作って、登録するまで大体2~3日ほどかかりますが、相手選びは入会後すぐにでもはじめられますので、さっそく、男性のプロフィールをチェックしてみましょう。
前述の連盟のシステムを使って、(結婚相談所のパソコンから)インターネット上でプロフィールを閲覧できます。
個人情報のため画面はお見せできませんが、上の画像のように顔写真の一覧を出し、クリックすると、プロフィールのページを閲覧することができます。
記者Mさんの希望に沿ってチェックをつけて検索。まずは、年収600万円以上という条件で出してみましょうね。
「医者? 年収1000万円? そんなエリート男性ってこんなにいるんですか!」
初めて見ると驚きますよね、探してもなかなか見つからない条件の男性が顔写真つきでたくさん出てくるわけです。
当然、12万人も登録されていますから、探せばどんどんイイ男が、条件のイイ男が出てきます。まるでネットオークションみたいに、見れば見るほど、どんどんどんどん希望がつりあがっていきます。もちろん、だれにお見合い希望を出してもOKなんですよ~。
ただし! 相手にも選ぶ権利があるんです。ハイ!
31歳以下!
残念! 男性のご希望は、「31歳以下」でした。アタックもしていないのに、いきなり条件から外れちゃいましたね~。
そう、年齢などの条件だけでなく、見た目や性格で却下されることも多々あることを忘れずに! まぁ、それで現実を知るのもいいですし、顔や条件以外の部分での人選をアドバイザーが助言したりもします。
顔写真の中にあるハートマークって何?
ちなみに、ハートマークのついている方はすでに成婚間近。すでに、別の方と「真剣交際期間」に入っている方なのでアプローチできません。
お見合いは約1か月の間にどんどん決めていきましょうね。ぐずぐずぐずぐずしていたらエンドレスですから、なんといっても最初の1か月が勝負です、フレッシュですから。今のあなたが一番若いのよ、何歳でも!
希望を出し、お互いが会ってみたいということになれば、担当の婚活アドバイザー同士が連絡を取って、「お見合い」を決めます。まだ、直接連絡を取ることはありません。
「お見合いが成立したので、このホテルのラウンジに来てください」という連絡が来たら、いよいよお相手に会えるわけです!
STEP5:お見合い
他社の結婚相談所会員の場合、ホテルのラウンジなどでお茶をしながらお見合いをすることになります。男女ともにマリーミーの会員の場合、結婚相談所内でおこなうこともあります。今回登場いただいた男性は、現在は、登録していらっしゃらないのであしからず。20代で社長業をしているイケメンです。
今回特別に、卒業生の男性に登場していただきました! 20代で会社経営者だとか……!
実際、街中で待ち合わせをする際は、二人っきりです。お見合いは1対1で、当然ガイドは付き添いません。ふたりっきりで、1時間くらい話していただきます。
その際に注意したいことがあります。
◆お互い、古い写真を使っていたり、メイクや修正を施したりしているので……お互いを見つけられないことがありますが、気を悪くしてはいけません。
お見合い写真についての注意点はこちらをご覧ください>>
◆また、人気のある人ほど、1日に3~4件のお見合いを入れています。企業の面接みたいに、1時間ごとにどんどん人を入れ替えていくんです。だから遅刻は厳禁です。
◆プロフィールと同様、ある程度、相手の印象に残るような見た目の演出も重要です。なぜなら、1日何人も会ったあとに「やっぱりあのひと、すてきだったな」と思われなければ、忘れ去られてしまうから。
◆人気のある職業と言えば、女性はCA、男性は医者。どちらも休みが不定期だったりしますから、平日の夜にまとめてお見合い、なんていうこともザラ。人気商売の方とお会いしたいなら、スケジュール調整も頑張りましょうね。
そして、もう一つ、会話の内容です。
世の中、見合いで本領発揮できるようなコミュニケーション能力の高い人ばかりじゃありません。ふだんは面白くて朗らかな人だって、緊張して無表情になってしまったり、うまくしゃべれないこともあります。
たった1時間くらいのお見合いで、相手のすべてを判断せずに、まずは相手から交際希望をもらっておいて、こちらはデートのときに見極めよう……くらいの姿勢で取り組みましょう。
「選ぶ女」は選ばれません、「選ばれる女」になってください。まずは目の前の相手から「交際希望」をもらうこと。初対面の相手が気に入らないからってブスッとしているような人に出会いなんて訪れません。
STEP6:交際希望同士が「3か月」交際期間を過ごす
連絡先を交換したら、自由にデートを重ねてもらいます。
交際期間は、基本的に3か月。遠方に住んでいるなどの理由があればお互い相談の上、6か月まで延期できます。その間は、デートを重ねてお互いの仲を深めつつ、婚活アドバイザーに質問や相談もできます。
途中でもう交際したくないという「交際中止」をもらってしまったらゲームオーバー。もちろん、あなたから交際中止を申し出ることができます。交際中の相手全員と「交際中止」になったら、もう一度新しいお見合いを組み直します。
ただし、交際相手に直接別れを告げるのはトラブル防止のため、マナー違反とされています。まずは婚活アドバイザーに報告するようにしてください。
この期間で重要なのは、3人との交際をかけもちできるということ。どの人と「真剣交際」すべきか、ある意味、比較しながら考えられる贅沢な期間です。ふつう、日本の恋愛事情では浮気はご法度ですから、1人の人としか付き合えないので、結婚相談所ならではのシステムと言えますね。
STEP7:真剣交際
何度かのお見合いや交際を経て、「この人だ!」と決めた人が現れたら、「親権交際」の申し込みをします。この段階になると、ほかの人にはもう会わない、お見合いも追加できません。たった一人に決める申し込みとなります。
親に紹介したり、実家を行き来したりするのもこの「真剣交際」の期間におこなう人が多いでしょう。親に判断してもらいたい人はSTEP6の交際中でもいいでしょうし、逆に、35歳以上になると本人たちで結婚を決めてから親には事後報告でいいという人も多いですね。
STEP8:ついに成婚!
さて、「真剣交際」でお互いの結婚の意思が固まったら、「ご成婚」となります。結婚相談所に「成婚退会」という書類を提出していただいて、正式に退会となります。おめでとうございます!これが、成婚退会届。晴れて卒業となります。
今回は、ダイジェストということで8回の活動で成婚まで進みました。
実際どれくらいの期間で結婚できるのかというと、当結婚相談所では「登録から半年以内」を目標にしています。身の程を知って、真摯に活動される方でしたら、2~3か月で成婚される方もザラです。
逆に、1年以上、何年も十何年も婚活しているとしたら、論外です! なんのために婚活しているの? 根本的に見直す必要があります。私が直接指導してあげてもよろしくってよ。
撮影/山口ヒロユキ ヘアメイク/橋本京子