ふたりで学ぶマネー術/ふたりで学ぶマネー術

結婚費用の分担で、ふたりの家計管理が決まる!?

結婚式の準備期間は、いろいろ夢が膨らみ、ふたりにとって一番楽しい時期ですが、「お金」という現実にも目を向ける必要があります。花ヨメ花ムコ、最大のお金の悩み、結婚費用。結婚費用の分担を上手にできれば、結婚生活での家計管理もきっと上手くいきます。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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結婚・新生活準備費用、総額で430万円!?
新郎新婦でどう分担する?

新婚・新生活準備費用で、総額430万円!? 新郎新婦で、どう分担する?

新婚・新生活準備費用で、総額430万円!? 新郎新婦で、どう分担する?

6月は、「ジューンブライド」ということで、結婚に関する話題が多く見られます。ゼクシィ結婚トレンド調査2015(首都圏版)によると、6月に挙式をした人の割合は9.1%で、1年の中では6番目で、特に多い月という訳ではないようです。少し前に、結婚情報雑誌を手に取る機会があったのですが、結婚式場や新婚旅行などの情報が満載で、ゆうに5センチを超える厚さで、その情報量に圧倒されました。

これから結婚するふたりが、仲良く肩を並べて、結婚情報誌を見ながら「結婚式はチャペルで挙げたい」、「ウェディングドレスは、この色がいい」、「新婚旅行はニュージーランドへ」など、いろいろ想像しながら話が盛り上がっている姿が思い浮かびます。結婚準備は、楽しいことばかりではなく、「お金」という厳しい現実にも目を向けなければなりません。

ゼクシィ 結婚トレンド調査2015によると、結婚費用(挙式・披露宴・披露パーティ)の総額は352.7万円で、年々増加傾向にあります。また、新生活準備(インテリア・家具・家電の購入費用)にかかった費用は76.5万円(リクルートブライダル総研 新生活準備調査2015)で、結婚費用と新生活準備費用を合わせると、429.2万円になります。

結婚費用や新生活準備のための費用は、主に両親からの援助、親戚や友人からのご祝儀、新郎・新婦の自己資金によってまかなわれます。ここでよく問題となるのは、新郎側と新婦側で、その費用をどのように分担するかです。

分担方法は3通り、メリットとデメリット

結婚資金や新生活準備費用の分担方法は、大きく3つの方法が考えられます。それぞれ、メリットとデメリットを考えてみたいと思います。

■新郎・新婦で決まった割合で分担する
一番、オーソドックスな分担方法は、新郎・新婦で決まった割合で分担する方法です。新郎6:新婦4とか、新郎5:新婦5で折半するなどです。負担割合は、ふたりの年収や、貯金残高などを考慮し、話し合いで決めるのが通常です。

●メリット
「ふたりの結婚式だから、ふたりで負担するんだ」という気持ちにお互いがなります。また、年収や貯金額も考慮することができるので、現実的で、ふたりが納得しやすい分担方法です。また、最後に精算をするように決めておけば、支払いの度にふたりの間でトラブルが起こりにくいでしょう。

●デメリット
一般的に衣装代など、新婦側の方がお金はかかることが多く、新郎側の負担割合が多かったり、新郎新婦で折半したりした場合、新郎側の不満が募る場合があります。また、最後に精算するのではなく、支払の都度、負担割合に応じて、お金を出し合う場合、特に相手側の希望に沿うための支出だと、ふたりの間でトラブルが起こりやすくなります。

■費目別に分担する
挙式費用と披露宴の費用は新郎側が持つので、他は、新婦側が持つというような決め方をする場合と、挙式費用などのふたりの共通費用は、ふたりで折半し、披露宴費用は招待客数で決める、衣装代など個人に関する支出は、各個人が支出するといった取り決めをします。

●メリット
自分のこだわりやお金のかけたい部分は、相手に干渉されずに済むので、お金の面でトラブルになりにくいです。また、お互いに忙しくて、なかなか相談する時間が取れないというふたりの場合は、費目の分担を決めた後は、各自が自分の空いている時間を使って、効率的に準備を薄めることができます。

●デメリット

反面、「なんで、そんなことにお金をかけるの?」といったことが発端になって、「私がお金を出すのだから文句は言わないで」というように、価値観の違いから大きな言い争いに発展する可能性もあります。

■全額新郎側が負担する
地域の慣習によっては、結婚費用は新郎側が出すというところもあるでしょう。この場合は、一般的には新郎側の両親が負担することが多いです。あるいは、結婚式は挙げないとふたりで決めていても、新婦側のご両親から、花嫁姿を見たいので、式は挙げて欲しいという話になり、新婦側が挙式費用を負担することもあるでしょう。また、新郎側にある程度収入や貯金があって、結婚後に、新婦側が会社を辞めて専業主婦になるという場合は、新郎が、「僕が結婚費用の全部を出すよ」という話になる場合もあるでしょう。

●メリット
新郎側でも新婦側でも、両親が全額負担する場合、新郎新婦にとって金銭面の負担がないことが最大のメリットです。新郎が「自分で全部出すよ」と言ってくれた場合、新婦は、「甲斐性のある人と結婚できて良かった」と気持ちの面で満足できるかもしれません(結婚したら家計は一緒になるので、金銭的なメリットはこの場合、ありません)。

●デメリット
両親が全額負担した場合、お金を出した両親によっては、結婚式の内容にいろいろ口を出してくる可能性があります。また、負担をしてもらった側の新郎新婦もその両親も、もしかしたら全額出してもらったことに対する負い目を感じながら、親戚づきあいをすることになるかもしれません。新郎が全額出すよと言った場合、新婦は、ありがたいなと感じながらも、自分の希望を「新郎が出してくれたんだから」と言って、遠慮してしまうことになるかもしれません。

両親からの援助資金、ご祝儀は、新郎新婦でどう分ける?

■両親からの援助、ご祝儀費用はどのように扱うか?
結婚費用の総額352.7万円に対し、親戚・知人からのご祝儀を差し引いた、新郎新婦が負担した自己資金額は142.7万円(ゼクシィ 結婚トレンド調査2015調べ)とのことです。結婚費用の分担で、両親からの援助資金や親戚・知人からのご祝儀は、どのように扱えば、お互いに納得するのでしょうか?

■自分の関係する人からもらった分は、自分のものとする
自分の両親からの援助資金、親戚や職場の人など、自分に関係のある人からのご祝儀は、自分のものとして分ける方法です。結婚式の受付で、新郎側、新婦側に分かれて受付をするので、基本的にそれに従って、新郎新婦で分ける方法です。結婚式費用を費目別に分担した場合や、披露宴の招待客数で負担割を決めた場合は、納得感があります。

■負担した割合で分配する
両親からの援助資金もご祝儀も、どちらから貰ったということは関係なく、最初に決めた、結婚式費用の負担割合に従って、分配する方法です。当初からの負担割合に沿って、分配しているので納得感があります。

■全額、ふたりのこれからの生活資金に充当する
結婚費用の負担とは切り離して、両親からの援助資金とご祝儀費用は、ふたりの新生活準備のための資金として、ふたりのものとする方法です。両親からの援助資金は、結婚費用に充てて、ご祝儀の分だけ、ふたりの生活資金とする場合も含みます。これからふたりの生活が始まるという気持ちにお互いがなれます。

>>結婚費用の分担、ふたりで納得できる方法は?

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