HD事業でIPを確立し、オンラインゲームで稼ぐ
ファイナルファンタジーXV、ドラゴンクエストXIといった大型タイトルによって、ブランド価値を高めていきます(イラスト 橋本モチチ)
スクウェア・エニックスでは、実はそうは考えていないんですね。1つには、スマートデバイス・PCブラウザゲーム事業に抜かれたとはいえ、以前としてHD事業の売り上げが大きいことには変わりありません。そしてもう1つ、こちらの方がより重要かもしれませんが、事業分野で区別していくと、大きな変化が見られるんですが、タイトル別で考えると、結局のところドラゴンクエストシリーズとファイナルファンタジーシリーズで稼いでいる、ということは昔からずっと変わっていないんですね。
そして、このドラゴンクエストシリーズとファイナルファンタジーシリーズのブランド価値を大きく高めているのは、やっぱりHD事業のコンシューマー向けの本編最新作ということになるでしょう。スクウェア・エニックスは決算説明でも、ブランドの価値を高めていくために、今後もHD事業でビッグタイトルを発売していく、としています。
事実、2016年9月30日には、ファイナルファンタジーシリーズ本編最新作となる「ファイナルファンタジーXV」が発売予定ですし、ドラゴンクエストシリーズ本編最新作となる「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」はドラゴンクエスト30周年となる2016年5月27日から1年以内に発売したい、ということが発表されています。
ゲーム業界が大きく変化していく中で、既存のメーカーもその変化への対応が求められています。そんな中で、スクウェア・エニックスは、オンラインゲームで安定的な収益を確保しながら、HD事業への大胆な投資をすることで、タイトルのブランド価値を高めていく、というスタイルを確立しつつあります。そして、このスタイルを中長期的に続けていくためには、売上的な意味以上に、フラグシップとなるファイナルファンタジーXVやドラゴンクエスト11の質が重要になりそうです。
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