住宅の仕様に関するここ20年ほどの変化で、大きなものの一つが「ペット可マンション」の普及ではないでしょうか。
2008年4月に不動産経済研究所が発表したデータによれば、首都圏におけるペット可マンションの普及率が2007年は86.2%に達したようです。1都3県のすべてで80%を超え、とくに千葉県は93.2%となっていました。
ペットは大切な家族の一員だが、犬や猫が苦手だという人もいる
1998年にはようやく1%を超える程度の普及率だったため、かなりの勢いで増加していることが分かるでしょう。
ただし、「ペット可」と「ペット飼育に適しているかどうか」は別の話です。「ペット可」といってもその中身はさまざまであり、飼育が認められるペットの種類や大きさなどの制限のほか、共用部分でのルールなどにも十分に注意しなければなりません。
足洗い場やグルーミング室、汚物処理設備、サイン付エレベーターなど付加価値設備の有無も、マンションによってかなり違いがあるでしょう。
いずれにしても、ペット好きの人にとっては喜ばしい傾向でしょうが、「犬や猫が苦手、嫌い」という人には受難の時代かもしれません。ペットが苦手なら「古いマンションを選ぶ」という選択肢はあるものの、選択の余地は年々どんどんと狭まっていきそうです。
かつては「ペットを飼うなら一戸建て住宅」といわれていましたが、これからは「ペットが苦手なら一戸建て住宅」を選ぶことが一般的な考え方になるかもしれません。
>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX
(この記事は2007年9月公開の「不動産百考 vol.15」をもとに再構成したものです)
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