現在はだいぶ一般的な存在になってきた「ペット可マンション」ですが、以前はそれほど多くありませんでした。これが普及し始めたのは、1997年に国土交通省が「中高層共同住宅標準管理規約」を改正し、ペット飼育に関することが「管理規約に定めるべき事項」として位置づけられてからのことです。

民間の調査による首都圏の新築マンションの場合では、1997年以前に全体の1%にも満たない水準だった「ペット可マンション」が、2004年頃には50%を超え、2008年頃には9割以上を占めるようになったようです。その急速な普及には、ある意味でびっくりさせられるでしょう。

子猫と子犬

「ペット可マンション」は2000年代に急速に普及した

それ以前にもペット飼育が可能なマンションはいくつか見受けられましたが、管理規約による定めが曖昧なケースも多く、何かと住民同士のトラブルも起こりがちでした。

管理規約でペットを認めていても、古い住民(管理規約を改定した時点の住民)はOK、新しい住民(中古マンションとして新たに購入した住民)はダメ、などという例すらあったのです。

それを新築分譲当初から明確にすることで、今のペット可マンションは「安心してペットを飼えるマンション」になったともいえるでしょう。もちろん、管理規約で認められた範囲内のペットに限られますが……。

ペット可マンションがここまで普及してくると、「マンションではペットを飼えることが当たり前」といった印象すら受けるでしょうが、気をつけたいのは中古マンションを探すときです。

築浅の中古マンションならともかく、1997年以前に建てられたマンションではペット可の割合が皆無に近いわけですから、探せばあるはずだと思って探し続けてもアテ外れに終わるケースが多いのではないでしょうか。

なかには分譲後の管理規約改定で「ペット可」に変更された中古マンションもいくつかあるはずですが、一般的には新築マンションの場合と逆で「(築浅以外の)中古マンションはペットを飼えないのが当たり前」なのです。

ましてや、ペット用の共用設備などを備えた中古マンションは極めて少数でしかありません。

あと何年かすれば、中古マンションでもペット可の割合が高まってくるはずですが、まだしばらくは「ペットを飼うなら新築もしくは築浅のマンション」を探すことになりそうです。

もちろん、「ペットを飼うなら一戸建て住宅」の選択肢はありますが……。


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(この記事は2008年4月公開の「不動産百考 vol.22」をもとに再構成したものです)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。