小学校/PTA

悩ましいPTA問題から考える! 嫌われない改善提案テクニック

役員決めの際、壮絶なバトルもあるというPTA。昨今のようにPTA役員が敬遠される事は、ひと昔前には見られませんでした。今のPTA問題、どのように改善していけばよいのか、考えてみましょう。無理なく参加できる形を学校や社会全体で考えていくべきですね。

田宮 由美

執筆者:田宮 由美

子育てガイド

PTA問題とは……小学生の親が避けて通れない問題

PTA問題とは

PTAは、子供の教育効果を高める為に親と先生で構成された自主的な運営組織。今、時代の流れと共に、様々な問題が生じてきています。

子供が小学校に入学すると同時に、親が避けて通れない問題の一つに「PTA」があります。毎年、新学年が始まると、PTAの役員決めが、ママ達の心をモヤモヤさせるのでないでしょうか?

役員決めの壮絶なバトルやさまざまなドラマを聴くだけで、PTA役員がより憂鬱になってくるママは多いと思います。ひと昔前までは、今のようにPTAが敬遠される事はなかったはずです。いったいどこに問題があり、どのように改善していけばよいのか、考えてみましょう。
 

【PTAの問題点】時代にそぐわない

そもそもPTAの前身が出来たのは明治時代、その後1952年「日本父母と先生の会全国団体結成大会」が開かれ、今のPTAの基ができました。大きく変化している社会情勢についていってない活動方法等がある為、今のママにとっては更に負担が増大、敬遠されるのではないでしょうか。

■敬遠される理由1、平日の昼間の集まり、会議が多い
今の時代、ほとんどのママが何らかの形で仕事に就いています。昼間の集まりは、仕事を持っているママにとっては、本当に参加しづらいですね。休みをとればいいと言うものの、授業参観や個人懇談、又は急な病気等で休まざるを得ない時があります。その時の為に休みは取っておきたい、という気持ちは当然あると思います。

■敬遠される理由2、メールやメーリングリストを使わない
メーリングリストで意見を求めれば済むことをわざわざ集まって話し合ったり、未だに電話連絡のところもあります。

■敬遠される理由3、非効率な進行、作業が多い
各自、自宅で出来るような作業を学校に集合して行ったり、会議の進行や段取りの手際が悪く、時間や作業に無駄が多い。
 

【PTAの改善案】活動の明確な目標設定をする

次にそれらの改善案を考えていきましょう。

■改善案1、例年通りになってないか、見直す
毎年、「この活動は、必要かどうか」見直しを図りましょう。前年度の評判はどうだったか等を検討し、不必要と感じたものは、辞めましょう。

会議や作業の日時も、「今年の役員にあった」時間帯を設定するように、話し合うとよいでしょう。また連絡方法や意見を求める際、皆にとって、より便利で労力が軽減される方法があれば、取り入れましょう。

■改善案2、初めに年間計画や予定を立てる
ひとつの議題で何度も集まったり、会議の進行もダラダラし結局何も決まらなかった、というような事がないように、その日の議題や決定することを初めに明確にしておきましょう。

いつまでに何をするか、この会議で何を決定するか、次回の会議までに各自何を考え、どのような情報を収集してくるか等、しっかり決めて、シェアしあいましょう。
 

嫌われずに、改善案をうまく提案するには?

便利なツール、作業を捗らせる事等は、皆の為にも提案しましょう。その際、事前に仲の良いママ友役員にも少し賛同を得ておくといいですね

便利なツール、作業を捗らせる事等は、皆の為にも提案しましょう。その際、事前に仲の良いママ友役員にも少し賛同を得ておくといいですね

改善案を提案し、問題なく取り入れられれば良いのですが、それが難しい場合もあるでしょう。

■提案方法1、仲の良いママ友役員に賛同を得ておく
事前に仲の良いママ友役員に少し話し、賛同を集めておくといいですね。自分一人でなく、他にも多くの人が望んでいると、説得力がありますし、他の役員にも意見を後押ししてもらうと、言いやすいですね。

■提案方法2、自分が上の役を引き受ける
自分が、「長」であれば、提案を出すと、非常に通りやすく実行しやすいです。この際、自ら「長」に立候補するのもありかもしれません。

■提案方法3、任期最後に申し送りをする
自分が役員を引き受けた最後の時に提案する方法もあります。1年間PTA役員を経験して、問題点や改善案を具体的にあげ、次年度の役員さんが、もっと快適にできるように、申し送りしておきましょう。但しこの方法は、自分の役員期間には反映されませんが、もし弟や妹がおり、再度引受け受けなければならない時には助かるでしょう。 
 

「任意加入でありながら、当然加入」となっている問題点と改善策

入学と同時に「当然加入」の空気になっている問題
PTAとは、「Parent  Teacher  Association」の略称で、子供の教育効果を高める為に、親と先生で構成された自主的な運営組織を指し、加入は本来任意になっています。

ですので「加入しない」という選択もあるはずなのですが、子供の入学と同時に、「当然加入する」という空気になっているのが現状です。もし入会を断る決意をしても、「我が子が、学校生活で不利益を被ったり、いじめられたりしないか」との懸念から、言い出せないのではないでしょうか。

学校側と協力し、賛同を得てからの入会に改善
もともとPTA活動は、「学校全員の生徒の為に」行われるものです。親がPTA未加入だからと言って、その子供が排除される事はあってはならないのです。ですが現実問題として、加入しない親が増えていくと、PTAに加入している親の負担が益々増え、更にPTAが敬遠され、成り立たなくなってしまう懸念もあります。

この問題は学校側と一緒になって、活動の主旨や目的、活動実績などを保護者に対し充分説明し、理解を得て、加入に繋げるように、入学式などで時間を取ってもらうなどするとよいでしょう。
 

「PTA」は社会全体で見直し取り組む問題

PTA役員は自ら進み出て、引き受けてくれる親が、出来る範囲で運営、進行していくのが理想であって、本来の姿であったと思います。ですが時代の流れと共に、それが困難になってきた昨今、問題点を見直し、改善していく必要があります。

改善していくには、更なるエネルギ―を要します。中には、とにかくPTA役員の期間をできるだけストレスなく過ごしたい、と考えるママもおられると思います。自分の気持ちを少し変えるだけでPTA役員をポジティブに捉えられる方法かもしれませんね。

いずれにせよ、PTAは「子供の為に行う活動」であるという本来の目的を見失わず、親にとっても無理なく参加できる形を学校や社会全体で考えていかなければならないでしょう。

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