仕事量が多い、人間関係がストレス、やらされ感がイヤ……など、ネガティブな面が注目されがちなPTA。そんな中、当事者意識をもち、自分たちでそのあり方を模索し「参加しやすい組織」に変えていこうとする動きも見られます。PTAの「今」を紹介します!
   

ブラック組織?! PTA不要論を経て、始まる「PTA改革」

そもそもPTAは、子どもたちを真ん中に学校と家庭が協力しあって様々な活動を行う大切な組織。しかしフタをあけてみると、形式的、儀礼的な活動が多く“なくてもいい”活動なのに「これまでずっと行ってきたから」という理由だけで続いているものもあります。
課題の克服に向け、新たなスタートを切るPTAも

課題の克服に向け、新たなスタートを切るPTAも

また、共働きが増え続けているにもかかわらず、活動日が「平日の昼間」というケースが少なくないなど、時代錯誤感も否めません。

そんな中でも、毎年新年度には委員選出会、秋には次年度の役員選出会と、半ば強制的に行われてきました。このような前例踏襲感、時代錯誤感、やらされ感から「PTA不要論」が飛び出したのが、2016年頃。

同時期に法的な視点から「PTAは任意団体=加入したい人は加入して活動する、加入したくない人は加入しなくても良い団体」であることが、広く知れ渡るようになりました。

PTAに加入しなくても良い、という選択肢があることが認知され始めると、非加入の保護者の子どもには、卒業式の紅白まんじゅうが配られないという「まんじゅうプロブレム」が勃発。世間の注目を集めました。

“杭”が出るたびに、打たれ続けるPTA。
このままだと、PTAは、過去から現在、未来にわたってもずっと、保護者の「悩みの種」となってしまいます。
 

PTAは、保護者と先生による「学校応援団」

そんな中、時代に合わせて、PTAを変えていこう!と、近年現状に問題意識をもち、学校を巻き込んで負担軽減に取り組む、新たに運営手引きを作り直すなど、改革に乗り出すPTAが、地域を問わずに出てきました。以下、その事例を一部、紹介します。
エントリー方式で活動を募るPTAも

エントリー方式で活動を募るPTAも

  • ケース1:委員会制からボランティア制へ(東京都大田区・区立小学校)
保護者にアンケートをとって現状を把握。組織の簡素化を目的に「PTA」から「PTO」(正式名称「保護者と先生による学校応援団」Parent=親、Teacher=先生、Organizatin=組織)と名称を変え、これまでの委員会制からボランティア制へ。従来のPTA本部に変わる「ボランティアセンター」が中心となり、活動ごとに、チラシやメールマガジンで参加者を募る形に。
 
  • ケース2:PTAの手引き改訂、定期総会を書面総会に(東京都八王子市・市立小学校)
「PTAはどんな活動をしているのかわからない」という状況をなくすべく、PTAの手引きを改訂。活動内容を具体的に分かりやすく“見える化”し、全家庭に配布。4月の保護者会前の全体会で、PTA活動のプロモーションビデオを上映。執行部は、情報共有にグループウエアを使う、
会議の回数や時間の縮小などで効率化。定期総会の案内状の返信を、書面で意思が表明できる形式にし、書面総会に。
 
  • ケース3:校長とPTA会長が手を組み、学校との対話の場作り(兵庫県神戸市・市立中学校)
「学校改革には保護者の協力が不可欠」と考える校長と、「形式的で嫌なもの」と捉えられているPTAの現状に危機感を感じていたPTA会長が手を組み、必要がないと思われる活動を廃止。校区内パトロールなどの活動は、保護者が自分の都合に合わせて参加する「エントリー方式」に。本部役員による月1の運営委員会をクラス委員にも解放し、校長、教頭も出席。学校へ自由にモノが言えるようにし、対話の場を設けた。
 

地域全体で変えようという動き!PTA連合会総会を「対話の場」に

対話を重ねよう

「地域全体」でPTAを変えようという動きも見られます。

  • ケース4:形式的スタイルのPTA連合会総会を“対話の場”へ(東京都・小金井市)
「来賓の挨拶、形ばかりの議決をとり終了」というスタイルが慣例化している市区町村のPTA連合会総会。「運営すること」ばかりに目がいき子どもを取り巻く課題に目を向けていない現状を打破するべく、小金井市の教育長と、小学校PTA連合会長が中心となり、PTA連合会総会の形式を改革通常の総会のあと、参加者がグループに分かれ、「子どもの自己肯定感」について意見交換を行った。この取り組みは参加者からも好評で、PTAや地域との向き合い方についての意識改革に一役かった。
 
  • ケース5:“参加しやすい”PTAコミュニティーを診断を実施(埼玉県・越谷市)
越谷市PTA連合会では、コミュニティのあり方を模索するNPO法人とコラボし、加盟する小中学校44校のPTA役員に向け、コミュニティの状態を図る「コミュニティキャピタル診断」をアンケート形式で実施。「貢献意欲」「自己有用感」「居心地のよさ」をポイント化し、その結果から「自分志向の目的意識をもつことが大切」「よい状態のPTAを作るカギは、PTA経験者と男性保護者」などのキーワードが出てきた。これらをヒントに、参加しやすいPTAの作り方を考えていく。
 

PTAを「自分ごと」として捉えよう!

私は、息子が小学校3年生の時、息子が通う小学校でPTA執行部・広報委員長をつとめました。
理不尽に思うことはもちろんありましたが、1年の活動期間は「学び」が多く、「PTA、大変だったけど、やって良かった」というのが正直な感想です。

この経験から、他の学校や他の地区はどのようにPTAを行っているのか知りたくなり、PTAをテーマとしたイベントに参加して講演を聞いたり、参加者と意見交換したり、PTAの事例発表会に足を運んだりしてきました。

そんな中、PTAは、そのあり方や活動の仕方、保護者の関わり方など「転換期」にきていることを実感しています。

もちろん、今回紹介したような、前向きな改革を行うPTAや地域があるいっぽうで、未だ旧態然とした組織のまま、右往左往しているPTAも存在します。

これからのPTAを作っていくのは、私たち保護者です。ますはPTAを「自分ごと」としてとらえ、自分の子どもが通う学校のPTAが、「どのような組織でどのような活動を行っているのか」を確認しましょう。

そして、加入、非加入についてはもちろん、保護者が気持ちよく参加できる組織としてのあり方や活動内容について、主体的に考えていきたいものです。

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