福利厚生費用の平均額や給与に対する割合は? 福利厚生の充実度も大切

福利厚生費用の平均額や給与に対する割合調査

会社から支給されるのは給料だけではありません。福利厚生費用の平均額や給与に対する割合調査をチェック! 会社によっては、色々な手当が支給され、給与が少なくても充実した生活がのぞめることもあります

就職や転職活動をしていると給料が気になるところですが、他にも気にかけておきたのが福利厚生。お給料が安くても福利厚生が充実していれば、実質は豊かな生活がおくれることもあります。見逃せない福利厚生事情をご紹介します。

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1人1カ月当たり福利厚生費 平均10万8355円

従業員1人1月当たりの現金給与額と福利厚生費平均(単位:円) 1人当たりの福利厚生費平均は10万円を超えているが、8割近くは法定福利費 (出典:日本経済団体連合会「2017年度 福利厚生費調査結果報告」2018年11月発表)

従業員1人1カ月当たりの現金給与額と福利厚生費(単位:円) 1人当たりの福利厚生費は10万円を超えているが、8割近くは法定福利費 (出典:日本経済団体連合会「2017年度 福利厚生費調査結果報告」2018年11月発表)

上の表は、1人1カ月当たりの現金給与額と福利厚生費です。福利厚生費の平均は10万8335円、前年比3.1%の減少。この調査対象は、経団連の加盟企業を中心とし、1社当たりの平均従業員数は4661人、平均年齢は 42.0歳とのこと。

現金給与総額は、1人1カ月当たり55万8532円。給与に対する福利厚生費の割合は19%を超えており、かなりの負担となっています。
 

「法定」福利費:平均8万4884円、減少傾向だが割合は福利費全体の8割近く

福利厚生費は、法定福利費と法定外福利費にわけられます。法定福利費とは、厚生年金や健康保険(介護保険)、労災保険などの企業負担分。給与額に一定の割合をかけることで自動的に金額が決まるものです。この割合も国に決められており、この負担率ですが、ここ数年は上昇が抑えられているものの、負担の割合は大きなものとなっています。

例えば、雇用保険・労災保険が前年比12.7%減と大きく減らしています。これは、2017年度の雇用保険の保険料率が下がったため。2015年度の事業主負担は0.85%だったのが2016年度は0.7%、2017年度はさらに0.6%と負担は減っています。

この法定福利費が福利費の中でも大きな割合を占めています。福利厚生費全体の平均10万8335円に対して、法定福利費は8万4884円。なんと、8割近くが法定福利費ということになります。
 

「法定外」福利費:平均2万3452円 前年比7.0%減、住宅関連割合が多い

従業員1人1月当たりの法定外福利費平均とその内訳(単位:円) 法定福利費と比べ、減少傾向の法定外福利費。中でも住宅関連手当が半分近くを占めている (出典:日本経済団体連合会「2017年度 福利厚生費調査結果報告」)

従業員1人1月当たりの法定外福利費平均とその内訳(単位:円) 法定福利費と同様、減少傾向の法定外福利費。中でも住宅関連手当が半分近くを占めている (出典:日本経済団体連合会「2017年度 福利厚生費調査結果報告」)

上の表は、従業員1人1月当たりの法定外福利費の内訳です。法定外福利費全体は2万3452円と法定福利費よりはかなり少額になっています。法定外福利は、会社独自の福利厚生。この法定外福利費の差が、福利厚生サービスの違いになります。

法定外福利費の中で、一番多いのが住宅関連。住宅手当や持ち家援助などで1人当たり平均1万1436円。全体の半分近くを占めていますが、年々減少傾向になっています。

次に多いのが、ライフサポート。給食や保険、財産形成、介護、育児、ファミリーサポートなどで、前年より減り5606円となっています。上の表には記載できませんでしたが、このライフサポートの中でも「育児関連」が前年比11.1%増。育児関連のサポートは増加傾向です。
 
このように、会社独自の福利厚生が各々用意されていますが、会社によってどれくらい違いがあるのでしょうか? 
 

家族手当:平均1万604円で生活関連手当ではトップ

福利厚生費用の平均額や内訳は?産業別の所定内賃金とそのうちの生活関連手当(1か月当たり、単位:円)。 厚生労働省「平成30年賃金事情等総合調査」調査結果より、筆者が編集加工したもの。各手当も業種によって支給内容の差が大きい 

産業別の所定内賃金とそのうちの生活関連手当(1カ月当たり、単位:円)。 厚生労働省「平成30年賃金事情等総合調査」調査結果より、筆者が編集加工したもの。各手当も業種によって支給内容の差が大きい 


上の表は、厚生労働省「平成30年賃金事情等総合調査」の結果より、実際に支給されている賃金とその中の生活関連手当を業種別に集計したものです。上の法定外福利費は、直接支給する手当だけではなく、サービスやサポート費用も含めたものでした。こちらの集計は、実際に直接支払われる手当が対象になっています。

全産業の平均では、生活関連手当が2万842円で、内訳としては家族手当1万604円、通勤手当3656円、住宅手当2194円、その他4388円。家族手当の支給が半分以上を占めています。
 

手当、業種によって14倍の差!

業種別に手当をみると、生活関連手当が一番高額だったのが貨物運送で4万7617円。続いて、鉱業4万3669円。4万円を超えているのはこの2業種のみとなりました。

貨物運送、鉱業の共通点は、その他手当が高額なところ。どちらも地域手当が多く支給されています。

一番低額だったのが製鉄・鉄鋼で3314円。貨物運送とは14倍もの格差になっています。造船も3436円と2業種が3000円台と生活関連手当はかなり少ない支給となっています。
 

家族手当:電力3万、貨物運送2万円台で断トツ

家族手当をみると、一番高額だったのが電力で3万688円。続いて貨物運送が2万8627円となっています。2万円を超えているのはこの2業種のみ。多くは5000円から1万円までの間となっていますが、造船や商事は1000円も満たない金額。かなりの差がでています。
 

住宅手当ゼロは造船、商事

住宅手当をみると、トップは石油で1万3200円。続いてゴム1万987円。1万円を超えているのはこの2業種でした。

反対に住宅手当がゼロのところもあります。造船、商事の2業種で、毎月1万円の差となると、年に12万円、10年でも120万円と大きな差になります。
 

商事は手当より給与重視で支給55万円

商事の手当がかなり少ない結果となりましたが、所定内賃金は55万6955円とトップになっています。手当よりも給与重視というところですね。
 

生活関連手当の割合が多いのは貨物輸送16.8%

所定内賃金のうち生活関連手当の割合が多かった業種は、貨物輸送16.8%、鉱業 11.5%、石油10.4%、パルプ・製紙10.3%。これらの業種は、決められて支給される賃金のうち1割程度は生活関連手当ということですね。


福利厚生を含めてこれらの手当は、給料以上に差がひろがっています。給料だけではなく、福利厚生にも注目したいものです。

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