給与が安くても福利厚生が充実していれば生活がラクに

会社から支給されるのは給料だけではありません。会社によっては、色々な手当が支給され、給与が少なくても充実した生活がのぞめることもありますよ

会社から支給されるのは給料だけではありません。会社によっては、色々な手当が支給され、給与が少なくても充実した生活がのぞめることもありますよ


就職や転職活動をしていると給料が気になるところですが、他にも気にかけておきたのが福利厚生。お給料が安くても福利厚生が充実していれば、実質は豊かな生活がおくれることもあります。見逃せない福利厚生事情をご紹介します。

1人1か月あたり福利厚生費 11万1844円

従業員1人1月当たりの現金給与額と福利厚生費(単位:円)  1人当たりの福利厚生費は11万円を超えているが、8割近くは法定福利費  (出典:日本経済団体連合会「2016年度 福利厚生費調査結果報告」2017年11月発表)

従業員1人1月当たりの現金給与額と福利厚生費(単位:円) 1人当たりの福利厚生費は11万円を超えているが、8割近くは法定福利費 (出典:日本経済団体連合会「2016年度 福利厚生費調査結果報告」2017年11月発表)

上の表は、1人1か月当たりの現金給与額と福利厚生費です。福利厚生費の平均は11万1844円、前年比1.1%の増加。この調査対象は、経団連の加盟企業を中心とし、1社あたりの平均従業員数は4284 人、平均年齢は 41.8歳とのこと。

現金給与総額は、1人1月当たり56万5932 円。給与に対する福利厚生費の割合は19%を超えており、この比率は年々上昇傾向にあります。

「法定」福利費が上昇 全体の8割近くも

福利厚生費には、法定福利費と法定外福利費にわけられます。法定福利費とは、厚生年金や健康保険(介護保険)、労災保険などの企業負担分。給与額に一定の割合をかけることで自動的に金額が決まるものです。この割合も国に決められており、この負担率が年々重くなっているのが現状です。

ただ、雇用保険・労災保険が前年比12.8%減と大きく減らしています。これは、2016年度の雇用保険の保険料率が下がったため。2015年度は事業主負担は0.85%だったのが2016年度は0.7%と減りました。2017年度はさらに0.6%となっており、更に減りそうです。とはいっても、他の健康保険や厚生年金保険などの負担は増えているので、法定福利費全体では増加の傾向です。

この法定福利費が福利費の中でも大きな割合を占めています。福利厚生費全体の平均11万1844円に対して、法定福利費は8万6622円。なんと、8割近くが法定福利費ということになります。

「法定外」福利費 2万5222円、前年比0.9%減

従業員1人1月当たりの法定外福利費平均とその内訳(単位:円)  法定福利費と比べ、減少傾向の法定外福利費。中でも住宅関連手当が半分近くを占めている  (出典:日本経済団体連合会「2016年度 福利厚生費調査結果報告」)

従業員1人1月当たりの法定外福利費平均とその内訳(単位:円) 法定福利費と比べ、減少傾向の法定外福利費。中でも住宅関連手当が半分近くを占めている (出典:日本経済団体連合会「2016年度 福利厚生費調査結果報告」)


上の表は、従業員1人1月当たりの法定外福利費の内訳です。法定外福利費全体は2万5222円と法定福利費よりはかなり少額になっています。法定外福利は、会社独自の福利厚生。この法定外福利費の差が、福利厚生サービスの違いになります。

法定外福利費の中で、一番多いのが住宅関連。住宅手当や持ち家援助などで一人あたり平均1万2351円。全体の半分近くを占めていますが、前年からは減少傾向になっています。

次に多いのが、ライフサポート。給食や保険、財産形成、介護、育児、ファミリーサポートなどで、前年より減り5964円となっています。前年より大きく伸ばしているのが医療・健康で7.5%増。医療・保健衛生施設運営などが増えています。
このように、会社独自の福利厚生が各々用意されていますが、会社によってどれくらい違いがあるのでしょうか?

家族手当 1万252円で生活関連手当ではトップ

産業別の所定内賃金とそのうちの生活関連手当(1か月当たり、単位:円)。 厚生労働省「平成28年賃金事情等総合調査」調査結果より、筆者が編集加工したもの。各手当も業種によって支給内容の差が大きい ※クリックで拡大表示

産業別の所定内賃金とそのうちの生活関連手当(1か月当たり、単位:円)。 厚生労働省「平成28年賃金事情等総合調査」調査結果より、筆者が編集加工したもの。各手当も業種によって支給内容の差が大きい ※クリックで拡大表示


上の表は、厚生労働省「平成28年賃金事情等総合調査」の結果より、実際に支給されている賃金とその中の生活関連手当を業種別に集計したものです。前ページの法定外福利費は、直接支給する手当だけではなく、サービスやサポート費用も含めたものでした。こちらの集計は、実際に直接支払われる手当が対象になっています。

全産業の平均では、生活関連手当が1万9772円で、内訳としては家族手当1万252円、通勤手当3661円、住宅手当3295円、その他2929円。家族手当の支給が半分近くを占めています。

手当、業種によって26倍の差!

業種別に手当をみると、生活関連手当が一番高額だったのが鉱業で6万1820円。続いて、海運・倉庫4万7689円、ホテル・旅行4万6281円、新聞・放送4万3293円となっています。

鉱業の6万円超えが際立っていますが、その他手当が3万円を超えているのが原因のようです。地域手当が1万8707円となっており、勤務地によって支給される手当が多いようです。

一番低額だったのが造船で2364円。鉱業とは26倍もの格差になっています。製鉄・鉄鋼も4069円、電気機器 4456円と、3業種が5000円以下と生活関連手当はかなり少ない支給となっています。

家族手当、電力3万、新聞放送2万円台で断トツ

家族手当をみると、一番高額だったのが電力で3万2189円。続いて新聞・放送が2万3901円となっています。2万円を超えているのはこの2業種のみ。多くは5000円から1万円までの間となっていますが、飲食・娯楽はなし、造船や商事は1000円も満たない金額。かなりの差がでています。

住宅手当ゼロはガス、印刷、造船、商事

住宅手当をみると、トップは石油で1万5472円。続いて情報サービス1万960円、ホテル・旅行1万40円。1万円を超えているのはこの3業種でした。

反対に住宅手当がゼロのところもあります。ガス、印刷、造船、商事の4業種。毎月1万円の差となると、年に12万円、10年でも120万円と大きな差になります。


商事は給与重視で支給56万円

商事の手当がかなり少ない結果となりましたが、所定内賃金は56万8924円とトップになっています。手当よりも給与重視というところですね。

所定内賃金のうち生活関連手当の割合が多かった業種は、ホテル・旅行18.9%、鉱業 15.7%、パルプ・製紙13.4%、海運・倉庫10.7%。これらの業種は、決められて支給される賃金のうち1割程度は生活関連手当ということですね。福利厚生を含めてこれらの手当は、給料以上に差がひろがっています。給料だけではなく、福利厚生にも注目したいものです。

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