失業保険をもらう手続きにもコツがあった!

退職後の生活資金は失業保険でと考えている人は多い。きちんと受給するためには退職前から失業保険の手続きを考えておくのがベスト

退職後の生活資金は失業保険でと考えている人は多い。きちんと受給するためには退職前から失業保険の手続きを考えておくのがベスト

退職後の生活資金に必要不可欠なのが失業保険。正確には雇用保険の基本手当と呼ばれるものですが、この手当があると安心して就職活動ができるというものです。

とはいっても、いつまでも失業保険が受給できるわけではありません。退職理由や加入期間、年齢によって受給できる日数が変わってきます。この受給日数が決まるポイントは、退職前の手続きにありました。これらのポイントと雇用保険の手続きをご紹介します。

失業保険の受給資格、ポイントは2つ

雇用保険の手続きを考える前に、雇用保険の失業給付について簡単におさらいしておきましょう。まず、失業給付が受け取れるのは、次の2つの条件が揃った場合です。雇用保険の被保険者が離職をして失業状態にあり、

●いつでも仕事ができる状態なのに失業状態にある
●離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上あること
(ただし、倒産解雇など の事情で離職した人は、離職の日以前1年間に6カ月以上で可)

という場合に基本手当を受給することができます。

もらえる金額は「基本手当日額」と「給付日数」から計算

実際に支給される額は、「基本手当日額」×「給付日数」分です。

この「基本手当日額」は、退職前のお給料から計算されます。 その方法は、退職日の直前の6カ月に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額を「賃金日額」とします(この賃金にはボーナスは含まれません)。

この「賃金日額」のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)が基本手当日額となります。また、基本手当日額は年齢区分ごとにその上限額が決められています。30歳未満で6395円、30歳以上45歳未満7105円、45歳以上60歳未満7810円、60歳以上65歳未満6714円です (平成27年8月1日現在)

給付日数は退職理由や年齢などで決まる

雇用保険の失業給付(基本手当)の給付日数表。90日から360日まで条件によって支給日数が変わる。特に退職理由の違いが大きい

雇用保険の失業給付(基本手当)の給付日数表。90日から360日まで条件によって支給日数が変わる。特に退職理由の違いが大きい

次に、「給付日数」をみてみましょう。90日から360日までとなっており、年齢や被保険者であった期間で給付日数が決まっています。ただし、自己都合などで被保険者期間1年未満で退職した人は給付されません。

倒産・解雇などにより退職を余儀なくされた「特定受給資格者」は、給付日数が優遇されているのがわかります。

この特定受給者の範囲はいくつかあります。例えば、倒産や事業所の廃止、事業所の移転により通勤が困難、解雇(重大な自己の過失による解雇は除く)、賃金の額の3分の1を超える額が2か月以上支払われない、離職直前6か月のうちに連続する3か月で(1)45時間、(2)1か月で100時間、(3)連続する2か月以上で平均して1か月で80時間を超える時間外労働など。

また、離職の日が平成21年3月31日から平成29年3月31日までの限定ですが「特定理由離職者」でも「特定受給資格者」と同じ支給日数となります。

この特定理由離職者とは、雇止めなど労働契約期間が満了し本人が更新を希望したのに離職となった人です。また、正当な利用のある自己都合(例えば、体力不足、父母の介護、結婚による引越しなど)の場合も、被保険者期間が12か月以上(離職前2年間)ない場合に限り特定受給資格者と同じ日数になります(手当が支給されない事態は避けることができます)。

退職前の手続きは「離職票」という書類が重要

この特定受給資格者や特定理由離職者ですが、該当する方は退職前の手続きで気をつけるべき大切なポイントがありますよ。

退職前(もしくは退職日)には、「雇用保険被保険者離職票-2」というものに署名や捺印をします。 この離職票には、退職理由や給付金の計算の基になる賃金などの情報があらかじめ書かれているはずです。この内容に間違いがないかをしっかり確認してから、署名するようにしましょう。ここに書かれている内容で、失業給付が決まることになります。

退職前にも知っておきたい失業保険の手続き。この離職票のチェックの仕方から、退職後の手順などを詳しくご紹介します。

「離職票」にある賃金と退職理由をチェック

失業保険
退職する前に署名捺印する離職票には要注意
退職前(または退職日)に、会社から署名捺印を求められる「雇用保険被保険者離職票-2」の書類。これは、失業保険の給付の申請や給付額の手続きにとても重要な役割を果たします。

「離職票2」とも呼ばれるこの用紙は、左側に雇用保険の被保険者番号や事業所の情報、離職前の賃金支払状況などが書かれています。これらは全て事業主のほうで記入されます。

この賃金状況に書かれる賃金は、ボーナスを含まない毎月きまって支払われたもの。この金額を基に「賃金日額」が計算され、失業保険の1日あたりの給付金「基本手当日額」が決まります。

また、離職票2の右側には、事業主が記入する離職理由と、退職者が記入する離職理由と退職者の署名、捺印の欄があります。 会社側が書いてある退職理由をしっかりとチェックしましょう。この理由が後で非常に重要になってきます。

ハローワークで失業保険の給付日数を決める時などは、この用紙に書かれていることが大きな判断基準になります。内容が少しでもおかしいと思ったら、署名捺印をすることなく会社に書き直してもらいましょう。

離職票が会社から送付されたらハローワークへ

退職後10日以内に会社から、退職前に署名捺印した「離職票2」と、退職後にハローワークから発行された「離職票1」が送られてきます。 もし退職後10日たってもこれらの書類が送られてこない場合は、会社のほうに確認してください。

これらの「離職票1、2」と「雇用保険被保険者証」(退職時に会社から受け取ります)、本人確認書類(運転免許証など)、写真、印鑑、預金通帳をもって、住んでいる管轄のハローワークに手続きに行きましょう。

ハローワークでは求職の申込みを行うと同時に離職票を提出して失業給付の受給申込みをします。この時に、受給資格があるか、離職理由なども判定されます。これで受給申込みが完了です。

指定された説明会、失業認定には必ず出席

申込み時に指定された「雇用保険受給者初回説明会」には必ず参加しましょう。この説明会で雇用保険について説明を受けるほか、「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」を受け取ります。

説明会の後は、失業保険を受給する間は、失業認定として4週間に1度はハローワークに行くことになります。もちろん、その失業の認定までに、求職活動をする必要があります。2回から3回の求職活動(ハローワークより指定されます)を行い、失業の認定を受けることになります。この失業認定をもって雇用保険が給付されるというわけです。

失業保険の受給期間は離職日の翌日から1年間

基本手当がいつまで受給できるかというと、離職した日の翌日から1年間です。これを受給期間といいます。ハローワークへの手続きが長期間遅れてしまうと、給付日数分の受給ができなくなる場合もあるので注意をしましょう。

ただし、本人の病気やケガ、妊娠、出産・育児、親族等の看護・介護等のために退職後引き続き30日以上職業に就くことができない場合、受給期間を延長(最大3年間)することができます。この手続きの期限は、職業に就けない状態の31日目から1カ月以内です。

いかがでしたか? 失業保険を受給するためには退職前からの手続きが必要であることがわかりました。また、退職後に行うべきこともたくさんあります。後から知らなかったということのないように、ぬかりなく準備をすすめておきましょう。