奈良市観光名所ベスト5とモデルコース

「奈良にはじめて行くので、おすすめの観光名所を教えて欲しい」、「修学旅行で奈良に行くので、どこがおすすめか知りたい」というような奈良初心者向けに、「はじめての奈良市観光 おすすめ名所ベスト5」をご案内します。

東大寺大仏殿

東大寺大仏殿


今回の記事では、JR奈良駅、近鉄奈良駅から徒歩でまわれる、奈良公園周辺の観光名所にしぼってご案内します。

なお、記事の最後では、ベスト5を含む奈良公園周辺の主な観光名所を効率的に巡るモデルコースを紹介します。

大仏様のいらっしゃる東大寺

奈良観光で、絶対に外せないのが奈良の大仏様を本尊とする東大寺。

東大寺を訪れた皆さんが、まず目にするのが大きな南大門です。日本最大級の門とされ、門の両脇には、鎌倉時代の大仏師・運慶による阿吽(あうん)の仁王像が安置されています。そのまま境内に進むと、大きな大仏殿がみえてきます。

東大寺南大門

東大寺南大門


東大寺の歴史は古く、聖武天皇によって盧舎那仏(るしゃなぶつ)を本尊とする寺院の建立が計画され、大仏開眼の法会が営まれたのが天平勝宝4(752)年。大仏が完成したのは、今から1260年以上も前のことになります。

奈良の歴史の長さには、本当に驚きますね!

その後、大仏殿は兵火で2度焼失しますが、その度に再建されました。

東大寺大仏

東大寺大仏


東大寺境内では二月堂にも足を運んでみましょう。この建物では、3月1日から(旧暦の2月1日から)2週間にわたって、奈良に春の訪れを告げる「修二会」という法会が行われます。

とくに3月12日は、19時半頃から「お松明(たいまつ)」、深夜(13日の午前1時半頃)には「お水取り」が行われ、大変混雑します。

ちなみに、大仏といえば奈良と並んで鎌倉の大仏も有名です。2つの大仏様の大きさなどを比べてみるのも面白いですね。

奈良、鎌倉ともう一つは?日本三大大仏の魅力に迫る

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■東大寺
住所:奈良市雑司町406-1
アクセス:JR奈良駅から市内循環バス「大仏殿春日大社前」下車徒歩5分、または近鉄奈良駅から徒歩約20分
地図 → 東大寺ホームページ

興福寺から猿沢池へ

奈良で東大寺と並ぶ大きなお寺として知られるのが興福寺。奈良時代から平安時代にかけて絶大な権勢を誇った貴族の藤原氏の氏寺です。

興福寺の境内は近鉄奈良駅から歩いて行くと、ちょうど奈良公園の端に位置しており、緑多い境内では、多くの鹿たちがのんびりしています。

奈良公園の鹿たち

奈良公園の鹿たち


興福寺は「仏教美術の宝庫」といわれ、数多くの仏像などを所蔵していますが、中でも有名なのは、「天平の美少年」と呼ばれる、少年のような美しい表情の阿修羅像でしょう。阿修羅像が収蔵されているのは、境内の「国宝館」という建物です。

興福寺のシンボルともいえるのが、大きな五重塔。この五重塔は間近で見るのではなく、南に進み階段を下りて、猿沢池(さるさわのいけ)の畔から眺めるのがベストポジション!

猿沢池と興福寺五重塔

猿沢池と興福寺五重塔


また、興福寺の五重塔は夜間にはライトアップされ(ライトアップは通年実施)、夜は昼とはひと味違う、幻想的な姿を見ることができます。

なお、興福寺の本堂に当たる中金堂は再建工事が進められていましたが、2018年10月20日(土)から、一般拝観が開始される予定です。

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■興福寺
住所:奈良市登大路町48
アクセス:JR奈良駅から市内循環バス「県庁前」下車すぐ、または近鉄奈良駅から徒歩約5分
地図 → 興福寺ホームページ

タイムスリップしたような雰囲気の「ならまち」を歩く

猿沢池から南に歩を進めると、その昔、元興寺(がんごうじ)という大きなお寺の境内地だったエリアに発達した、町家建築が建ち並ぶ「ならまち」の町並みが広がっています。

元興寺は、東大寺や興福寺とも並ぶ大きな寺院でしたが、都が平安京(京都)に遷ると徐々に衰退し、室町時代の火災で伽藍(がらん)の大半を失ってしまいました。

現在の元興寺(極楽坊)

現在の元興寺(極楽坊)


現在も、「ならまち」の一画に元興寺というお寺がありますが、このお寺は、かつての元興寺の僧房の一部が残ったもので、以前は元興寺極楽坊と呼ばれていました。

「ならまち」には、奈良の庚申信仰の拠点である「庚申堂」や、昔ながらの町家をモデルに1992年に建てられ、内部を見学できる「ならまち格子の家」、1917年築で、2017年に築100年を迎えた町家を公開している「奈良町にぎわい家」などの見どころがあります。また、町家フレンチや町家カフェなどもあるので、ランチや休憩にもオススメです。

ならまち格子の家

ならまち格子の家


なお、「ならまち」の情報を収集するなら、ぜひ立ち寄りたいのが「奈良町情報館」。周辺の観光案内のほか、特産品の販売なども行っています。

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■奈良町情報館
住所:奈良市中院町21
営業時間:10:00~18:00
定休日:無休(年数回の臨時休業あり)
アクセス:近鉄奈良駅から徒歩13分
地図 → 奈良町情報館ホームページ

若草山で大和盆地の絶景を

「奈良のイメージカラーは?」と聞かれたら、奈良に何度も足を運んだことがある人なら、奈良のシンボルの一つである若草山の「若草色」を思い浮かべるかもしれません。

若草山の鹿

若草山の鹿


若草山は、東大寺や春日大社の東に位置する標高342mほどの、山全体が芝生に覆われたなだらかな山。三つの笠を重ねたような形をしているので、別名「三笠山」とも呼ばれており、山中には多くの鹿たちがいます。

若草山の登山道からは、あの巨大な東大寺の大仏殿が小さくみえ、その向こうに広がる大和盆地を一望する絶景も楽しめます。

大仏殿が小さく見えます

大仏殿が小さく見えます


若草山に登ることができる開山時期は、3月第3土曜日から12月の第2日曜日まで。また、毎年1月の第4土曜日に行われる「若草山焼き」は、冬の奈良の代表的行事です。

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■若草山
地図 → 奈良県ホームページ

春日大社からささやきの小径を抜けて

猿沢池を右に、興福寺の五重塔を左に見ながら三条通を真っ直ぐに進むと、正面に朱色の鳥居がみえてきます。これが春日大社の一之鳥居です。

春日大社一之鳥居

春日大社一之鳥居


一之鳥居からおよそ1kmの長い参道を歩いて行くと、次第に森が深くなっていき、やがて二之鳥居が現れます。

春日大社は、今からおよそ1300年前、奈良に都(平城京)ができた頃に、鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)からタケミカヅチノミコトという神様をお迎えしておまつりしたのが始まりとされます。そのときに、神様が白鹿に乗ってやってきたという伝説から、奈良では鹿を「神の使い」として大切にするようになったとされます。

春日大社境内

春日大社境内


さて、春日大社の参拝を終えたら歩いてみたいのが、二之鳥居付近から森の中へと続く、「ささやきの小径」。以前、奈良市観光協会に問い合わせたところ、「道が静かなので、ささやき声でも話ができる」とか、「恋人同士がささやきあいながら歩く小径」というのが名前の由来なのだそうです。

「ささやきの小径」は、南の高畑地区に通じていて、高畑には作家・志賀直哉の旧居や、初秋の萩、天平美術の傑作と名高い躍動感に満ちた「十二神将像」で知られる新薬師寺というお寺などがあります。

新薬師寺の萩

新薬師寺の萩


なお、高畑からは柳生街道「滝坂の道」(高畑町~円成寺 約9.5km)という人気のハイキングコースを歩くこともできます。「滝坂の道」については、下記の記事で詳しく紹介しています。

もっと奈良を味わいたい 二度目の奈良観光はココへ!

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■春日大社
住所:奈良市春日野町160
アクセス:徒歩の場合、近鉄奈良駅から25分。バスの場合、JR奈良駅・近鉄奈良駅から春日大社本殿行で、「春日大社本殿」下車すぐ
地図 → 春日大社ホームページ

ベスト5を効率良く巡るには?

最後に、以上で紹介したベスト5を含む奈良公園周辺の主な観光名所を効率良く巡るモデルコースを紹介します。

まず、注意しなければならないのが、JR奈良駅と近鉄奈良駅は徒歩で12分ほど離れていること。観光の拠点として便利なのは近鉄奈良駅のほうなので、今回は近鉄奈良駅からスタートします。

さて、最初に興福寺に向かい、国宝館で阿修羅像などを拝観した後、猿沢池に向かい、猿沢池と興福寺五重塔をバックに記念撮影。

猿沢池から南に進み、「ならまち」ではランチや町家体験を楽しみましょう。

浮見堂と紅葉

浮見堂と紅葉


その後は、猿沢池まで戻り、春日大社の参道に進んでもいいのですが、「ならまち」から東に進んで、「浮見堂」に立ち寄るのもオススメ。「ならまち」エリアの東には、荒池・鷺池という2つの大きな池があり、このうちの鷺池に浮かんでいるのが「浮見堂」です。

さて、鷺池から北に向かうと、間もなく春日大社の参道と交差します。春日大社を参拝したら若草山に登山し、最後に東大寺を拝観すれば、奈良の主要名所を押さえた散歩コースになります。

もし時間に余裕があれば、「浮見堂」からさらに東に向かい、高畑の新薬師寺を拝観し、「ささやきの小径」経由で春日大社に向かえば、さらに充実したコースになります。

ちなみに、1乗車100円で利用できる周遊バス「ぐるっとバス」を上手に利用すれば、より効率的に奈良市観光が楽しめます。(混雑期を除いて、土日祝日のみの運行)

その他の奈良の観光名所など

今回の記事で紹介したほか、奈良公園周辺では、「奈良国立博物館」もオススメスポットです。この博物館で毎年秋に開催される「正倉院展」は大変な人気で、長い行列ができます。

また、近鉄電車やバスでの移動が必要ですが、近年整備が進んでいる平城宮跡や、薬師寺や唐招提寺(とうしょうだいじ)などのある「西の京エリア」にも、ぜひ立ち寄りたいところです。ただし、その美しい姿から「凍れる音楽」とも呼ばれる薬師寺東塔は、2020年完成予定で解体修理中で、現在見ることができません。

解体修理前の薬師寺東塔(2010年撮影)

解体修理前の薬師寺東塔(2010年撮影)


さらに、奈良市内だけでなく、奈良県内を見渡せば、法隆寺などのある斑鳩(いかるが)町や、日本の国が誕生した地ともいわれる明日香村などもあります。

華やかなイメージの京都と違い、素朴な感じですが、奈良は日本人の心の故郷だと思います。

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