知らぬは上司の自分だけ? 思わぬ行為が「ハラスメント」扱いに!
部下が笑っていても、内心「ハラスメント」と思われていることも
■男らしく潔いつもりの管理職・Aさん
歯に衣着せぬ物言いがトレードマークのAさん。「サバサバしている」「潔い!」と好印象を持つ部下もいる一方で、裏では「さっきの言い方はひどすぎるよねー」など、批判する声もチラホラ…。
■人付き合いが少し苦手なシャイな管理職・Bさん
実は人付き合いがあまり得意ではないBさん。苦手なタイプの部下の扱いに戸惑い、なんとなく距離を置きがちに。当の部下は「自分だけ嫌われている」と思い込んでいる模様。
■友だち感覚で部下に接することがモットーの管理職・Cさん
プライベートでもSNSでつながろうとしたり、頼れて話しやすい上司として積極的に部下に接しようとするCさん。しかし本人が知らないだけで、部下たちからは不評。
■和気あいあいとした空気を大切にしたい管理職・Dさん
和気あいあいとした職場の空気を大切にしたいDさん。いつもグループでランチに行っている女子社員たちを誘って雑談に花を咲かせることも。当初は喜んでついていった女子社員たちも、しだいに「何で女子だけ食事に誘うの? ちょっと気持ち悪くない?」と陰で言うように…。
■チームで盛り上がれる飲み会が大好きな管理職・Eさん
お酒が入るとフランクな話が止まらなくなり、場を盛り上げなければと猥談を始めてしまうEさん。その場では部下も話を合わせて騒ぐので本人はうまく盛り上げたつもりになってしまうが、部下だけの飲み会では「Eさんはちょっと下品だよね…」などと囁かれている。
部下は本音を語らない! だから上司は気づきにくい!
上の5つの例に共通するのは、部下たちは「不快な気持ち」を上司にはっきり示していないということです。上司と部下という関係は非常に難しいもので、部下が笑顔で応じていたり、一緒に楽しんでいるように接している場合でも、実は上司に配慮した反応をしているだけで、本音では不快に思っている、ということがしばしばあるのです。上で挙げたようなタイプの上司には、嫌がらせをするつもりも、わいせつな気持ちがあるわけでもないと思います。しかし、自分の行為が相手の負担になっていることに気づかないでいると、部下は「パワハラ」「セクハラ」と受け止め、思いつめてしまったり、ある日思いがけず職場で糾弾されてしまうことがあるのです。
では、上司は思わぬ行為を「ハラスメント」と見なされないために、どのようなことに気をつければいいのでしょう? 次のページで考えてみましょう。