地震の予測と耐震等級
■我が家の耐震性能は?「J-SHIS Map」を使って、全国各地の地震や地盤についての情報を調べると、地震規模の大きさや地震発生確率を知ることができます。現状を知って、対策を練ろう!
昭和56年の建築基準法の改正によって、耐震設計基準の見直しが行われ、昭和56年以降に建てられた建造物の耐震性能が大幅に向上されました。新耐震設計基準による建物は、阪神大震災においても被害は少なかったとされています。私の住む家も新耐震基準を満たした家屋なのですが、新耐震設計基準で耐えられる地震とはどのようなものなのでしょうか。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(住宅品質確保法)では、住宅の構造の安定性について、耐震等級1から3まで設定しています。最低レベルの耐震等級1を建築基準法の水準としています。また、耐震等級には、倒壊防止と損傷防止に分けて表示されます。
●耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)
一般的な耐用年数の住宅では遭遇する可能性は低い、数百年に一度程度の確率で発生する地震に対して、損傷は受けても、人命が損なわれるような壊れ方をしないものを性能表示制度では、等級1としています。想定する地震の揺れの強さは、地域により異なりますが、東京を想定した場合、震度6強から7程度に相当し、関東大震災時の東京、阪神淡路大震災時の神戸で観測された地震の揺れに相当します。等級は1から3まであり、等級2は等級1で耐えられる地震力の1.25倍の力に対して倒壊や崩壊等しない程度を示しており、等級3では1.5倍の力に耐えることができます。
●耐震等級(構造躯体の損傷防止)
一般的な耐用年数の住宅では1度は遭遇する可能性が高い、数十年に一度程度の確率で発生する地震に対して、大規模な工事が伴う修復を要するほどの著しい損傷が生じないものを性能表示制度では、等級1としています。想定する地震の揺れの強さは、地域により異なりますが、東京を想定した場合、震度5強に相当します。等級は1から3まであり、等級の目安は、耐震等級(構造躯体の倒壊防止)と同じです。
■自分の住む地域の地震の発生確率を調べる
マイホームの耐震等級について確認してみたものの、果たして、震度6強から7までの地震の発生が予測されるかどうか気になったので、調べてみることにしました。
国立研究開発法人防災科学技術研究所では、将来日本で発生する恐れのある地震による強い揺れを予測し、予測結果を「全国地震動予測地図」にまとめています。同法人が運営する「J-SHISハザードステーション」では、「J-SHIS Map」を使って、全国各地の地震や地盤についての情報を調べることができます。
私の住む東京・国分寺市では、30年のうちに震度6強の地震が発生する確率は、6~26%という、かなり高い確率であることがわかり、衝撃を受けました。また、最近、活断層が注目されていますが、私の住む東京の西部にも、立川断層という活断層帯があります。立川断層で地震が発生した場合の推定マグニチュードは6.8、私が住む地域の予測震度は、6強と表示されました。立川断層の地震の発生確率は、30年で1.35%、50年で2.24%とのことです。地震の発生確率を低いか高いかは、人それぞれ感じ方が違うと思いますが、楽観視することのできない数値だと感じました。
■地震や防災に関する情報は、自ら入手し対策を!
今回の熊本地震を契機に、地震に関する情報を調べてみると、地震や防災に関する情報は、かなり詳細なレベルで公開されていて、インターネット等で比較的容易に入手できることに気付きました。
住まいは、マイホームか賃貸か、戸建てかマンション・アパートかなど、さまざまだと思いますが、自分たちの命を守ることが最優先です。マイホームの人は、自己所有の家屋が震災で耐えられるかどうかは、関心を持ちやすいでしょう。賃貸の場合でも、自分の命が安全かどうかは、重要な問題です。建築年数や、住んでいる地域の地震予測は、しっかりチェックして、万が一に備えておくことが大切です。
>>震災から命と我が家の資産を守る保険はどうする?