いつ「投資デビュー」をするか
アナタはいつ投資デビューできる?
ネット証券上位4社の合計が750万口座くらい、野村證券の残高あり口座数が540万口座くらいと言われていますが、三菱東京UFJ銀行だけでも約4000万口座(個人口座)あるとされ、預金する人の多さに比べ投資する人の少ないことがよくわかります。
投資は元本割れする可能性があるため、誰でも簡単に手を出せない、というのはその通りです。それなりの知識を持って投資に臨むべきです。
しかし、「完璧に勉強し終えてから投資デビュー」を考えると実はあまりうまくいきません。
今回はあえて発想を逆転し、「勉強はそこそこに、とりあえず投資デビュー」というアプローチを考えてみます。
「先に勉強して分かったら投資」では石橋を叩いて渡らず、になるかも
先日、有名なファイナンシャルプランナーの方のおもしろい話を聞きました。著名な2人のファイナンシャルプランナーが、口をそろえて「まずは投資を始めてみた」「投資をしながら投資について学んでいった」というのです。私たちはなんとなく、投資をスタートさせるなら、「投資についてしっかり勉強し」その後に実際の投資を行うのではないかと考えてしまいます。
しかし、投資について学び始めると、学ぶべきことの多いことがわかります。石橋を叩いて渡る、という言葉がありますが、むしろ石橋を叩いて渡らない、になりかねないほどです。
「勉強しながら走り出す」そんな投資をすればいい
例えばジョギングを始めるとき、最初は走る時間や距離を抑えつつ、自分にできる範囲で無理なくスタートするはずです。そして、体が慣れてくるに従い、徐々に距離を伸ばしていくことでしょう。最初から走法について学習し、ストライドやピッチについてじっくり検討し、習得した後走り始める人は誰もいません。
ランニングウェアやシューズについても、ちょっとずつレベルアップしていくものですし、心拍数やラップを計ることのできる活動量計を買い足してみたり、ログを保存して自分の走りをチェックするようになるのもまさにステップアップです。
「できる範囲からスタート」して、「徐々にステップアップ」していく、というのは考えてみれば普通のことです。
また実際にはじめてみることで、最初は考えなかったり気がつかなかったことが見えてきます。
資産運用や投資でもそれは同じことです。投資でも「走りながら学ぶ」を考えていけばいいのです。
走りながら学ぶ場合に心がけておくべき注意点は2つ
走りながら勉強する投資方法を考えたとき、大事なことが2つあります。それは「大きな失敗をしない」ということです。先ほどのジョギングの例でいえば、大けがをしないような注意が必要です。いきなりフルマラソンを目指したり、ピッチを速めたりはしません。
投資であれば「投資金額」を小さくスタートすることが大事です。どんな失敗も、投資金額が小さければダメージを小さくすることができるからです。
最初は20キロではなく5キロくらいを走るように、100万円ではなく5~10万円でスタートすればいいのです。もっと少なく、数万円でもかまいません。
もうひとつ、初心者なのだからと、金融機関の人の意見を聞いたり、「初心者向け」のような金融商品に手を出す必要はありません。少額で投資をする、という原則さえ守れば、個別の企業の株を買ってもよし、投資信託で日本株全体を買うもよし、投資信託で世界中の株に投資をしてもかまいません。
むしろ、割高の手数料を払わないようにしてください。「お任せ」という名目で購入時に1%以上、年間の運用手数料が1%以上かかったら、これはもう払いすぎだと思ってもいいでしょう。なお、手数料が高ければ運用成績が保証されるわけではありませんので、ご注意を。
→参考 投資では値段が高い=高品質じゃない?
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ジョギングを楽しむように、投資も楽しみながら、生活の一部とすることができれば、これは人生を豊かにする選択肢を増やすということでもあります。
ぜひ「とりあえずでいいので投資デビュー」してみてください。