年金は「たったこれだけ」とみんな思っているが

日本人のほとんどが「国の年金はたいしたことない」と考えています。一部の知識人が煽っている側面もありますが、実際の年金生活に入った人の多くも「たった、これだけ」と国に文句をいっています。自分のメッセージは「国に100%依存するのも、100%頼らないのも、同じくらい愚かである」ですが、なかなか理解しにくいようです。

本欄、マネーハックコラムでは逆転の発想で年金についても考えてみたいと思います。「実は国はとんでもない金額をあなたに年金として払ってくれる」としたらどうでしょうか?

平均的な年金額を考えると国が老後に5000万円くれる?

明らかに年金額が少ないと思われるのは老齢基礎年金(国民年金分)でしょう。こちらは40年しっかり保険料を納めても80万円にもなりません。これでは生活ができないと誰もが文句をいいます。しかし、65歳の男性は19年、女性は24年くらいは平均余命がありますので、この金額を毎年もらえることになります。もし19年なら1520万円、24年なら1920万円です。実は国はあなたの老後に1500~2000万円をくれる、ということです。

厚生年金の平均受取額は厚生労働省の統計によれば、16.5万円くらいです(国民年金分を含む)。少し割り引いて15万円としても、これを男性が19年、女性が24年受けるわけですから、19年なら3420万円、24年なら4320万円もらえることになります。なんと3000~4000万円も国が老後にお金をくれるわけです。

もし会社員の夫と専業主婦の夫婦であれば、3420+1920万円ということで、なんと5340万円です(遺族厚生年金は含まず)。「たったこれだけ」と思っている年金は、実はとんでもない額の給付でもあるのです。

さらに10年長生きすれば数千万円多くもらえる!

国の年金のすごいところは「終身年金」です。これはつまり長生きする限りずっと年金をもらい続けることができる仕組みです。国の年金を払う理由は「保険料を納めたから」ではなく「老後に働けなくなったから」なので、どんなに長生きしても、損得を抜きにして国は老後を支えてくれます。(もちろん、完全に損得を抜きにしているわけではありません)

先ほどの例で、夫婦が10年ずつ長生きをしたとします。会社員の夫が29年、専業主婦が34年年金をもらえば、夫5220万円+妻2720万円ということで、一気に7940万円にアップします。なんと10年の長生きについて国は無条件で2500万円多く年金をくれることになりました。

おそらく、ほとんどの日本人が、国の年金が家一軒買うより大きいお金をくれる仕組みであるとは思っていないはずです。しかし、国の年金はスゴイ制度なのです。

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